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妊娠中にお寿司は NG?妊婦が避けるべきシーフードとは

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「妊婦は寿司や刺身を避けた方が無難だ」というのには、主な理由が3つあります。ここでは、それぞれ詳しく解説します。

もくじ

リステリア(listeria)


生の魚はリステリア(listeria)という細菌に汚染されている可能性があり、リステリア症という病気を引き起こすことがあります。

リステリアは普通の健康な人が発症することはあまりないのですが、妊婦は免疫力が弱くなっているので、妊娠していない人に比べ約20倍もリステリアにかかりやすくなると言われています。疫病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)では全米で毎年約2,500人が重症のリステリア症にかかっていると報告しています。妊婦がリステリア症にかかってしまった場合、未熟児や胎児の死亡を引き起こしたり、無事に生まれても赤ちゃん自身がひどいリステリア症にかかっていたり、それにより赤ちゃんが死亡するといった結果を招く可能性があります。また、母親にリステリア症の症状が出ていなくても、胎盤を通して胎児に感染してしまうこともあります。このような理由から、妊婦は寿司や刺身を避けた方がよいと言われています。

日本では妊婦が寿司や刺身を食べてはいけないという指導はあまりなされていないようですが、これは、日本ではリステリアがほとんど見られないという理由からのようです。

生魚以外でリステリアが含まれている可能性があるものは以下の通りです。

  • チーズ:フェタ、カマンベール、ブリー、ブルーチーズ、”queso blanco fresco” などメキシカン・スタイルのチーズなど、柔らかいチーズ。なお、ハードチーズ、セミソフトチーズ(パルメザンやモツァレラ、低音殺菌済み(pasteurized)のプロセス・チーズ、クリーム・チーズ、カッテージ・チーズなど)は問題ないとされる。
  • 加工肉:ハムやソーセージなどがこれにあたる。食べる前にしっかり火を通したものであれば問題ないとされる。
  • パテやミート・スプレッド:要冷蔵のパテやミート・スプレッドでも、缶入りのものであれば問題ないとされる。
  • スモークした魚介類:火を通して調理したものは大丈夫とされる。

業者による不適切な処理

アメリカでは生の魚を扱うことに慣れていない業者が多く、適切に扱われない場合があるためです。魚屋では温度や衛生管理をきちんとしているか、寿司屋では魚をきちんと衛生的に扱っているか、できる範囲で確認しましょう。

また、鮭やタラなどの魚には寄生虫がいることがあります。超低温に冷凍すると虫は死ぬので、日本で寿司や刺身にする魚はそういった処理をしてあるのが普通ですが、こちらで手に入る魚はそうとは限りません。寄生虫が妊婦の体内に入ると、胎児に行くべき栄養分が寄生虫に取られてしまうことになります。

汚染物質

汚染物質の問題があります。刺身や寿司に限らず、火を通したものでも同じですが、マグロ・カジキマグロ・サワラの類のように、他の魚を食べて長生きするような魚には有機水銀が含まれており、あまりたくさん食べると胎児の脳の発達に影響があることがわかっています。

また、汚染がひどい地域の川魚は PCB(ポリ塩化ビフェニル)などを多く含んでいることで知られています。こういった種類のものをたくさん食べると、汚染物質の濃度が高くなります。しかし、魚は大変良い蛋白源で、その脂肪分は肉より健康に良いため、妊婦さんにはぜひ食べてもらいたいものです。妊娠中は、できれば生の魚を避け、いろいろな種類の魚を適量ずつ食べるように心がけてください。

回答者:『プロに聞こう:女性の健康』 押尾祥子先生

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