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第5回 : 単独所有権と有限責任法人 (1)
多くのビジネスは、個人の単独所有として営まれています。これは、ビジネスを営んでいる個人が、そのビジネスの提供する製品やサービスの対価を受け取り、もし、そのために手伝いが必要とあれば個人的に人を雇うというものです。また、経営者は自営業税を支払いますが、ビジネスから生じる所得または損失は一般的に、その個人の所得・損失となります。
これに対し、有限責任法人を設立するという選択もあります。株式会社および有限責任会社(LLCs)がその代表的なものです。私は有限責任法人設立を常々、子供を産むことに例えて説明しています。ビジネス運営の権利・義務・責任を持たされ誕生した新しい人格は、独自の名前、ソーシャル・セキュリティ番号(実際には連邦雇用者認識番号:EIN)を持つだけでなく、自分の銀行口座さえ持つことになります。これらビジネス主体を日本語で「法人」と言うのはまさに、その存在が生物学的にではなく、法律によって生み出されることを反映しています。
この有限責任法人の維持が何かと物入りなのは、子供を養うのに資金が必要であることと同様です。州法下で有限責任の法人としての特典を認められるためには毎年、州に手数料を支払う必要があります。役員および取締役の名前も報告しなければなりません。つまり、有限責任法人は毎年、一定事項を決定し、書類を作成する必要があるのです。その規則と要件については州法および法人設立準備書式に記載されており、また、書類を準備するのはそれほど困難ではないとはいえ、規則がどこに記載されているかの判断やその手続きに従うには少々時間がかかります。毎日のビジネスで忙しい上、年に数回しかこういう問題を扱うことのない経営者は結局、弁護士の手を借りることになるでしょうが、弁護士費用も安くはありません。
有限責任法人を設立するにはまた、妥当な額の資本を拠出することが必要されています。ただし、必要な資本金が厳しく定められている日本と違い、ワシントン州では、その種の会社が通常負う賠償責任額をカバーするものであれば良いとされています。
たいていの有限責任法人が、私やあなたと同様に税金を支払わねばならないことも、不利な点の1つでしょう。例えば、あなたが米国 "C" 型株式会社の100%オーナーで、法人に所得があった場合、法人は所得税を払わなければなりませんが、配当などの形でその法人から収入を得たあなたもまた、所得税を支払わなければなりません。つまり、二重に課税されることになるのです。
以上、有限責任法人を設立することの不利な点を述べましたが、これに対する顕著な利点は、規則に則って維持・運営されている限りは、有限責任法人に関して生じた問題は法人内にとどまるということです。つまり、ビジネスがトラブルに陥っても、最悪の事態は法人の資金が底をつくか、再建をめざすために破産の申し立てをしなければならないだけで、あなた個人の家・車・貯金その他の財産は守られるのです。
(2005年9月)
= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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担保権の重要性
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第5回
単独所有権と有限責任法人 (1)
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