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加藤 典子さん (現代日本墨江画家)

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墨で描かれた、やさしい絵と言葉。絵手紙からヒントを得た墨絵画家として、各地でフィーチャーされている加藤典子さんにお話を伺いました。
※この記事は2000年6月に掲載されたものです。

加藤 典子(かとう・のりこ)

1976年 青森生まれ。故郷の鯵ヶ沢町のロゴなど作成。

1997年3月 短大の姉妹校のあるオハイオ州へ。 シアトルへ遊びに来て、引越しを決める。

1997年夏 シアトルへ引越し。

1999年夏 絵手紙と運命の出会い。

1999年10月 イーストサイド日本祭りで作品が初めて売れる。

1999年11月 ”Wings For Peace” 世界一大きな折鶴プロジェクトでは芸術監督を務め、ロゴや Tシャツのデザインなども手がける。

2000年2月 ニューヨークで展示。

2000年4月 Okada Galleryメンバー入り。

2000年5月 ユニバーシティ・ストリート・フェアで出店。

初めてのアメリカ

典子さんがシアトルに来られたのは、どういうきっかけだったのですか?

日本の短大で英文学科を専攻していたのですが、やはり本場アメリカで英語を学びたいという思いからオハイオ州にある姉妹校へ留学。そこでいろいろな人種差別を 味わい、あまり馴染めないままだった時、なんとなく遊びに来たシアトルに、”Fall In Love” してしまったのです。それからさっそくシアトルの学校に転入手続きを取り、引越してきました。

絵手紙との出会い

絵手紙と出会ったのは、いつごろのことですか?

1999年の夏です。友人がお母様から受け取ったものを見たのが始まりでした。当時、絵手紙は日本でわりと流行っていたそうなのですが、こちらにいた私はその存在すら知りませんでした。でも、一目で気に入ってしまい、「これだ!」と思ったのです。

そしてご自分でも描かれるようになったわけですね。

そうです。ちょうどその友人のお母様がシアトルに来られた時に道具をお持ちいただいて、自分でもトライしてみたのです。それから本当にハマッてしまいましたね(笑)。「描いていて楽しいし、受け取る人も嬉しい。こんなすてきなことはない」というように。

それがアートになった。

絵手紙というのは、その名のとおり、”絵の手紙” です。従って、「誰かに出さなければならない」というルールがあります。でも、私は最初から “アート” として眺め、描くようになりました。つまり、絵手紙からヒントを得たアートなのです。

絵手紙をアートに

もう既にあちこちで活動を始められているそうですね。

最初は去年のイーストサイドでの日本祭りでした。そこでなにげなく描いた絵が3枚売れたんです。 「これはいけるかも?」 と思いました。それから知り合いのパーティーなどに持っていき、そこからニューヨークの Hayato NY というギャラリーでの展示へ。オーナーの方々も、お客様も、私の作品を大変気に入ってくださいました。また、シアトルでは Okada Gallery で毎月展示していただけるようになりました。この Okada Gallery は、メンバーとなったアーティスト達が一緒に運営するギャラリーです。そして、これからイサクアの Evolution というところでも展示が始まりますし、West Seattle にある日本食レストラン、益子でも展示されることになりました。

学校でも活動されていると伺いましたが。

最近では、Peter Kirkland Elementary School というところで行われた、Japanese Cultural Art Day で絵手紙を教えました。小さい子供には簡単な日本語の勉強にもなり、筆や墨で絵を描くという、めったにない経験ができます。みんなそれだけでもとても喜んでくれました。

ジャングルも絵手紙に挑戦!

簡単そうに見えて、結構難しいのでしょうね。

それではやってみましょうか。

え?

実際にトライしてみてください。楽しいですよ。きっとハマります(笑)。日本で描 く絵手紙は、何で描いても良いのです。それこそ、鉛筆、クレヨン、水彩など、なんでも好きなものを使います。でも、私は墨と顔彩(がんさい)を使います。

絵手紙に必要な道具
顔彩(または水彩絵の具)
青墨(または墨汁)
硯、またはお皿・パレット
筆(大、小、各1本)
白いお皿・パレット
紙(ハガキ)
筆洗
ペーパータオル、またはスポンジ
印(自分のハンコ)
印泥

絵や文字を描くときは、大きい筆を使ってください。習字のように、筆を垂直に持っ て、先を丁寧にきちんと揃えます。そして、何かを見ながら・・・そうですね、では今回はリンゴで行きましょう・・・リンゴを前に置いて、これを描きます。たいていの方がチョコンとした絵を描かれますが、絵は大きく大胆に描いて下さい。構図などは、最初は考えないでいいのです。心をこめて、楽しく描いてください。上手下手はありません。

うーん、なんだかリンゴに見えませんね。

いいのです!それで、とてもいいです!私は好きですね!では、次は字を書いてください。

そうですねぇ。ではEメールを持っていない祖父母宛てに書きましょう。

いいですね。

どうも筆が・・・。

たっぷりと墨をつけて、そして先を丁寧に揃えるのがポイントです。そうしたら、細い線も自由自在です。

細くないけど、ま、いいでしょうか。

「じいちゃん、ばあちゃん、元気ですか」いいですねぇ。とっても温かいです。喜ばれるでしょうね。

これからどうするのですか?

乾くまで待ってください。今回は手間を省くために墨汁を使いましたが、きちんと硯 で墨をすったほうが滲まないようです。

~そして待つこと10分ばかり。

色ですね、次は。

私は顔彩を使いますが、人によっては水彩絵の具でも変わらない、といいます。ご自分で始めるときは、お好きな方をお使いください。そして、まず薄い色から、大胆にすばやく塗ってください。そして濃い色へ。

できましたぁ。

いいですね。きっと喜ばれますよ。

【関連リンク】
www.micshi.com

掲載:2000年6月

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