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第10回 : 単独所有と有限責任主体 (法人) (2)

去年の9月には、ビジネスが発展するにあたって、個人所有のままとする場合と有限責任法人を設立する場合とを比較しました。有限責任法人を設立した場合は、維持・運営に経費がかかることを覚悟しなければなりません。しかし、ビジネスが不振の際もその責任は法人にとどまり、個人の財産は守られるという、大きな利点があります。すでにお気づきのことでしょうが、有限責任法人を設立すべきかどうかは、保険を買うかどうかの判断に似たところがあります。法人を設立してビジネスを行うのは日ごろは経費がかかりますが、大きなトラブルを避けられることがあるからです。

保険をかけておくと、万一の事態が起きた際に助けられますので、かけておくに越したことはないようです。しかし、すべての人が保険を必要とするのでしょうか。答えは否です。たとえば自動車を運転しない人は、大きな自動車事故に遭遇する可能性は非常に低く、自動車保険を買う必要はまずないでしょう。同様に、ビジネスによっては有限責任法人を設立するよりも、個人所有のままで良いものもあります。

それでは、あなたのビジネスはどちらに当たるのでしょうか。以下の点を検討してみてください。そして、あてはまることの多い場合には、会社設立を考慮したほうがよいでしょう。

1)個人資産がある場合
これには2つの理由があります。もしかなりの資産があれば、会社設立による余分な経費もさして大きな負担ではありません。しかし、それ以上に重要なのは、資産家はすぐ金を払って問題を解決しようとすると信じて訴訟を起こす人間が少なからずいるからです。

2)事業が困難に直面する可能性がある場合
近い将来のトラブルが予見できる場合(リスク含みの新事業に乗り出そうとする・給料や家賃を支払う資金が不足しそう・顧客からの苦情が多いなど)です。あなた個人に責任追及が及ぶのを避けるために重要です。

3)事業内容から生じるトラブルが高くつくものである場合
もし、業務上のミスが死傷者を生じるようなビジネスであれば、有限責任で運営する必要があります。これと対照的に、オンラインで刺繍糸を売るなどのビジネスは、個人所有でも問題はありません。

4)従業員を多数雇う場合
従業員の多い事業が有限責任の会社としたほうが良い理由は数多くありますが、その1つは雇用関係から生じる訴訟対策です。

5)事業主が複数の場合
会社設立にあたっての準備書類は、オーナー間のルール設定としても役立ちます。また、株式会社の株や有限会社のメンバー持分という形であればは、権利移転も比較的容易です。

先にも述べたように、有限責任法人は保険のようなものです。誰もが必要とするわけではありませんが、有限責任の会社を設立することで最終的にあなたの個人資産は守られます。つまり、リスク管理の一環と言えるでしょう。


(2006年4月)

= お断り =
このコラムは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、読者個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しない可能性があります。このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。
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