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第32回 : 過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome)

過敏性腸症候群という病名はあまり聞き慣れないと思いますが、この症状を経験した人は案外多いはずです。

これは特定の1つの病気ではなく、大腸に関するさまざまな症状を指します。腹痛・腹部の満腹感・不規則な排便・便秘・下痢、または便秘と下痢が交互になり、時には吐き気も伴います。排便によって腹痛が軽くなるのが特徴です。これらの症状には個人差はあるものの、アメリカでは2千万以上がこの症候群を持っていると言われ、若い女性に多く見られる傾向があります。

これらの症状は大腸の不規則な動きが原因となって起こります。多くが心身症と関わり、精神的なストレス・不安・緊張によって起こるのが全体の半分以上になります。

この病気の診断で大切なことは、他の病気がないことを確かめることで、他の病気が除外されて初めてこの症候群と診断されます。

次に挙げる症状がいくつかあてはまれば、過敏性症候群の疑いがあります。

1)子供のときからよく腹痛があった。
2)年に数回以上腹痛があるが自然に治る。
3)腹部を暖めると腹痛が軽減した。
4)排便後腹痛が軽減された。
5)下痢と便秘が交互にある。
6)うさぎの糞のような便がでる。
7)大便の中に粘液が見られる。

過敏性腸症候群は個人差があるものの、慢性の性質があり、特定の治療法はありません。ただし、薬である程度症状を軽くすることは可能です。また、この病気から悪性の病気にはならないことを充分に理解して、必要以上に心配しないことが大切です。そして、この病気とうまくつきあっていくには、まず食事に繊維類をたくさん取り入れ、水分も心がけてたくさんとることが必要です。それでも便が不規則な場合は、メタミューシル(Metamucil)やシトロセル(Citrucel)等で繊維分を補給してください。次に、規則正しい生活をして暴飲暴食を避けましょう。精神的なストレスをため込まずに良い解決法を見つけることが大切です。それでも症状の悪い時は、薬物治療で大腸のけいれんや不規則な働きを正します。

以上の症状に心あたりがあれば、まず医師に相談してください。そしてこの症候群であることがわかったら、心配せずにまず自己健康管理から始めてみましょう。


(2005年2月)
第46回 ホスピス
第45回 緊急避妊薬
第44回 爪の病気
第43回 クラミジア
第42回 がん予防のために
第41回 溶連菌咽頭炎・扁桃腺炎
第40回 予防接種
第39回 臓器・組織の提供
第38回 生活習慣病
第37回 にきび
第36回 口内炎
第35回 中耳炎
第34回 高血圧
第33回 危険な植物
第32回 過敏性腸症候群
第31回 鼻水
第30回 飲酒運転
第29回 睡眠障害
第28回 うつ病
第27回 誤飲事故
第26回 糖尿病
第25回 飛行機の旅
第24回 西ナイル熱
第23回 避妊の知識
第22回 性感染症
第21回 冬のスポーツを安全に行うには
第20回 薬の正しい使い方
第19回 風邪
第18回 じんましん
第17回 尿路感染症
第16回 心臓病予防のための心得
第15回 夏の事故予防と対策
第14回 お薦め常備薬
第13回 便秘と健康
第12回 肥満
第11回 冬の肌の手入れ
第10回 インフルエンザ Influenza
第 9回 前立腺肥大症
第 8回 卵巣ガン Ovarial Cancer
第 7回 睡眠時無呼吸障害
第 6回 睡眠について
第 5回 気管支ぜんそく
第 4回 偏頭痛
第 3回 アレルギーについて
第 2回 コーヒーとカフェイン
第 1回 SAD - Seasonal Affective Disorder
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