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第29回 : 有限会社メンバーシップによる債務保証の完全化

他人に金を貸すときには当然、約束どおり返済がなされる保証が欲しいものです。この返済約束を記載したものが借用証書(promissory note)で、通常は返済の確約だけでなく、利率・返済回数・最終返済日・返済送付先などが記載されています。

貸付金の返済されることをより確実にするため、用心深い貸主の場合は、付加的に返済を約束する別書類も要求します。これらの別書類は保証契約と呼ばれ、厳重な金銭貸借契約の場合にはよく要求されます。
1)個人保証:借主以外の者が返済を約束する場合に使われます。
2)抵当権:返済確保のために貸主が不動産の権利に興味を持つ時に用いられます。

これ以外の形での保証契約もあります。借主は、株式会社やパートナーシップへの所有権をローン保証のために提供することもできます。株式会社の一部または全部の権利を担保として使用する場合、その契約は株式抵当(stock pledge)と呼ばれます。借主が有限会社(LLC)の全部または一部の権利を抵当として差し出す場合は、メンバーシップ抵当(membership interest pledge)と呼ばれます。有限会社は近頃かなり増えているので、メンバーシップ抵当を貸主が要求するケースも少なくないでしょう。

借主が借用書通りに返済することができない場合、貸主は株式会社または有限会社に対して借主の持つ権利を取得できます。これには次の2つの効果があります。
1)借主は会社における権利を喪失したくないため、抵当設定は証書通りに借金返済をする動機となる
2)その会社(または会社への権利)は価値があると仮定して、借主の不履行があっても貸主は支払いに代えて会社を取得できる

ここで生じる疑問は、抵当に差し出された権利が既に他人への抵当に入れられていないか、この後も入れられることはないか、そしてどのようにしてそれを確認できるのかということです。もし借主が黙って何人もの貸主に抵当として差し出していれば、借金の支払いができない時に、貸主たちが同一の株式やメンバーシップについて権利を争わなければならなくなります。

このような争いの起きる可能性はすべてのタイプの保証契約に付随するので、それを避けるためのルールが設定されています。貸主がそのルールに従えば、抵当権は「完全化("perfected")」されます。完全化保証権利を持つ貸主は法の下に順位が保証され、未完全化保証権利は完全化保証権利より下位とされます。

ほとんどの場合、貸主は抵当物に対し優位な(またはただ1人の)抵当権者であることを望むものです。株式またはメンバーシップ権利への抵当設定で言えば、貸主は借主が他の誰にも抵当を設定していないという確認を求めます。株式会社の場合、これはすでに法律が「証券」、および「投資資産」を債務保証の担保として完全化するルールを規定しているので容易です。一般的に言えば、貸主は、借主の株式がすでに債務保証のための担保として提供されていることを他の貸主となり得そうな人に確実に通知されるようにし、借主は株式担保契約書にサインして貸主に株券を引き渡します。貸主が株券を手元に持つ以上、借主が他の貸主に株券を担保に差し出す可能性は少ないでしょう。

しかしながら、有限会社における権利は通常は証券化されておらず、「証券」、および「投資資産」ではなく、「無形資産」とみなされています。「証券」、および「投資資産」を債務保証に使うことはその支配、また占有で完全化することはできますが、無形資産による債務保証はエージェンシーへの届出だけで行われるため、物理的な証券占有ほどに安心できるものとは考えられません。

では、貸主はどうしたらよいのでしょうか。貸主がしなくてはならないのは、有限会社メンバーシップの権利を「証券」、および「投資資産」に変換してもらうことです。有限会社のメンバーシップ契約書に文言を書き加え、メンバーシップの権利を(株券のように)証券として発行し、メンバーシップ証券に文言を印刷し、証券を支配または証券を占有することにより、借主にとっては債務保証の選択が広がります。これにより、何人もの債権者が有限会社のメンバーシップの権利を巡って争う可能性を抑えることができます。

(2008年2月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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