番外編 IT スペシャリストたちのインタビュー記事ができるまで

IT スペシャリスト
Seattle IT Japanese Professionals

執筆:金子敏章
大学で応用物理を専攻。卒業後、日系 IT 企業に就職。現在はシアトルでデータセンター製品の開発に従事。

IT 企業は、さまざまなスペシャリストの集合体

「アメリカで最新技術やサービスを作り出すことに夢中なITスペシャリストたち」。彼らが、どのようにアメリカへ来て働いているのか、業界の外から実態が見えていません。海外で働きたいと考える学生や社会人は多いと思いますが、ここにギャップがあると感じています。

シアトル市内近郊には、Microsoft や Amazon の本社があり、Google、Salesforce、Oracle といった巨大企業のクラウド部門の拠点があります。これら企業で働く日本人の経験を具体化、共有することで、日本人学生や社会人に貢献できないかと考えて始めたのが、第15回から続けているIT企業社員のインタビュー・シリーズです。

IT企業は、エンジニアだけでなく、さまざまなスペシャリストの集合体です。なので、スペシャリストそれぞれの業務内容を知ることは、IT 業界に就職したい学生にとって、そして転職したい社会人にとって、自身の適性にもとづいて職種を決めるのに役立つでしょうし、先輩達がどのようにしてアメリカへ移住したのかを知ることは、自分自身の進路を考える上で参考になるでしょう。次世代を育てる親や教師、そして IT 業界と就職や転職という面でのご縁はない方々にも、これからの学業や就職、そして生活に密着したIT技術を支える仕事の一つとして興味を持っていただけたらと思っています。

インタビュー記事ができるまで

インタビュー記事が公開されるまでには、インタビューの受け手・聞き手のマッチング、スケジューリング、レビュー、校正、ウェブページの作成、公開作業など、いくつもの行程があり、SIJPの学生や社会人のメンバー、そしてジャングルシティと協力して進めています。

インタビュー記事に関わっているのは、以下の4者です。

(1)インタビューの受け手
(2)インタビュー聞き手(学生執筆者)
(3)校正・編集担当者(ジャングルシティ)
(4)読者

(1)インタビューの受け手は、IT 業界で活躍されている人たち。貴重な時間を使わせていただいているので、インタビューを受けて有意義だったと思ってもらうことができ、(2)の学生執筆者が「聞いてよかった!」、(4)の読者が「読んでよかった!」と思える内容にすることが最重要と捉えています。

では、読者にとって面白い、有意義な記事とはどういうものなのでしょう?それには、大きく2つの観点があるかと考えています。

1. 個人体験を掘り下げる
2. 文章の構成を工夫する

個人体験
海外で活躍する方々では、メジャーリーガーやサッカー選手が真っ先に思い浮かびますが、彼らの自伝などを読んで何が面白いかというと、海外に行きたいと思った理由や、困難にぶつかったときにどう考え、行動したのかが掘り下げられていることでしょう。本シリーズでも同様に、それぞれの体験を掘り下げ、伝えることを目標としています。

インタビューをしながら、その場で的確に話し手に質問をして話を掘り下げることは、私たちが簡単にできることではありません。ですので、話し手に対する質問は事前に準備していました。その内容はインタビュー記事の基本となるので、とても重要です。

記事の構成を工夫する
内容が良くても、読みづらい文章は読者がついてこられません。インタビューをしていると、話が前後に飛ぶことがありますが、そのまま記事にすると読みづらくなるので、内容の構成を変更します。その一方、あまり変更すると、インタビューのライブ感や盛り上がりが奪われますし、変更しすぎて話し手の意図とギャップが生じるかもしれません。文章をどのように構成するかは意外と悩むところです。なので、ドラフトが完成した時点で、話し手に確認していただいています。

嬉しいこと、大変なこと

記事が公開されることは、当然嬉しいです。それに伴い、Facebookのシェアが伸びることも、多くの人に読んでいただけていることがわかるので嬉しいです。

また、インタビューでは、受け手と聞き手の間でインタビューが盛り上がることが嬉しいですね。聞き手である学生が自分の専攻と同じ分野で活躍する人から大きなヒントを得ている様子を見ると、企画して良かったと思います。

大変なことは執筆と公開スケジュールの兼ね合いです。執筆する学生や社会人はボランティアとして参加してくれているので、時間を捻出することが難しいこともあります。なので、ドラフトの段階からSIJP内でレビューし、修正を入れ、前倒しで対応していくようにしています。チームワークで何かを生み出していくことは達成感があります。

海外で働く日本人とは

海外で働く動機は、さまざまです。

・海外で働いてみたい、母国と違う環境で一度働いてみたいという想いがあった。
・英語が好きだった。
・やりたいことを追求するため、もしくは追求していた結果、海外にいた。

特に技術系では、子供の頃からコンピュータが好きで、そのままコンピュータ・サイエンスやIT技術を追求するためアメリカに来たという人が多いようです。

興味深いトピックには、「働き方」があります。アメリカでは労働時間が短いイメージが漠然とありますが、業務時間が個人の裁量に委ねられており(個人によりますが)、仕事に没頭している人も多いです。なので、帰宅して家族と時間を取り、自宅から会社のネットワークに入って仕事をする人や、問題解決のアイデアがひらめいたら夜中でも会社へ行って(朝を待ちきれない)テストしてみる人もいます。

自分の興味と業務が直結しているので、労働として捉えていない部分があるのかもしれません。逆に、働き過ぎないよう、自己管理する必要があります。

そして、これまでインタビューした方々には、業務に対する強い想いがありました。だからこそ、困難にぶつかっても、自分のやりたいことにこだわり、解決するために行動するパワーが生まれるのですね。

結論

仕事に対して強い想いを持つためには、就職活動と同様、自分が何をやりたいのかを見つけることが重要ですね。子供の頃にコンピュータに強い関心を持ち、そのまま進んできた方々は、ある意味、幸運だったのでしょう。

学生で、若く、時間のある人は、専門以外にも、ボランティアなどを通していろいろチャレンジして、自分の興味をいろいろな方向から確認するのも良いでしょう。私のように、ある程度歳を取ってしまった人も、子供の頃の夢をもう一度、振り返ってみてください!

おわりに

SIJPでは、インタビュー参加希望者を募集しています。インタビューの受け手、聞き手(執筆)をやってみたいという方は、ぜひ contact@sijp.org までご連絡ください。

ここからネットワークが広がるかもしれません!

掲載:2017年8月

この記事は、参考情報の提供のみを目的としており、法的その他の専門的助言を提供するものではありません。この記事に記載する情報に基づくいかなる行為およびその結果について、筆者および SIJP は一切責任を負いません。また、掲載内容は対談者個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

キーワード:

コメント

この記事にコメントする

※コメントは承認制です。公開までに時間がかかることがあります。
※弊社へのご連絡にはお問い合わせフォームをご利用ください。コメント欄はご使用になれません。
※内容によって掲載をお断りする場合もありますので、あらかじめご了承ください。

「ひと」の新着コメント

このカテゴリーのコメントはありません。