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第16回 : 米国著作権

著作権法は、オリジナル作品の著者に、その作品を使用または複製できるか管理する権限を与えています。この法律は、著作者のオリジナル作品(例えば本、詩、歌、ソフトウエア、ウェブ・ページ、電子メールなど)で、紙上やコンピュータのハードドライブ上など有形なものに記録されたものを保護しています。

事実やアイデアを記述したものは著作権法の対象となりますが、事実やアイデア自体は著作権法によって保護されません。例えば、クッキーを作る場合、原材料のリストや混ぜ方や焼き方の指示は著作権の対象とはなりませんが、レシピに示されたユニークな作り方の説明は著作権の対象となる可能性があります。

著作権による保護は、作品が生まれて有形化されると同時に発生します。今日、作品が米国著作権法の保護を受けるために著作権を公示すること (c または "Copyright 2006 by Taro Kusunose." "All Rights reserved")は必要ではありません。米国では、1989年以降に私的に創作された作品のほとんどは、そのような公示の有無を問わず保護が認められているのです。しかし、そのような公示語を付けていれば、「著作権の存在を侵害者は知っていたはず」という主張がより容易になります。

著作権は、米国著作権事務局(the U.S. Copyright Office )に45ドルの登録料と申請書、登録される作品の写しを送れば登録することができます。しかし、前述のとおり、著作権による保護は、作品が生まれて有形化されると同時に発生しますので、著作権を有効にするために登録する必要はありません。実際のところ、たいていの作品は登録されていません。しかし、著者は、潜在的侵害者に対して訴訟を提起する前には、作品の著作権登録を行う必要があります。未登録作品の所有者は、紛争が起きてから登録をし、その後に必要であれば連邦裁判所に訴訟を提起することができます。

登録費を支払い、米国著作権事務局を通して作品を公知すると、連邦法によっていくつかの重要な利点が認められます。そのひとつが、先に述べたように、著作権保護のための訴訟提起です。また、 損害の回復も容易になります。登録された作品に対する侵害は、勝訴すれば法定の損害、および弁護士費用の条件が満たされ、著作権保持者はこれを被告に支払うよう要求することができます。登録が作品出版または作品侵害から3ヶ月以内になされた場合は、弁護士費用と、実際または法定の損害、侵害者の取得利益が著作権保持者のものとなり得ます。それ以外の場合は、実際の損害と利益が著作権者のものとなりますが、法定の損害よりかなり少なくなります。

著作権侵害が法廷で争われる場合、裁判所の最終判断を仰ぐことは少なく、途中で両当事者が法廷外で解決を図るのが一般的です。とはいえ、先の法定損害の規定などが、著作権侵害者を譲歩させるに十分な力を発揮すると言えるでしょう。従って、作家やグラフィック・デザイナーなど、保護されるべき作品の創作を職業とする人々は、創作時または遅くとも侵害対処時には、作品の登録が必要です。

他人の作品を無断で使用することは違法です。しかし、商業目的や利益目的の無断使用でない限り、著作権保持者が法的手段に訴える可能性はごく低いでしょう。また、著作権法は「妥当な使用(Fair Use)」としての例外を認めています。とは言え、これは作品についての批評やもじりなど表現の自由を保障する必要から認められたものであるため、その限界の判断は難しく、裁判所は侵害者の意図や著作権者に生じた損害などを考慮して、権利侵害かどうかの判断をすることになります。


(2006年10月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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