第1回 ノースウェストの IT 企業と IT コミュニティ

Seattle IT Japanese Professionals

第1回 筆者プロフィール:今崎 憲児(いまさき・けんじ)さん
Seattle IT Japanese Professionals 会長。現職は Google の Android 部門のテストエンジニア。神戸市生まれ、熊本県育ち。九州大学情報工学科修士課程修了、カールトン大学コンピュータサイエンス PH.D. 卒。シアトルには2004年から在住。その間、Amazon と Google でさまざまな職種を経験。今一番興味があるのは、IT による社会貢献と元気のある若い世代を育てること。

漫画:銭湯ルイス(せんとうるいす)
Seattle IT Japanese Professionals 漫画担当。原案と作画を二人で担当しているコンビ名。日本の漫才コンビ 『星セント・ルイス』 とは別人。本業は IT。スーパー銭湯好き。

ノースウェストの IT企業と IT コミュニティ

Microsoft(本社)、Amazon(本社)、Nintendo of America (米国本社)、Google、Facebook、Ebay、Expedia(本社)、Redfin(本社)など、シアトル市内近郊には IT 関係の企業が数多く存在します。

特に、近年の Amazon と Google の事業拡大は目覚ましく、シアトルの Amazon 従業員数は過去5年間で8倍に増加。Google では、Chrome、Android、Google+、Cloud などの開発チームがシアトルとカークランドオフィスの両方に存在しており、家から近いオフィスに通勤できるようになっています。従業員数も増えており、カークランドに新しいオフィスビルを建設中です。また、Apple もエンジニアリング・オフィスをシアトルに開設しようとしていますし、Microsoft も負けじと Windows10や、噂の HoloLens を市場に出そうとしています。

また、それぞれが一流の社員を獲得しようと、リクルーティングやヘッドハンティングを激しく展開しています。その結果、Google のサイト・ディレクターの Amazon への転職、Microsoft のディレクターが Google へ転職するも、Microsoft に戻るといった、企業間の獲得競争が話題になります。こういった転職事情については、このシリーズでまた折を見て触れたいと思います。また、2月27日(金)に、Microsoft のプリンシパル・リードである鷹松弘章氏の講演「採用側から見た転職・就職講座(ソフトウェア業界や米国での採用を中心としたもの)」を SIJP 主催で開催しますので、奮ってご参加ください。

シリコンバレーとシアトルは何が違うか

シリコンバレーの利点としては、技術関係の人が多く、資金が豊富で、交流も活発であるため、市場規模が大きいことが挙げられます。日系人の人口は約5万人で、エバーノートの外村仁氏など IT 関係で著名な人も多く、現地の日本人エンジニアのロールモデルとして活躍しています。また、日系団体としては、Japanese Technology Professionals Association という大きな技術系コミュニティや Silicon Valley Entrepreneur Network というスタートアップ支援組織もあり、堀江貴文氏などの著名人が日本から訪れることもあります。

しかし、最大の欠点は、家賃や住宅価格が極めて高額なこと。サンフランシスコの1ベッドルームの平均家賃が3,410ドルというニュースもあります。スタンフォード周辺の場合、パロアルトから離れるほど安くなりますが、メンロパークやマウンテンビューでもシェアで1,000ドル、1ベッドルームで1,500ドル~2,000ドル、2ベッドルームで2,500ドル~3,500ドルという状況です(ほとんどの場合、電気・水道、住宅保険は別)。また、ワシントン州とは異なり、カリフォルニア州は州所得税があるため、税金が高くなります(その分、他の地域に比べて給料が高いという会社もありますが)。

一方、シリコンフォレストとも呼ばれるシアトルの利点は、上述のシリコンバレーの欠点が見られないこと。ジャングルシティの読者ならご存知だと思いますが、自然が豊かなので、アウトドア志向の方には最高です。Amazon のお陰でクラウドのメッカでもあり、Google もシアトルおよびカークランドのオフィスで主にクラウドの業務を行っています。そのため、クラウド関係の仕事を探すなら、シアトルが第一の選択肢となる場合もあります(クラウドとは何かということも、いずれこのシリーズで触れたいと思います)。

シアトルの欠点としては、技術関係のコミュニティが少ないことが挙げられます。徐々に増えてきてはいますが、シリコンバレーと比べれば依然少なく、日系コミュニティでは SIJP と Arch For Statup のみで、会社横断的なコミュニティは SIJP に限られています。

個人的には、上記のようなシアトルの利点から、シリコンバレーよりもシアトルの方が住みやすいと思っています。しかし、シリコンバレーに出張するたび、あちらではたくさんのことが速いペースで起こっているのを実感します。それは、日本で地方から上京して感じるものと通じるものがあるかもしれません。

次回は、SIJP についてご紹介します。

掲載:2015年2月

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