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第19回 : リース契約と賃料支払能力

「まだリース契約が数年残っているにも関わらず賃料を支払えなくなった場合、どうしたらよいのでしょうか?」

このようなご質問をいただくことがありますが、この場合、リースの契約書にまず目を通すことが大切です。商業用のリース契約には常にある「サブリース・アンド・アサイメント」という条項を読んで下さい。そこには、あなたがサブリース(又貸し)またはリースをアサイン(指定)することができるかどうか規定しています。

サブリースの場合、テナントはあなたの会社のままで、スペースの一部または全部を他者に又貸しすることができます。会社は転借人から受け取る賃料を使って自分の賃料を家主に支払います。自分が支払わなければならない賃料よりも高く貸せば、その差額が少しばかりの儲けになることさえあります。一方、アサイメントの場合、あなたの会社に代わって新しいテナントが決まります。ただし、ほとんどの場合、この新しいテナントが賃料の支払いを怠ったり義務に反したことをした場合、あなたの会社は二次的に責任を追及されることが規定されています。

リース契約の多くは、テナントがサブリースまたはリースをアサインするのには家主の書面での同意が必要で、なおかつ家主はこれを妥当な理由なくして拒否してはならないと定めています。これはテナントと家主、双方の立場を折衷したものです。つまり、テナントがサブリース、またはリース・アサインをしたい(またはその必要がある)場合は家主がまず承認する必要があり、家主は新しいテナントが "妥当" であれば承認するとあらかじめ約束しているわけです。もちろん、その新しいテナント候補者が賃料を払えそうになかったり、迷惑を及ぼしそうであったり、家主が他のテナントに約束した内容に相反する場合は(例えばそのモール内にはコーヒーショップは一軒しか入居させないとの約束がある)、これは妥当でないと判断され、家主はサブリースやリース・アサインを拒否することができます。

リース契約によっては、テナントはサブリース、またはリース・アサインをすることができないと簡単に規定したものがあります。しかし、だからと言って家主に尋ねる余地がまったくないという訳ではありません。スペースがないかとの問い合わせが家主のもとにたまたま来ているかも知れません。しかし、もしリース契約にサブリースまたはリース・アサインはできないと規定され、また家主もこの部分について再交渉する気がなければ、残念ながらあなたはサブリース、またはリース・アサインをすることはできません。過去には、頭の回るビジネス・ピープル(または弁護士)は、ビジネスを売り渡すという手法をとってこの問題を回避したこともありました。つまり、テナントが会社であることから、譲渡後の会社がそのスペースを使い続ける限りはテナントの変更とは言えないというのがその論法でした。しかし、家主側も賢くなり、今ではほとんどの商業リースは会社所有権の一定の移転(例えば、12か月以内に50%以上など)はリース・アサインと見なされると規定しています。

もしサブリースまたはリース・アサインができず、財政状況も良くない場合は、リース契約の保証人がいるか確かめましょう。通常、安定していると考えられるテナント(例えば有名なスーパーマーケット)でない限り、家主はかなり高額のセキュリティ・デポジットか個人保証を要求します。デポジットは、大きいものによっては10万ドルの単位にさえなります。そのため、保証のほうが一般的となっています。保証人はテナントのすべての責務(通常は金の支払い)を履行することを約束します。もしリース契約に個人保証がついていなければ、最悪の場合、会社所有者は会社を破産させるか、ただその場を去ることになります。しかし、もし個人保証をしていれば、その保証人は逃げられません。テナントであるビジネスの所有者が個人保証をしている場合、家主は所有者を個人的に、その資産(家、および車を含む)までも要求することができます。

ここで取る手段の1つに、リース契約を終了させるために家主と新たに取引するということがあります。仮にリースがあと24か月残っているとしましょう。この場合、「リース契約を直ちに終了させることと引き換えに、6か月分の賃料を現金で支払う」と家主に提案するのです。次のテナントが既に家主の意中にあればこれはうまくいくでしょう。また、あなたの賃料が相場よりかなり低いものであったり、スペースの需要が高まっていたりする場合は、良い方法と言えるでしょう。そのような状況では、家主はより高額の賃料を支払う新しいテナントを見つけるには、6カ月分の賃料をもらっておけば十分だと判断するでしょう。もちろん、財政的に苦しい場合は、6か月分の賃料を支払うことは厳しいものがあるでしょう。しかし、仮に1ヶ月の賃料が1万ドルとして今後24か月で24万ドル払うことを考えると、会社(または誰か)は6か月分の6万ドルを支払ってリースを終了できるのですから、その価値はあります。

テナントはまた、リース契約を弁護士に詳しく見てもらうとよいでしょう。契約が適正(当事者双方による署名およびその公証、目的財産の法律上の記述)に締結されてない場合、弁護士は、リース契約は効力を有しないと主張するようテナントに勧めるでしょう。

ここに説明したどの方法も使えない場合は、リースを破棄して立ち退くしかありません。もちろん、テナントとその保証人は、契約破棄を理由に訴えられる可能性が十分にあります。リースがまだ長期間残っている場合はなおさらです。しかし、一方で、ワシントン州では、家主は次のテナントを見つける努力が不成功に終わった場合にのみ、全賃料を受け取る権利があります。従って、家主は次のテナントを積極的に探さなければならず、何もせずにリース終了までの未払い賃料を逃げたテナントに請求することはできません。このような状況からして、次のテナントを探すのは家主の義務であることを家主に指摘するのは、テナントにとって良い考えだと言えるでしょう。


(2007年2月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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