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第12回 : 永住権の自己申請(VAWA)

外国人が米国市民と結婚すると、通常、米国市民は外国人配偶者の永住権をスポンサーします。しかし、この移民法上の優位性を理由に、米国市民が外国人配偶者を虐待するというケースも少なくありません。身体的な暴力を受けるという以外にも、セックスを強要される、脅迫される、自由になるお金がない、収入を取り上げられる、常に監視される、自由に友人や家族に会うことができない、屈辱的なことを言われるなど、虐待(ドメスティック・バイオレンス、あるいはDV)には様々な形があり、人種・文化・年齢に関係なく、あらゆるタイプの人がドメスティック・バイオレンスの被害にあっています。

被害者の中には、「不法滞在していることを通報する」「離婚したら永住権を取得できない」「永住権を持っていなければ親権を得られない」などと脅かされ、「永住権を取得するまではどんな状況であっても米国市民と一緒にいなければならない」と思い悩んでいる方が多くいます。そこで、そんな方々をドメスティック・バイオレンスから守る目的で、1994年に "The Violence Against Women Act" (VAWA) と呼ばれる法律が制定され、ドメスティック・バイオレンスの被害者である外国人配偶者が、米国市民の協力を得ずに永住権を自己申請することが可能になりました。

この申請の要点は、外国人配偶者が本当にドメスティック・バイオレンスの被害者であると立証することです。例えば、医師からの診断書、カウンセラーやソーシャル・ワーカーからの報告書、警察調書、ケガの写真、虐待の事実を知る、あるいは目撃した知人からの供述書、シェルターに避難したことの証明書などが必要証拠書類として挙げられます。しかし、状況によっては収集不可能な書類もありますので、書類収集のために危険を犯すことは避けて下さい。この他に、身分を証明するためのパスポートや出生証明書、2人の関係を証明するための婚姻証明書、子供の出生証明書、共同名義の銀行口座記録や物件権利書、写真等も用意しておくと良いでしょう。また、被害にあったことを、常に記録しておくことも大切です。

最後に、ドメスティック・バイオレンスは時間が経つに連れて悪化する傾向にあります。ここでお話した自己申請は、長い目で見た解決策の1つです。カウンセラーに相談する、安全な場所(友人宅・シェルター)に避難する、保護命令書 (Protection Order) を取得するなど、自分の環境を変える方法はいろいろありますので、まずは身の安全を確保することを優先して下さい。

なお、上記は米国市民の配偶者による例ですが、配偶者が永住権保持者である場合も同様の申請が可能です。


(2003年12月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
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第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
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第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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