キズナ強化プロジェクト 保良康平さん・勝水与茶さん

Peace Winds America 勝水与茶さん(左)、Densho 保良康平さん

アジア大洋州地域および北米地域との交流プログラムを通して東日本大震災の被災地復興への理解を促そうと、2011年に日本政府が始動したプロジェクト 『アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)』。今回は、その傘下にあるさまざまなプログラムの一つで、東日本大震災での被災経験を伝えることを目的とするインターンシップでシアトルに滞在中の保良康平(ほら・こうへい)さんと勝水与茶(かつみず・あずさ)さんにお話を伺いました。

キズナ強化プロジェクトの語学研修・インターンシップについて教えてください。

保良: 僕たちが参加しているのは、半年間にわたりアメリカで語学研修とインターンシップをするというものです。総勢55名でワシントン DC とニューヨークにて10週間にわたる語学研修を受けました。

勝水: その55人の中には僕が在学している宮城大学から8人も参加しています。語学研修を終えた後は、55人が全米各地に散らばっていきました。

保良: このプロジェクトでは自分たちの被災体験をシェアすることもミッションの一つなので、7月22日には Densho のオフィスで初めての英語によるプレゼンを行いました。僕は東北大学の学生寮で被災し、最初は公民館に留学生とともに避難していましたが、そのうち原発問題を理由に帰国する留学生の手伝いなどをするようになりました。卒業後も被災地でボランティアをしていますが、そんな自分の体験を英語で伝えるのは、本当に難しいです。でも、参加してくれた上司は「またやるといいよ」と元気づけてくれました。

勝水: 僕はカンボジア支援の学生団体に入っているのですが、カンボジアでの活動から日本に戻って1週間後、ミーティング中に被災しました。その時のことを考えると、「仲間がいたことで助け合えた、自分ひとりだったらどうなっていたかわからない」と思います。7月22日のプレゼンではそんな体験も話しましたが、インターンシップ先の上司など、ほぼ毎日会っている人でも被災体験をじっくり話す機会というのがないので、プレゼンが良い機会になりました。キズナは「1回だけ会って終わり」というイベントではないので、今後も人とのつながりを大事にしていきたいです。

なぜこのインターンシップを選んだのですか。

保良: 東日本大震災が起きてから、宮城県仙台市で津波に流された貴重な家族写真など70万枚をデジタル化して保存し、被災した方々にお渡しするボランティアに関わっています。なので、日系アメリカ人の歴史をデジタル化してアーカイブする非営利団体 Densho なら、やっていることが似通っているので経験が生かせる上、新たに学ぶことも多く、被災地に貢献できるのではないかと考えました。

勝水: 日本復興支援活動を継続して行っている Peace Winds America で非営利団体の仕組みを学ぶためです。日本でインターンシップをしたことがなく、組織の中で働くのはこれが初めてなので、何もかも勉強になっています。ミーティングなどに同行するだけでも、学ぶことが実に多いです。

日本帰国後はどういう計画を立てておられますか。

保良: 両親は「いつこういうことがまた起きるかわからないから、やりたいこと、やれること、できることをどんどんやりなさい」と後押しをしてくれています。こちらでの経験のおかげで被災地でもっと役に立てるようになったと思うので、これからも被災地でのボランティアをしながら、技術系の仕事に就きたいです。そして Densho にも関わっていきたいと思っています。

勝水: 僕は大学を休学中なので、帰国したら4年生です。大学のうちにしたいことがたくさんあり、そのひとつが起業です。それから就職できればと思っています。

Densho ジェフ・フローさんからのメッセージ

第二次世界大戦中に、多くの日系人達が不当に強制退去を強いられました。Densho (伝承)は、その繰り返されてはならない経験を記録に残すことを目的に、1996年に設立された非営利団体です。歴史保存のデジタル化を進めるプロジェクト 『Densho Digital Repository』 など、貴重な資料をオンラインを通して、はるかな未来にまで伝承していく努力を続けています。Densho だけでなく、ワイオミング、ハワイ、オレゴン、カリフォルニア州の協力団体が所有する5万を超える歴史的写真と書類を、世界中の人達がいつでもアクセスできるようにする取り組みは、今、Densho が力を入れている企画のひとつです。この夏、保良さんには資料のスキャン、メタデータの製作、歴史的文書の翻訳などの手助けをしてもらいました。新しいソフトウェアのプラットフォームのテストなど、IT 関連の補助も請け負ってくれました。彼は将来もデジタルアーカイブの分野で活躍したいと語ってくれましたが、Densho での経験を生かして、そのゴールを達成して欲しいと願っています。

Peace Winds America ポーマン真理子さんからのメッセージ

ピース・ウィンズ・アメリカ(PWA)は現在も東北で支援活動を続けています。勝水さんも海外や大学内での草の根活動を継続され、います。PWAでは、勝水さんのその行動力をとても高く評価しています。今回のインターンシップでは、ソーシャルメディアからの発信を主にお願いしました。また、ドナーの方たちとの交流などにもPWAスタッフとして参加してもらいました。どちらもNGOでの活動には大切な役割です。インターンシップを通じて得たことを活かして、あずさ君が人や社会に貢献してくれると思っています。私にも学びの大きい経験となりました。

掲載:2013年9月

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