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第48回:おもちゃと遊び
「遊び」というと「おもちゃ」を連想することが多いと思いますが、子供が実際に興味を持って夢中になることは、子供が遊ぶためにデザインされ商品化されたおもちゃだけではありません。例えば水。これはほとんど例外なくどの子供も好きです。水の他にも、身の回りにある全ての物を遊びの道具にしてしまいます。またこれが、危ないことであったり、大人にとっては非常に迷惑で困ることが多いのも事実です。たとえば、私が包丁で野菜を切っていると自分も切りたいと言いますが、よく切れる包丁なので非常に危険です。
また、子供は大人の真似やお手伝いが大好き。我が家の娘達も、「洗い物がしたい!」と、食後に私がちゃっちゃっと片づけをしたい時に、ダイニング・チェアを押してきて流しの前を占領してしまい、片付けができなくてイライラ、ということもしょっちゅうです。これも、彼女達にとっては遊びです。そのため、本物そっくりのキッチン・セットなどのおもちゃも人気があるのでしょう。かなり豪華なものも売られていますが、そんなものは我が家にはありませんので、お店で出くわす度に、我が家の娘達は夢中で遊び始め、その場を離れません。子供のサイズに合わせて作られているのも嬉しいようです。でも、本当の水が出てくるわけではありませんから、やはり本物のシンクで本当に水を出して洗うという行為の魅力には少し劣るかもしれません。
値段も高く、夢のように素敵なおもちゃには私も憧れます。「自分が子供だったら絶対に欲しい、子供達にも買ってあげたい」という気持ちもあります。でも、おもちゃを買う前にいつも、「本当にこのおもちゃが娘達の成長にとって意味のあるものか?代用できるものが家にないか?」と自分に問いかけ、答えがノーの場合は購入しません。そうしなければ、我が家はおもちゃに埋め尽くされることでしょう。それよりも、子供達が1つ1つのおもちゃを大切にしなくなるのでは、という懸念もあります。
購入を控えてはいるものの、我が家のおもちゃの数は相当なものです。もちろん、我が家以上にすごいお家はたくさんあります。幼児のいるお家ではたいていはおもちゃが山のようにあります。特に、ここアメリカでは家が広いという理由もあり、ちょっと裕福なお家では、プレイルームがあって、素敵なキッチン・セットにかわいい収納、室内ジャングルジムやドールハウスなどがあり、そこはまさに子供天国。自分が子供だったら舞い上がりそうな夢のお部屋です。日本ではプレイルームは無理でしょうが、おもちゃが溢れているという点は同じでしょう。
ただ、貧乏性なのでしょうか、どうもそういう状況に疑問を感じてしまうのです。私の両親の時代には豪華なおもちゃは全くなく、1つだけ買ってもらった人形はボロボロになるまで大事に大事に遊んだと聞きました。恐らく、ままごとはその辺に落ちている自然のものを使って頭の中の想像を加えながら楽しんだことでしょう。お金と物が不足する中で、母親が古い着物の生地でお手玉を作ってくれたりと、家にある物を使って作ってくれたおもちゃには非常に愛着を感じるものでしょう。
とまあ、ケチケチしている私ですが、最近子供用にじょうろを購入しました。というのは、我が家の長女は今、球根植えのグラジオラスに水遣りをするのが大好きだから。ただ、じょうろで水をやるだけですので、大人にとっては「何がそんなにおもしろいの?」という取るに足りいない行為です。でも、娘にはそれはとてもおもしろくて満足感のあることのようです。もっともっと水が遣りたくて、「もっと水入れてよ!」と、言いますが、グラジオラスには水を遣りすぎてもだめだということを知り、娘を止めるのにまたまた一悶着、といった具合です。ちなみに、アメリカのお店ではじょうろをはじめとする子供用のガーデニング・グッズなるものをよく見かけます。別にじょうろに猫ちゃんの絵が描いてなくても大人用のでいいかな・・と思いましたが、やっぱり娘の欲しがる「ピンク」でかわいい「猫ちゃん」の絵がついているじょうろを買ってしまいました。
本当に必要なおもちゃを選ぶこと、子供にものの大切さを教えること、いわゆる「おもちゃ」以外にも子供が「遊ぶ」道具がたくさんあるということ。まだまだ未熟な私は、どうやって選ぶのか、どうやって大切さを分からせればよいのか、今は手探り状態ですが、育児の先輩方や専門家などから、これからもたくさん学んでいかなければなあと思う毎日です。
(2007年5月)
執筆者プロフィール: 日本での長い独身貴族生活の後、軽い息抜きのつもりでやってきたシアトルで思いもよらず今の夫と出会い結婚。2002年初夏に初めての妊娠が判明し、人生が180度転換してしまった。2003年に長女を出産し、2005年には次女を出産。子育ての毎日は初めてのことばかりで、心配したり悩んだり喜んだりと実に賑やかな(?)生活を送っている。
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