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第46回:姉妹の関係

ここのところ、我が家の姉妹はよく一緒に遊ぶようになっています。と言うと、子育てもかなり楽になったような気になりますが、そうではありません。だいたい8割がたは喧嘩をしていますから、仲裁で大忙しです。喧嘩原因のトップは物の取り合い。4歳と2歳はまだまだシェアができません。我が家の場合は、例えお友達との間でできたとしても、それは単に自分の我を出し切れないからであって、心からのシェアではないと思います。

シェアについては以前のエッセイでも触れましたが、ここアメリカでは子供にしっかりと教えていかなければならないことの1つとしてかなりの重点が置かれていますね。小さな子を連れたお母さんが「シェアしなければいけませんよ」と子供に言い聞かせている光景はよく見かけるものです。日本ではどうでしょう。「お友達に貸してあげなさい」といったところでしょうか。であれば、日米大差ありませんね。でも、何故かアメリカで母親が子供に言い聞かせている「シェア」という言葉には、ずしりと重みが感じられます。

人それぞれで一概には言えませんが、日本人の母親は、その場の状況(子供が物の取り合いをしているなど)で、どちらが今貸すべきか、どちらが悪かったのかということを明らかにして、子供にどうするべきなのかを言い聞かせるというよりは、子供たちが険悪になっている雰囲気や喧嘩を解消させるために、自分の子供に非があるないに関わらず、どちらかというと便宜的に、自分の子供に対し、相手に譲らせるように言い聞かせるというような傾向が比較的高いのではないでしょうか。相手の子供のお母さんに気を遣ってというのも多いでしょう。一方、アメリカ人の場合は、単にその場を収めるというよりは、どちらの子供がどういった理由で悪かったのか、だからどちらの子供が今どうすべきなのかを明らかにして言い聞かせる傾向が、比較的強いように思います。

とにかく悪くても悪くなくても謝ってその場を丸く収めるという日本人的な感覚と、悪くないのに謝る必要は無い、人として他人との助け合いや協力(シェア)はするけれど、自分の権利も主張する、そのために争いが収まらなくても仕方がないという考えの違いとも言えるかもしれませんね。

さて、話がずれましたが、大人の基準からすると「何でこんなにわがままなの?」とあきれるほどの子供のわがままぶりは、よくよく考えてみると人間の欲望の原点なんでしょうね。自分自身が幼稚園の頃、お友達との物の取り合いで最後まで諦めなかったことを思い出すと、4〜5歳ではまだこんなものだろうと、今のところあまり心配はしていません。

長女と次女が今、思い切り我を出すことのできる家庭内で、体験を通じて少しづつシェアすることを学んでいってくれていると信じたいと思います(希望的観測ですが)。私が幼稚園児だったころ、お友達との長い取り合いの喧嘩の末、お友達がそのお母さんに説得されて、私に物を譲ってくれたことが何度もありました。私は取り合いに勝って嬉しいはずが、言いようのない後味の悪さ、そして、「私は結局負けたんじゃないか」と感じたことを覚えています。そのような、譲られた側の後味の悪い気持ちを感じたりすることも大切なんでしょう。といっても、本当の意味でシェアできるようになるのはずっとずっと先のことになると思います。

娘達には、もちろん本当の意味でシェアできる人間になってほしいというのは根底にありますが、その上で、やはり欲しいものを正当な手段で手に入れることができるようになってほしいとも思っています。という点では、ちょっと高度になりますが、姉妹で取り合いになった時、自分が欲しいと思っているものを自分のものにするために、相手を口で説得する、何かを引き合いの条件として出してみる(つまりネゴシエーションですね)などといったことも、少しづつスキルとして身についてくれればなと思いますが、これは求めすぎかもしれませんね。

喧嘩の多い姉妹ですが、今喧嘩していたかと思うと一瞬のうちに笑い声に変わっていたりすることも多々。2歳離れの姉妹はすっかりお互いのベスト・フレンドとなっています。親が「は?何がおもしろいの?」と思うようなことでも、2人はコロコロと笑いあっておかしさも共有しているようです。喜びをシェアするとそれは2倍になると聞いたことがありますが、まさにそんな感じ。最近の長女の口癖は、「マミー、〇〇ちゃん(次女のこと)はいつも邪魔するし、痛いことするし、大っ嫌い。だけど、ちょっとだけ好きなの」です。この気持ち、すごくよく分かるのは、私だけではないですよね。

(2007年3月)

執筆者プロフィール: 日本での長い独身貴族生活の後、軽い息抜きのつもりでやってきたシアトルで思いもよらず今の夫と出会い結婚。2002年初夏に初めての妊娠が判明し、人生が180度転換してしまった。2003年に長女を出産し、2005年には次女を出産。子育ての毎日は初めてのことばかりで、心配したり悩んだり喜んだりと実に賑やかな(?)生活を送っている。

Back Number
2008年
第63回 ファミリー・キャンプ 2008
第62回 ガレージセール
第61回 言語のはなし 続き
第60回 子供とアクティビティ
第59回 アメリカ人が甘いもの好きな訳?
第58回 逆カルチャーショック
第57回 学校選び
第56回 バケーション

2007年
第55回 言語のはなし 第49回 夏休み
第54回 風邪に悩まされた10月 第48回 おもちゃと遊び
第53回 ほめられるのが嫌いな子 第47回 トイレ・トレーニング完了
第52回 日焼け対策 第46回 姉妹の関係
第51回 ファミリー・キャンプ 第45回 子供の味覚
第50回 プリンセスとウルトラマン 第44回 2006年を振り返って

2006年
第43回 お誕生日パーティ 第38回 子供の感受性(2)
第42回 プリスクール 第37回 子供の感受性(1)
第41回 砂場デビュー 第36回 自分でさせる教育
第40回 殻を破り始めた娘 第35回 ベビーシッター
第39回 スクラップブッキング

2005年
第34回 日本のお風呂に開眼 第28回 しつけ
第33回 子供2人連れ、飛行機の旅 第27回 卒乳(Weaning)
第32回 歌を歌おう 第26回 2度目の出産
第31回 トイレ・トレーニング(Toilet training) 第25回 2人目対策
第30回 引越し 第24回 おもちゃ
第29回 ルーティーン(Routine)

2004年以前
第23回 母親のストレス解消法 第11回 手ごたえあり?の娘との2人旅
第22回 ハロウィーン 第10回 初めての病気
第21回 妊娠中の授乳 第9回 離乳食を始めた
第20回 グランパとグランマ 第8回 初めての飛行機の旅
第19回 ベビー・サインと言葉の発達 第7回 快適育児生活
第18回 日本 vs アメリカ お風呂の入れ方 第6回 「ベビー・・・」
第17回 絵本を読もう 第5回 次の試練 「睡眠不足」
第16回 ベビーとの外食 第4回 最初の試練 「授乳」
第15回 トドラー食 第3回 ついにその日が来た
第14回 あっという間の1年 第2回 妊娠はつらいけれど幸せ
第13回 帰省 第1回 妊娠の日米比較
第12回 動き出した!


注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。
   
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