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第1回 : 婚姻関係の解消

今日、夫婦がさまざまな理由から別れを考慮せざるをえなくなることは珍しくありません。アメリカと日本とでは、文化的・社会的な背景、家族のありかたに関する価値観、法的なシステムなどが異なります。今回のコラムでは、婚姻関係の解消方法について、お話しします。

基本的にワシントン州の家族法において婚姻関係の解消方法は、婚姻無効(Annulment)と婚姻解消(Dissolution of Marriage)という2つのカテゴリに分類されています。

1. 婚姻無効 (Annulment)

主に、婚姻が合法であるのか、または違法であるのかを審議します。ワシントン州法の Revise Code of Washington(RCW)は法令26.04.020において、違法である婚姻の条件として、以下を制定しています。
  1. 同性結婚
  2. 重婚
  3. 近親結婚
  4. 結婚を決断する能力がない人(知的・精神障害がある場合、または婚姻時の健康状態)
  5. 18歳以下の人の結婚
条件5の年齢制限に関しては、夫または妻のどちらかが、結婚式の当日に17歳であった場合、婚姻が無効になるのか否かについては、裁判官の判断に委ねることとされています。Declaration of Invalidity(違法性の宣言)を求めるには、上記の違法条件の最低1つに該当する必要があります。

しかし、条件1〜3以外に関しては、違法条件に該当しているのを知りながら結婚生活を継続した場合、婚姻を合法とする場合もあります。例えば、夫または妻が結婚式当日に17歳であったにも関わらず、18歳の誕生日を過ぎても婚姻を継続した場合、その婚姻は合法であると考えられます。もう1つ例をあげると、「酒の勢いで、何となく結婚をしてしまった」、また、極端な例では、その事実を「覚えていない」というケースも時々耳にしますが、婚姻の事実を知ってから法的に対処せず、婚姻を継続した場合は、婚姻に同意した(つまり合法である)とみなされることが多いようです。

宗教的な婚姻無効と法律上の婚姻無効は、意味が全く異なる、別のものです。そして、婚姻無効のコンセプトは婚姻解消の方法として知られてはいるものの、一般的ではないことも、ここに追記しておきます。


2. 婚姻解消(Dissolution of Marriage)

現在、ワシントン州の家族法において、Divorce(離婚)という言葉は正式には使われておらず、Dissolution of Marriage(婚姻解消)が正式に使われています。まず、最初に管轄裁判所にPetition of Dissolution(婚姻解消の申し立て)という書類を提出し、婚姻関係を続けていく意思がないことを法的に申し立てる手続きを行います。

ワシントン州は、No Fault(破綻主義)を柱にしており、裁判所はこの婚姻の破綻原因(一例:浮気)が夫または妻のどちらにあるのかということは、一切関知しませんし、夫も妻もそれを立証する必要はありません。単に婚姻関係を続けていく意思がなく、関係修復の見込みがないというだけで、十分に正当な理由となります。

裁判所が主に審議するのは、以下の2条件についてです。
  • 財産の分割
  • 借金の分割
そして、子供がいる場合は、さらに以下の2条件が審議事項に追加されます。
  • 子供の居住場所、または居住条件
  • 養育費
ワシントン州では婚姻解消にPetition of Dissolutionを裁判所に提出し、相手にそのコピーが届けられてから、90日の猶予期間が必須とされています。

「夫(妻)から一方的に離婚を求められています。離婚したくないのですが、どうすればよいですか?」という質問をよく受けますが、基本的に、夫または妻のどちらかが婚姻継続の意思を喪失している場合、相手に無理矢理婚姻の継続を求めたり、法的に婚姻解消を回避することは不可能です。結婚が個人の意思であるのと同様に、解消するのも個人の意思が一番に尊重されるべきとされています。

(2006年4月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず会計・税務の専門家に相談するようにしてください。
第2回 Spousal Maintenance (元配偶者への生活補助手当て)について
第1回 婚姻関係の解消
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