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第9回 自然の庭-ユリの話

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真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

自然の庭-ユリの話

Asiatic Hybrid Red Carpet Border Lily

マスター・ガーデナーのボランティア活動の一環で、マリズビル市にあるジェニングス・パーク(Jennings Park)のマスター・ガーデナー・デモ・ガーデン内で、切り花ガーデン(Cutting Garden)のお世話をしています。今、このガーデンはアジアテック系のオレンジ色のユリが満開ですが、我が家の庭でも同じオレンジ色のユリや、鮮やかな赤色(Red Carpet Border Lily)、ちょっとユニークな黒っぽい赤色(Landini Lily)が咲いています。2011年に娘からもらったもので、4年目の今は私よりも背が高くなり増えて見事な花々を咲かせてくれます。また、マスタ・ガーデナーの友人からもらった、黄色とオレンジ色がミックスしたものも咲いていて、ハッピー!

自然の庭-ユリの話

Asiatic Hybrid、Orange color

ユリ(ユリ科・学名Lillium)といってもいろいろあります。ユリの品種改良が盛んに行われるようになったのは19世紀末以降、英国王立協会で改良の元となった野生種の違いで園芸品種を8グループ(Division 1-8)とし、そこに原種・変種(Division 9)を加え9つに分類しています。

自然の庭-ユリの話

Asiatic Hybrid Yellow & Orange Mix

今回は、最もポピュラーなものをご紹介します。一番は、アジアテック・ハイブリッド(Asiatic Hybrid)。アジア原産で、主にオレンジ系統の花を咲かせるオニユリやヒメユリなどが元となった系統です。日当たりを好み、育てやすく丈夫で長持ち、砂質で水はけの良い土(庭土にコンポストを混ぜたもので大丈夫)を好みます。花が咲くのは5月下旬頃から7月初旬で、カップ状の花はオレンジ、白、黄、ピンク、赤など、複数の色が入るカラフルなものもあります。一般的に香りはありません。

自然の庭-ユリの話

Asiatic Hybrid Landini Lily

次にポピュラーなのが、7月中旬頃から8月下旬にかけて花咲くオリエンタル・ハイブリッド(Oriental Hybrid)で、日本に自生するヤマユリやササユリを中心に改良された系統です。とてもエレガントで、芳香を放つ大輪の花を咲かせます。スターゲイザー(Stargazer Lily)や白花大輪のカサブランカ(Casa Blanca)は広く知られ、愛され続けています。オリエンタル系は、明るい日陰、水はけの良い有機質に富んだ土、涼しい風通しの良いところを好みます。アジアテック系に比べると育てにくいと言いますが、私の経験では問題なく素晴らしい花を長年咲かせてくれましたが、場所を移したのが悪かったようで、その年には咲きませんでした。とても好きな花なので、同じカタログからいろいろなオリエンタル・ハイブリッド・リリーの球根を注文したばかりです(ちょうど植え頃(10月頃)に郵送されてくるので便利)。9月頃から大手のナーサリーに出てくるはずです。球根の下から根が伸びているのがよい球根で、しなびているのはダメです。せっかく良い球根を手に入れても、放っておくとしなびてダメになるので、すぐに植え付けて下さい。植え付けは10月~11月、条件の合った場所に比較的深く(球根のパッケージにある説明をよく読んでから)、市販のオーガニック骨粉(Bone Meal)と一緒に植え込んで下さい。

自然の庭-ユリの話

Oriental Hibrid – Stargazer Lily

それと、もう一つ、デイリリー(Daylily)、またの名をへメロカリス(Hemerocallis)も、あちこちで咲いています!よく見かけるのはオレンジ色や黄色ですが、さまざまな品種や色が揃っています。デイリリーの花は見た目がユリの花と同じようですが、ユリ科ではなく、ワスレグサ科の多年草。花は一日の命なので、切り花には向きません。でも、次から次へと花を咲かせてくれるので、案外長く楽しめます。暑さ寒さにも強く、植えっぱなしでも良く育つので、庭植えに適しています。うちのもほとんどオレンジ色ですが、えんじ色に白のストライプのものや黄色の花弁の奥が濃いオレンジ色のものは特別にかわいらしいです。

自然の庭-ユリの話

Daylily えんじ色に白のストライプ

自然の庭-ユリの話

Daylily 黄色に濃いオレンジ色

先月のシャクヤクの話でお伝えしたように、終わった花殻は手でつまみ取って、葉と茎は残して自然に枯れるままにまかせてください。枯れた花をそのままにしておくと種を作るために株は沢山の栄養を使ってしまい、球根に充分な栄養が行かず、翌年は花が咲かなくなります。また、花前と花後の肥料もお忘れなく。

自然の庭-ユリの話

Lilies in Cutting Garden

今年は本格的な夏が一ケ月も早く来たようで、暑く、夏野菜の畑や、根付きが完全でない植えて一年未満のプラントたちの水やりは欠かせませんね!我が家では、節水のため、芝生には水をやりません。もちろん、今ではほとんど茶色ですが、秋になって雨が降り出すと緑に戻りますよ。

Happy Gardening!

掲載:2015年7月

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