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第26回 : 2007年の特許法改定について
初めに、私は特許法の専門弁護士ではないことをお断りしておきます。特許法は非常に専門的な手続きが要求されるため、特許法独自の司法試験合格と訓練が必要です。しかし、現在連邦下院に提出中で法律となることが予想される法案の内容はこれまでの特許法を大きく変えるものであり、読者の皆さんもご興味があるかと思われますので、ここで簡単にご紹介させていただきます。この2007年改定特許法(以下、新法)についてご質問のある方は、特許法弁護士にお尋ね下さい。
(1) 現行法では、同じ発明について2人が米国特許商標事務局(U.S. Patent and Trademark Office:PTO)に特許を申請した場合、初めに発明したことを証明できる者が特許を得ることになっています。ところが新法では、「最初に発明」した者ではなく、「最初に申請」した者に特許を認めることになります。これは、世界の多くの国で行われている方式に足並みを揃えるものです。
(2) 現行法では、いったん PTO により特許が認められると有効特許と見なされ、それを無効にするには裁判所に「明白かつ説得力ある証拠」を提示する必要があります。しかし、新法は PTO に、特許発行後にも審査をする権限を与えています。つまり特許発行後1年以内であれば、一定の資格保持者は PTO に特許取り消しを要請することができるのです。その1年間は、争いの対象となっている特許について有効推定はできません。また、新法では、再度の審査期間も設けています。なお、この2度の審査の間、特許無効の不服申し立てを行う当事者は、特許無効を裁判所に訴えるに必要な「明白かつ説得力ある証拠」よりも、立証責任の少ない「証拠の優越」を提示すれば足りるとされます。
(3) 現行法では、特許取得のための審議過程は申請者と PTO との間だけで行われます。申請者は PTO の審議官に「先行技術」または何が現時点で一般に供されているかの資料を提出します。審議官もまた独自に先行技術についての資料収集を行いますが、申請者の提出する先行技術開示が真正であるとして、それに依存する割合はかなりあります。これに対し新法では、第三者もまた、(A) 許可通知の郵送日または(B) 許可通知前公表後6カ月以内か請求が PTO によって却下された日のどちらか遅い方の2つのうちの早い方の日付以前であれば特許または第三者申請書等を提出することができます。
(4) 現行法では、特許侵害訴訟は被告が「人的裁判管轄」の対象となる管轄区であればどこにでも提起することができます。ということは、特許を侵害するとされる製品が売られているどの管轄区にでも訴訟を起こし得ることになります。しかし、新法ではそれが限定され、 (A) 被告がビジネスの本拠を置く場所、および(B)被告が特許侵害を行う場所で、そのほとんどの操業を行う恒常的な設備・施設が設けられている、また(C) 特別な場合は原告の居住地のいずれかとなります。
2007年改正特許法は大きな変化をもたらします。ここに述べたのは新法案として提出されている内容のほんの一部に過ぎませんが、特に企業経営者にとっては目の離せない法案でしょう。この詳細については特許法弁護士に相談されることをお勧めします。
(2007年10月)
= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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