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第13回 : 取締役及び役員の賠償責任保険(D&O Insurance)について

会社の取締役、および役員は、会社とその投資家に多大な影響を及ぼす困難な決定を迫られることがあります。その決定の結果は納入業者と債権者、取引相手にも影響を及ぼします。取締役、および役員は、会社の利益を積極的に追求することを任務としているため、時に間違いを犯すことは避けられませんが、間違いを犯した場合、または、間違いがあったというクレームがつけられた場合、予め購入してある D&O 保険が効力を発揮します。

中規模企業や大企業のほとんどは、給料や福利厚生に加え、取締役、および役員のために D&O 保険を購入するよう、資金を提供します。一般的に、保険会社は掛け金(premium)の支払いと引き換えに、取締役または役員の職務上の過失に対する正当なクレームに支払いを行います。

保険でカバーされるものは通常、不当行為を理由とする賠償請求に基づく損失を限度としています。ここにいう「不当行為」の定義は保険の契約で規定されていますが、一般的には、取締役または役員の職務上の過失または手落ちを意味し、不適切なことを知りながらの行為である場合や、不適切な財政利得が被保険者に生じた場合は適用外とされます。

D&O 保険でカバーされる例には以下のものがあります。
  • 監督不行き届き
  • 金融状況報告書のずさんさ
  • 判断及び誠実性の欠如
  • 資金運用の誤り
  • 無許可の資金借入または投資
  • 競争入札の不履行
  • 赤字をもたらした無分別な事業拡張
  • 内部情報の使用
  • 不当な配当または給与、補償金の支払い
  • 誤解を招かせるような株式取引所への書類提出
  • 他企業購入に際し購入契約での不正確記述
  • 従業員の不当解雇
最後の例を見てみましょう。元従業員は不当解雇を理由に、会社に加えて役員または取締役をも訴えることができます。原告(またはその弁護人)からすれば、誰であろうと、責任がある者、または支払いのできる者を訴え、損害賠償を支払わせて訴訟を終えることが肝心です。

ところで、取締役および役員に対して訴訟が起こされれば会社が弁護する(または弁護費用を支払う)との免責条項を会社規則は通常規定していることを考えると、この D&O 保険が本当に必要かという疑問が往々にして生じます。免責条項が機能するには、会社の財政上それが可能であり、免責条項が有効かつ強制できるものであることが必要ですが、残念ながら、そうでない場合が少なくないのが現状です。また、元取締役や役員は、損害賠償が請求された時点で会社と良好な関係にない場合、会社に免責条項を履行させるのは困難となります。

D&O 保険では、その有効期間内の賠償請求のみがカバーされます。また、保険申し込みの書類に虚偽記入のある場合は、それを理由にカバーを拒否されることもありうるので、正確に記入することが大切です。賠償請求があれば、所定の期間内に保険会社に通知することが求められています。一般的に、賠償を請求された役員または取締役の弁護費用はカバーされますが、その費用は保険支払いの限度額から差し引かれることになります。


(2006年7月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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