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第15回 : 地役権(ちえきけん)

地役権というのは、他人の不動産を使用する権利で、契約によって取得するものです。例えば、A と B という2つの土地があり、A がビーチ側にあるとしましょう。A の持ち主は簡単にビーチに行くことができますが、B の持ち主は遠回りをしなければビーチに行くことはできません。そこで B の持ち主が A の持ち主に、A を通行する許可を求め、A の持ち主が合意すれば、その許可が取り消されるまでの間、B から A を通ってビーチに行くことが可能となります。

しかし、B の持ち主が、自分だけでなく将来の B の持ち主にも A を通ってビーチへ行く権利を与えたい場合はどうでしょう。それが実現すれば B の価値が大きく増すことは間違いありません。もちろん、そのような地役権を設定するには、B の持ち主は金銭を支払ったり、A の持ち主に有利になるように境界線を動かすなどの申し出を行なうでしょう。しかし、どのような場合でも、当事者が契約を結ぶことが大切です。

以上に述べた「通行」地役権であれば、当事者は以下のような事項を協議する必要があります。
  1. 地役権は永久的なものか、現在の持ち主が住む間だけのものか
  2. その地役権は独占的なものか、A の持ち主も同じ通り道を使用できるのか
  3. 誰が地役権区域の管理をするか。草が高く伸びて B の持ち主が地役権を利用できなくなったときはどうなるのか。通行を妨げることはないとしても見苦しくなったときはどうなるか
  4. A 内の通路を通行中に B の持ち主がケガをした場合は、誰に責任があるのか。
契約をする際は、こうした事項のすべてについて協議する必要があります。協議が終了したら、地役権契約書を作成します。作成者は弁護士である必要はありませんが、通常は弁護士が行ないます。地役権契約には、「A および B」「A の持ち主および B の持ち主」「A 上の地役権設定区域」「当事者間のその他の合意条件」が記載されねばなりません。また、通行権の場合なら、「B の持ち主は何人も地役権区域に出入し通行する権利を有する」との記載も欲しいところです。契約書の当事者の署名は公証が必要です。また、地役権は地元の郡登記所で登録されねばなりませんので、登録規定遵守の必要があります。

地役権にはさまざまなものがあります。「眺望地役権」は、眺望を確保するために A 内の樹木を剪定する権利を B に認めるものです。また、「公益施設地役権」は、B に電気・ガス・水道などを A の地上または地表、地下を通して敷設する許可を与えるものです。A の一定区域には建物を建てないなどという「消極的」地役権(約款)もありますし、A の一定区域に B の駐車を許すという「駐車」地役権もあります。両者がその内容に合意すれば、どんな地役権も設定することができるのです。


(2006年9月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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