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第34回 : 日本企業の米国内商標登録について

商標登録は通常、国ごとに行われます。従って、日本国内で商標や社標を登録しておいても、米国内での模倣や侵害からの保護は期待できません。

日本企業がある製品のために、独創的な商標の使用を日本で開始したとしましょう。企業は日本で商標登録を申請します。より大手の多国籍企業なら、その製品が将来は米国内でも販売される可能性があれば、商標を米国内でも登録しておこうとします。なぜなら、日本での使用も登録も、(偶然か悪意で)米国内での類似の商品や事業に対しての同一、または類似の商標使用に対しては大して力となりえないからです。

しかし、ほとんどの日本企業は米国内で製品を販売することはないでしょう。また、国外に販路を求めようとする会社も、将来その使用が必要となるかどうか確かでない国も含めた世界中の国で直ちに商標登録することは、費用の点からためらわざるを得ないでしょう。資金を有効に使うため、たいていの企業は米国内で使用を開始すると同時に米国での商標登録の手続きをしようとします。ほとんどの場合、類似製品・事業について米国特許商標事務所(USPTO)に同一、または類似の商標が登録されるのを避けるには、それで十分なのです。

ここで知っておいていただきたいのは、商標が帰属するのは最初に使用した者にであって、決して最初に登録した者ではないことです。商標を登録することは、その商標権の実現をより容易にするという意味があります。ですから商標紛争では、法的には、先行使用者が後の使用者に勝利することも、後からの申請者が先行申請者に勝利することのどちらも考えられます。以上を考えると、先行使用者にとっては商標登録も後の使用者より先にしておく方が、先行使用の事実を後に訴訟の場で争うよりもはるかに安上がりで済むと言えます。訴訟の場で争うことも、米国内での商標使用の開始と同時に USPTO に登録することも、どちらも弁護士の助力を必要とします。しかし、その費用は、後者ははるかに少なくて済むのです。従って、もし日本で定着した商標を米国にも導入する計画があれば、米国でもなるべく早く商標登録することが大切です。その商標が良いものであればあるほど、登録を考慮する必要は大きいと言えるでしょう。

(2008年9月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
第35回 「不動産業専従者」と類別するための条件
第34回 日本企業の米国内商標登録について
第33回 ワシントン州の 『Distressed Homeowner Act』
第32回 米国ビジネス法についての指針
第31回 小規模ビジネス売却にあたっての税法上の考慮
第30回 『1031Tax Exchange』 を利用する場合における注意事項
第29回 有限会社メンバーシップによる債務保証の完全化
第28回 資産売却に際する債務不継承についての例外
第27回 州法5373 ワシントン州失業保険プログラムの対象拡大
第26回 2007年の特許法改定について
第25回 ワシントン州消費者保護法(Consumer Protection Act:CPA)後編
第24回 ワシントン州消費者保護法(Consumer Protection Act:CPA)前編
第23回 責任制限条項(Exculpatory Clauses)
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第21回 なぜ有限責任会社(Limited Liability Company)は人気があるのか?
第20回 バラード・スクエア判決とシングル・プロジェクト法人
第19回 リース契約と賃料支払能力
第18回 個人保証の重要性
第17回 商標の上手な選び方
第16回 米国著作権
第15回 地役権(ちえきけん)
第14回 ワシントン州の不動産消費税(REET)
第13回 取締役及び役員の賠償責任保険(D&O Insurance)について
第12回 不動産を担保とする貸金契約
第11回 株式プラン
第10回 単独所有と有限責任主体 (法人) (2)
第9回 担保権の重要性
第8回 Buy-Sell Agreements ("売り渡し・買い取り規定")
第7回 既存ビジネスの買収
第6回 "S コーポレーション"とは
第5回 単独所有権と有限責任法人 (1)
第4回 国際商標登録
第3回 商標
第2回 コマーシャル・リース
第1回 ビジネス・ライセンスの取得
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