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第49回:夏休み
長い夏休み、子供をどのように過ごさせるかというのは、どの親にも共通した関心事でしょう。毎日毎日朝から晩までやることがないと、子供は退屈し、親は疲れます。そういった親子のために、各種のサマー・キャンプやサマー・スクールといった、夏だけのプログラムが存在しますが、人気のプログラムはすぐに定員に達してしまうので、申し込む親は大変です。プリスクールが実施するものや、習い事教室の夏だけのプログラム、市のレクリエーション・プログラム、チルドレンズ・ミュージアムが実施するものなど、種類を数えればきりがありませんが、内容は、体操や水泳、音楽、料理などの習い事系、学校が実施するお勉強系、野外活動系などが主です。
確かにアメリカの夏休みは1ヶ月間ほど日本より長いので、「この2ヶ月半、どうしよう」と、途方にくれるのでしょう。自分が子供の頃、記憶がある限りなので小学生の時代になりますが、何をしていたかというと、サマー・スクールなど特別なものには参加していなかったように思います。小学校のプールが解放される「開放プール」の日に泳ぎに行ったり、早朝から毎朝ラジオ体操に行ったりしていました。早朝のラジオ体操は、あの時代(1970年代後半〜1980年代前半)の日本ですから親同伴ということはありませんでしたし、徒歩で近所の公園に友達と連れ立って行っていました。開放プールにしても、友達と歩いて学校まで行っていました。それ以外は毎日友達と近所の空き地や山で遊んでいたと思います。
思い返すと、これも小学生時代のことですが、親の送り迎えなどもなく、行き先を告げる程度だったということに、あらためて現在のアメリカの状況との違いを実感します。今のアメリカでは当たり前ですが、友達の家など目的地までの送り迎えは当然、家の外で遊ぶ場合は大人が監視するのも当然です。「○○ちゃんと遊んでくるよ!」「5時には帰ってらっしゃいよ。いってらっしゃい!」とはいかないのです。となると、学校がない夏休み、親が子供を見ていないといけない時間が増え、そういったニーズに応えるためのさまざまなサマー・プログラムが盛況になる、ということになるのでしょう。
さて、我が家はプリスクールのサマー・プログラムに3週間参加させることになりましたが、レギュラーで行っているプリスクールとは違い、先生も友達も初めてとなるので、どうなることやらと、今からどきどきしています。
私は夏が好きです。それは、子供時代の夏休みという懐かしい思い出につながっているから。学校がなくて開放感のある感じ、青い空と海、ラジオ体操の時の朝の空気、プールの匂い。もちろん、家族旅行なども楽しいものでしたが、何より、友達と近所で遊びまわったり、プールに行ったり、ラジオ体操に行ったり、駄菓子屋に30円のアイス・キャンデーを買いに行ったりと、いつも自分たちで自由に「これしよう」「あれしよう」と言い合って遊んだことが楽しい思い出となっています。そんな開放感あふれる楽しい夏休みを、いつも親が監視していないといけないこの環境の中で、しかも、親にとっても普段よりストレスがたまるような状況で、どうやったら体験させられるのかな、とつい考え込んでしまいますが、おそらくこの環境の中で育っている子供たちにはそれは当たり前のことで、彼らなりに楽しいときを過ごし、それが懐かしい思い出に変わっていくのでしょう。とは言っても、できるだけ自由な雰囲気で楽しくなるような工夫はしていきたいものです。
(2007年6月)
執筆者プロフィール: 日本での長い独身貴族生活の後、軽い息抜きのつもりでやってきたシアトルで思いもよらず今の夫と出会い結婚。2002年初夏に初めての妊娠が判明し、人生が180度転換してしまった。2003年に長女を出産し、2005年には次女を出産。子育ての毎日は初めてのことばかりで、心配したり悩んだり喜んだりと実に賑やかな(?)生活を送っている。
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