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第8回 : Buy-Sell Agreements ("売り渡し・買い取り規定")

Washington Secretary of State と Washington Department of Licensing の手続きを終えたら、それ以上の手間や費用をかけることなくビジネスに専念したいというのは新オーナーの心情です。したがって、「規定」の制定などは将来経済的に余裕ができた時にと後回しにしがちですが、問題が起きてからでは遅いことが少なくありません。複数の出資者のいる場合の「売り渡し・買い取り規定」はその1つです。

幸いビジネスが順調に運んだとして、後に出資者の1人が自分の出資分を他人に売り渡したい場合や、別の共同出資者の参加を求める場合に、規定がなければ物事が複雑になります。全出資者が協力的であれば、その時点で規定を制定して譲渡なり新規出資なりすることできるかもしれませんが、共同出資者同士がうまく行ってない時は、解決までに時間と費用がかかることがあります。このように、売り渡し・買い取り規定は、複数出資者のある場合、株式会社の Bylaws や有限会社の LLC Agreement と同じくらい重要なものとなります。

この売り渡し・買い取り規定には、出資分をまず会社に売り渡す Redemption Agreement(買戻し合意)と、他の出資者に売り渡す Cross-Purchase Agreement(交差買い取り合意)とがあります。これらの規定には、出資はもともとの出資者間にとどまる、出資分が換金可能となる、税法上の地位を維持できる、出資者利益を価値化するという利点があります。

会社による買い戻し、または他の出資者による買い取りに合意する例には次のようなものがあります。
  1. 共同出資者Aが友人Cに出資分を売却しようとする時
    まず、他方の共同出資者Bまたは会社に自分の出資分の買い取りを申し出る必要があると決定することができます。


  2. 共同出資者の死去または身体障害
    .規定では、会社が出資者に生命保険をかけ出資者の1人の死亡時には保険金を使用して故人の遺産から出資分を買い取る、とすることが可能です。


  3. 雇用関係の終了
    もしBが会社の従業員として株を与えられたのであれば、会社を辞める時は会社に売らなければならないと決めることもできます。


  4. 出資者地位の担保利用
    Aが出資者の地位を借金の担保として利用しようとする場合は、返済できなければ貸主が出資者として会社に関与してくるのを防ぐため、会社または他の出資者への売り渡しを要すると定めます。

売り渡し・買い取り合意は投資者の地位の価値評価にもつながります。評価方法には次の4通りがあります。
  1. 帳簿価格。
    株主の持分と会社のバランス・シートを照らし合わせ、帳簿価格が決まります。必ずしも市場価格と一致するものではありません。


  2. 合意価格。
    一株あたりの価格を定期的に(例えば年に1度)株主の合意で設定するものです。利点は、査定費用が不要であることですが、実勢価格を反映するものではなく、不公平な事態も起きることです。


  3. 査定価格。
    当事者が合意する査定人・方法により評価された価格となります。


  4. 合意した方式によるもの。

以上からわかるように、買い取り・売り渡し規定は、出資者が複数の場合は重要な書類と言えるでしょう。これはとりわけ、ビジネスが発展するにつれて、いっそう重要になります。


(2006年2月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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