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第18回 シアトルで育てる、手間のかからないバラ種の話

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手間のかからないバラ種の話

1年未満の Carpet Rose

真知子・フォートさん

執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスター・ガーデナーの資格を取得。園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。マスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。また、2021年7月から自宅の庭で生け花教室を開講しています。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。

草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー

今夏は涼しく快かったものの、8月半ばに華氏90度近い猛暑となり、植えてから一年未満の植物たちはぐったりしたり、葉っぱが枯れたりと、水切れで危険状態になりましたが、Deep Wateringで生き返って安心しました。 8月第2週目の朝は曇り、午後になってもお日様が出ず涼しく、庭のバインメープル(Vine Maple)も紅葉し始めて、早くも秋の気配を感じています。

今回はバラの話です。私のカントリー・ガーデンでは、訪れる鹿たちに食べられてしまうバラはタブーとして植えず、毎年、多種多様のネイティブ・プラントを植え、鹿や鳥などの野生動物たちがお腹を空かせないようにしています。また、品種改良したバラ類はさまざまな色でバラエテイに富み、本当に美しい限りですが、病気になりやすく化学薬品を使わざるをえず、肥料を頻繁に与えなくてはならないうえ、剪定のやり方もルールがありと、面倒で手間がかかるため、長年敬遠していました。ところが、5年前ぐらいに、マスター・ガーデナーのバラに詳しい友人から、「鹿たちにも食べられず、まったく手のかからないバラ種がある」と教えられ、早速、購入して植え込みました!

手間のかからないバラ種の話

Rosa Rugosa

そのバラは、ルゴサローズ、またはハマナス(Rosa Rugosa)です。赤っぽいピンクの花で、日本からシベリア沿岸沿いの原種でバラ科の落葉低木、花後の果実は食用になるそうです。一日中日当たりが良いところがベストですが、半日蔭でもよく咲きます。土も選びませんが、オーガニック・コンポストを混ぜ込んでおけばよく、頻繁な肥料もいらず、オーガニック・ガーデンに適しています。さらに、寒さや暑さに強い耐性・病気知らず・乾燥に強い・剪定が簡単、と、ほとんど手間いらず!我が家のルゴサローズは、ほとんど剪定せず放っておいたら、上に延び塀を越えたので、慌てて半分ぐらいにバッサリと剪定。暑い時期(8月の上旬)だったのでちょっと心配でしたが、何事もなかったように、花々が次々に咲いています。なんともタフなバラ!

手間のかからないバラ種の話

Rosa Rugosa の蕾

手間のかからないバラ種の話

ローズガーデンで見た Carpet Rose

もう一種は、カーペット・ローズ(Carpet Rose)というグランド・カバーのようなバラです。これも、友人の推薦があったので、去年の晩秋にいつも行く園芸専門店の半額セールで買ってきて、日照時間が半日ぐらいの花壇の前に植え込みました。春になって暖かくなってきたら、面白いように次から次へと可愛いピンクの小花が咲き始めました(Pink Supreme)。他にも、赤・白・黄・琥珀・深紅などの色があり、2千個以上の花が咲き、ルゴサローズと同じように手間いらずで楽ちん。改良に改良を重ねてできただけのことはあります!我が家のカーペット・ローズはまだ一年目で小さく剪定するほどではありませんが、広がってきたら、刃の長い剪定バサミ(Shear)でバサッと、春先に半分ぐらいに剪定します。また、花がほとんど咲いてしまって、花柄で汚くなった夏場の剪定も OK。その部分を剪定しておけば小奇麗になり、また、咲き始めます。そのまま放っておいてもOK。冬場だと、地上近くまで剪定してもいいですね。

手間のかからないバラ種の話

Carpet Rose は成長すると地面を隠すグランド・カバーのよう

7月初旬に、自然庭の会の夏のフィールド・トリップで、ウッドランドパーク動物園にあるローズ・ガーデンを訪ねました。色とりどりの美しいバラが歓迎してくれ、皆楽しみました!カーペット・ローズもいろいろありました。このローズ・ガーデンは1924年にオープンし、2.5エーカーの庭園には200種のバラエテイ、3千種の植物が咲き乱れています。道路を隔てたところには動物園があるので、お子さんと遊びに行かれた時にでもちょっと寄ってみると、いろいろな美しいバラが鑑賞できて、ほっと一息つけます。動物園は有料ですが、ローズガーデンは無料。

手間のかからないバラ種の話

ローズガーデンの一角

秋のフィールド・トリップは10月4日(火)、シアトル北部にある日本庭園で、紅葉を楽しみたいと思います。参加ご希望の方は、直接ご連絡ください(メール:machikofa@gmail.com)。

手間のかからないバラ種の話

自然庭の勉強会のメンバーの一部

Happy Gardening!

掲載:2016年8月

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