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第23回 : 責任制限条項(Exculpatory Clauses)
製品やサービスを提供する会社のオ−ナーは常に、会社責任を制限することを考えているでしょう。供給する製品やサービスが高価な場合や本質的に危険性を有する場合は特に、会社が賠償責任にさらされることは悩みの種です。やや極端ですが、スカイダイビングのレッスンを提供する会社を例として考えてみましょう。
危険を軽減する手段の1つは、保険の利用です。スカイダイビング会社は顧客の怪我・死亡について最低でも1つの保険を取得するよう努めるべきです。もう一つの責任軽減手段は、契約条項の利用です。会社は、会社賠償責任をできる限り制限する内容の契約書にスカイダイビング顧客の署名を取得するべきです。
スカイダイビング会社というのは極端としても、ワシントン州内の日本企業にも、賠償責任にさらされる可能性のあるサービスを提供するものは何社もあります。家具を移動させる会社があれば、自動車修理もありますし、家の改築業もあります。このような会社はあらかじめ会社の賠償責任を制限する契約書を交わしていれば、予期せぬ事態が生じた場合に救われます。
ワシントン州では、賠償責任を制限する契約条項(責任制限または「無罪弁明」条項)は、それが「公的政策」に違反するものでない限り、通常、有効とされます。つまり、それが社会通念に反すると認める十分な理由のない限り、裁判所は契約を有効と認めるのです。では、スカイダイビングの会社が重大な過失や故意で顧客を傷つけた場合にも責任を負わないと記す契約に顧客は署名することができるでしょうか。
答えは「No」です。ワシントン州では責任の免除・制限条項は、次のルールにのっとって認められます。第一は、目立たない形で挿入された条項は強制力を持たないということです。契約文書中に顧客が読むのが難しいような免責条項を挿入することは認められません。実際のところ、責任制限を効力あるものとしたい会社は、その文言を目立つ形(大きな字、太い字、斜字を使ったり、全文字を大文字をしたり、その部分を他の文章から切り離したりするなど)にすべきでしょう。
第二に、免責条項では、「公共の安全のために設定された基準を大きく下回る」行為による責任の制限はできません。これは、免責条項があるからといって一方当事者が他方への安全確保の義務を怠ってはならないことを意味します。スカイダイビング会社が顧客の安全を全く考慮しないでいるということは違法ですね。
第三に、免責は「公共政策」に違反するものであってはなりません。ワシントン州では、公共政策に違反する免責とは、以下の6点のうちのいくつかまたはすべてを含んでいる取引を指します。
公的規制に馴染むタイプのビジネスと通常考えられているものに関する場合。製品またはサービスの供給態様が既に行政規制を受けている場合には、責任制限はより難しくなります。
無罪弁明を求める当事者が、一部公衆に実質必要な、非常に重要な公共サービスに関係している場合。病院・公益事業・公営住宅・公教育など公共サービスの責任制約は決して容易ではありません。
当事者が、公衆の誰もに対しても、または少なくとも一定基準に達した者であれば誰に対してもサービス提供を望んでいることを明らかにしている場合。
サービスの基本的性質からして、責任制限を欲する当事者が取引の経済的設定において、サービスを求める一般公衆に対し決定的に有利な交渉力を持つ場合。
当事者が優位な交渉力を用いて、責任制限文言を含む画一契約を公衆に突きつけ、妥当な金額を別に支払えば、買い手は過失に対しての保護が得られることを何も規定していない場合。
取引の結果、人またはその購入した財産が売り手の支配下に置かれ、売り手またはその代理人の不注意による危険の対象となる場合。
以上により、責任制限条項がたとえはっきりと記載されていても、また「公共の安全のために設定された基準を大きく下回る」行為による責任を軽減するものでなくとも、「公共政策」に違反するとして責任制限条項が無視されることはあり得るのです。上に記された6点に該当するものが多ければ多いほど責任制限条項の効力を認められる可能性は少なくなります。
(2007年7月)
= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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