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第17回 初・母子二人旅 (滞在編)

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30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。

金魚すくい

金魚すくいって、清涼感がありますね。

日本語が大好きな息子にとって、日本は本当に楽しかったようです。

帰って来てからしばらくは、「日本、楽しかったー」「日本にまた行きたい」と言い、シアトルで仕事に埋もれていたダディに言うことも “Daddy, I had fun in Japan.” “Do you want to go to Japan? We have to fly!” と、日本が話題の中心でした。

今回の日本行きの最大の目的は、息子が日本のグランパ&グランマ(私の両親)とたっぷりじっくり過ごすこと。

普段は遠く離れていても、スカイプで話をしているおかげか、昨年の夏にシアトルに来てくれたグランマ(私の母)にも、1歳10ヶ月での日本訪問以来のグランパ(私の父)にも、そしてシアトルとはまったく違う環境にもすんなりなじんでくれたので、感心しました。特にグランマは大好きで、時差ぼけで早朝から起きだしてはグランマの部屋に行きたがり、「まだ寝てるから」と止めるのに一苦労。耳の遠いグランパに話しかける時は、まず肩や手をポンポンと優しく叩いて自分に注意を向けることもマスターし、あれこれ自分ができることを見つけてはお手伝いしたりと(時にはかなり邪魔になっていた模様)、自分なりに考えて動いているのを見ると、前回の日本訪問からの成長ぶりに、ただひたすら感謝でした。

でも、時差ぼけに疲れも加わって、おなかの具合も、おなかがすく時も、すんなりと日本時間にあわせられず仕舞い。以前の滞在でもそうでしたが、大人はとりあえず実家の食事時間にあわせて食べることができても、子供は正直ですね。午前4時に起きて「おなかすいた」と言うので、まだ暗いうちからトーストやオムレツや炒飯を作り、そうすると、実家のご飯の時間には満腹。そして、息子は最近、大のご飯好き。パンよりも炒飯!パンよりもおにぎり!なので、臨機応変にならざるを得ません。「決まった時間に出されたものを黙って全部食え!」という実家でなくて良かったです。

シアトルと違うことを挙げればきりがありませんが、家の中は日本語、近所の人やお店の人も日本語、そこらへんに書かれている文字も日本語という、日本語ワールドは日本ならでは。あちこちに書かれた文字に自分の名前のひらがなを初めて見つけたときの「あ!xx ちゃんの x が書いてある!」と驚いた様子は、忘れられません。

そんなことが幸いしたのか、慣れていない人に対しては無口な息子も、日本ではあちこちで見知らぬ人に話すようになっていました。図書館で本を借りる時に「たくさんあるんですけど、いいですか?」と貸し出し担当の人に聞いたり、レストランの人に「すみませーん、お水ください」と言ったり、係員の人がよけてくれたら「失礼しまーす」と言ったり、何か話しかけられたら答えたりと、日本語を24時間見聞きすることのインパクトはすごい。

テレビの影響も甚大ですね。普段見せてないからかもしれませんが、せっかくなので NHK の子供番組をいろいろ見てみたら、料理好きな息子は『すすめ!キッチン戦隊クックルン』にハマりました。私と息子が二人で熱を出した夜は、左手を腰にあて、右手を上にあげ、「明日は元気になるぞー!」 と言いながら、エイエイオー!アメリカで見たことのなかったこの仕草に、「あ、キッチン戦隊クックルンだな!」と、ニヤニヤしてしまいました。

大きな魚市場に行き、アナゴ専門店でアナゴを買い、金魚すくいをし、お好み焼きを食べ・・・といった、日本でしか体験できないことも、たくさんしました。「明日は何々しようね」と私に提案して楽しんでくれているのを見ると、それだけで「ここまで来て良かった~」としみじみ。でも何日かは朝起きて、「ダディがいないから悲しいの」とさめざめと泣き、ダディを恋しがる一瞬も。最後の数日間にはシアトルのお友達の名前を出すようになったので、やはり子供同士で遊ぶ時間が恋しくなり始めたのでしょう、シアトルに帰る日は、「シアトルのおうちに帰るんだよ」と、さらっとグランパ&グランマに宣言。そして、空港ではがっちりグランパ&グランマをハグし、「ありがとー」と手を振りました。

掲載:2014年6月

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