父親が子供の教育に積極的に関わる機会を作る 『Watch D.O.G.S.』 金子雅彦さん

金子 雅彦(かねこ・まさひこ)さん
【ボランティア先】 小学校の 『Watch D.O.G.S.』 プログラム
【ボランティアの内容】 小学校の一日における、あらゆる面でのサポート
【公式サイト】 www.fathers.com/watchdogs/

ボランティアの内容

息子の通う小学校が実施している 『Watch D.O.G.S.』 というプログラムで、ボランティアをしています。これは、「Dads Of Great Students」という意味で、父親や祖父や叔父(伯父)など父親のような存在の人が、子供の通う学校で1年に1日ボランティアをするという、National Center for Fathering という団体が取りまとめている活動です。今では全米で46州4,704校がサポートしているそうです。

私の場合、多くのボランティアでは本職のITスキルや趣味に関連したボランティアをさせていただいているのですが、息子の小学校で参加する『Watch D.O.G.S.』では丸一日をかけてあらゆる面でボランティアをしています。

ボランティアとして配属されたクラスでは担任の先生方の指示に従って授業で必要なマテリアルの簡単な工作、生徒のリーディングに付き合ったり、あるいは個別テストの相手になったりします。一部の活動を除き、息子の学年やクラスにはほとんど関係しません。また、始業の前後には保護者や職員の目が届きにくい場所の交通整理の手伝い、休み時間には子供達と遊んだりしながらグラウンドを見てまわるという仕事もあります。いずれも決して難しい作業ではないのですが、先生や職員の方々のご苦労(そしていかに彼らが効率的に学校運営することを迫られているのかということ!)を内側から経験できる大変貴重な機会になっています。

新学年度が始まったこの9月にも早速ボランティアをたくさん申し込んでいましたが、それが理由でか、「Top DOGS」として表彰されました。息子のために T シャツまでもらえてうれしかったです(笑)。

このボランティアをするようになったきっかけ

『Watch D.O.G.S.』 に参加することになった最初のきっかけは、保護者会(PTSA)での説明会でした。それまで私は 『Watch D.O.G.S.』 とは朝と夕方の交通整理ぐらいのものだろうと勘ぐっていました。ところが、丸一日「拘束」されるという、まったく想像を超えた事実とコミットメントの深さに驚き、逆にそこまでやるならどんなボランティアなのだろうと興味を持ったのです。また、息子の「Daddy、いつ Watch D.O.G.S. に来てくれるの?」の一言に背中を押されたのも事実です。一度参加してしまえば面白くなるもので、昨年度末までにさらにもう一度、他の方の予定の穴を埋める形で参加させていただきました。本年度はとりあえず3回分サインアップしていますが、スケジュール調整が可能な限りさらに追加で参加してみようと思っています。幸い、私の勤務先のマイクロソフトでは社員の社会貢献に理解があるので、仕事に支障がない限りボランティアのために休みを取ることもできます。

このボランティアをすることで、自分が大切にしていること

「ボランティアとして奉仕する」というよりも今まさに現在進行形の学校の仕組みを身をもって知る機会になっています。そしてそれ以上に、子供達の明るい笑顔、先生方の心意に触れることは他では得がたいものがあると私は思っています。運が良ければ休み時間に息子や彼の友達と一緒の輪に入って「遊ぶ」という、格別なボーナスもあります。もちろん、文化や世代の違いもありますからすべてがスムーズに行くとは限りませんが、それこそこのボランティアの一番貴重な体験かもしれません。

同じようなボランティアをしたい方へのアドバイス

私は昨年初めて参加しましたが、驚くほどにサポートが手厚く、うまくコーディネートされていることに感銘を受けました。学校によって細かい活動方法の違いはあると思いますが、お子さんの通う学校も参加しているかもしれません。もし見かけたらぜひ一度尋ねてみてください。

世間にはさまざまなボランティアの機会があります。私も、『Watch D.O.G.S.』 以外には、地元の教会で毎週日曜日の朝にベースを伴奏するといったいくつかのボランティアをしています。また、マイクロソフト社内でも日本からの学生さんのお相手をさせていただくような機会があるので、可能な限りお手伝いさせていただくようにしています。ボランティアというのは基本的に各々に好きなことを少しづつコミュニティに還元していくことが基本だと思うのですが、人それぞれ参加に至る理由や状況は異なることでしょう。ただ、一つ共通しているべきことは、ボランティアをすることで「なにか特定の見返りを期待してはいけない」ということ。目的が何であれ、"Pay It Forward"(恩送り)の精神で前に進んでいるうちに、いつか己の身になることが増えてゆくのが健康的なボランティアの形だと思います。

『Watch D.O.G.S.』
1998年にアーカンソー州の学校で始まったプログラム。子供が通う学校で父親や父親代わりの男性が1年に少なくとも1日をボランティアとして関わり、さまざまな子供たちの勉強のサポート、休憩時間の遊び、昼食、学校の玄関口や廊下などの見回り、交通整理などに携わる。多くの学校では、こうした男性ボランティアの存在だけでいじめが減ったという報告もある。今では米国教育省や保健福祉省などに認められ、教育省のプログラムに関わるなど、連邦政府レベルでも高く評価されている。

掲載:2015年9月

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