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第29回:ルーティーン(Routine)
育児を行っていく中で大切だと言われるのがルーティーン。赤ちゃんや幼児は毎日同じことを繰り返すことにより、次に何が起こるのかを予測でき、安心するというのがその理由だ。特に就寝前のベッドタイム・ルーティーンは、寝かし付けのバトルを軽減するためにも、多くの家庭で行われていることだろう。
我が家でも、娘の昼寝前と夜の就寝前の2度、歯磨きをさせて数冊絵本を読むというごく平凡なルーティーンを実行している。このルーティーン、娘が赤ちゃんの時はどれほど効果があるのか見当もつかなかった。というより、平和に床に着いてもらうためのあの手この手も、「泣く時は何をしても泣く」という結論に落ち着く場合が多かった。
ところが1歳を過ぎ、物事が分るようになってくると、少しづつその効果を実感し始め、現在ではこのルーティーンなしで床に入ることはない。旅行や来客などでいつもと同じことを同じ場所でできない状況になると、眠たいのに床に着くことができず、ひどく疲れて荒れまくり、大荒れに荒れた後、やっと眠りにつく。そのせいか、眠りが浅く何度も目覚め、翌朝は非常に不機嫌というパターンに陥ることが多い。
2歳半の現在、「子供は習慣の生き物」というのを実感している。ルーティーンの中身もいつの間にか細かいところまで決まっていて、毎晩必ずそれを繰り返す。例えば、絵本を読む時に私が座る位置と絵本を持つ手の位置や、誰が読むか(私でなければならない)というのも決まっていて、いつもと違うと怒り出す。また、部屋のドアはきちんと閉まっていなければいけない、本を読み終わった後はドレッサーの上の家族写真を手にとって見る、クリブに入ったら必ずプーさんとピグレットのぬいぐるみ、2種類のブランケット、プーさんのハンカチタオルが揃っていなければいけないなど。そして、最後に必ず、ベビー・モニター(娘が私を呼んだ時、別室の私に音が聞こえるようにするため)の電源とナイトライトを付け、部屋の電気を消すよう私に命令する。
全ての要求にこたえなければいけないので一見大変そうに見えるが、一旦この一連の行為の流れに乗せれば、あとは自動的に順を追ってクリブに入るところまで自分からやってくれるので、これほど楽なものはない。まず最初に歯磨きに誘うのがキーだ。ここでもちろん、もっと遊びたいとか、いやだと言われることは多いが、その場合、何か1つだけ遊びをさせ、その前に「これが終わったら歯磨きだよ」とか、「時計の長い針が10のところに来たら歯磨きだよ」などと予告しておくと、何とかなる場合が多い(次に何が起こるかが分かるので諦めがつくようだ)。
ところでこの「いつもと同じが安心する」という子供の習性が関係しているのか、幼児のこだわりには妙なものが多い。例えば娘の場合、私が洋服の袖を腕まくりしていると下ろすように言ったり、ジャケットの前のジッパーを開けたままにするのをいやがったりなど。友人の子供にも同様の妙なこだわりが見られるようなので、うちの娘が特別変わっているわけでもなさそうだ。いずれにせよ、この習性を知っていると、子供の不思議な行動の謎が解け、「ああ、そういうことだったのね」と納得する場合が多い。
(2005年7月)
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