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第26回:2度目の出産
前回お休みをさせていただいている間に、無事次女が誕生した。2人目は1人目より陣痛から出産まで速く進む傾向が高いと言われている。私の場合、超スピード出産だった最初の出産(病院に着いて1時間半で出産)よりもさらに速くなるだろうと言われていたため、予定日の3週間ほど前から毎日いつ始まるかと気が気ではなかった。夫が会社から戻ってくるのに間に合わなかった場合のことを考え、我が家の近くで仕事をしている友人に、万が一の時は病院まで送りとどけてもらうという、責任重大の役目をお願いさせてもらった(この友人には本当に感謝)。さらに、妊娠本の中の、「病院まで間に合わず、自宅出産になってしまった場合にどうしたらよいか」というページに付箋を張り、すぐに参照できるようダイニングのテーブルの上に置いておいた。
結局3週間以上今日か今日かと待ち続け、陣痛が始まったのは予定日を2日過ぎた日の朝、上の娘に授乳していたときだった。午後1時頃に病院に着き、その日の夜9時前には出産。病院に着いてから約8時間と、今回は意外にも前回より長かった。しかし、陣痛の間隔が狭くなりかなり辛くなってきたのは生まれる2時間ほど前で、それまでの7時間程は助産婦の先生やナースと世間話をしながら楽に過ごしていた。今回は、待望のジャクジーも体験でき(前回は速すぎて時間がなかった)、病院に行く準備も落ち着いてできたので、時間が長くなったのがかえって良かった。
今回の出産には長女を連れてくる予定にしていた(第25回参照)。病院で長時間いかにご機嫌に過ごしてもらうかが課題だったので、病院行きのバッグの中身はほとんど娘のおもちゃや本、スナックで埋め尽くされていた。心配していたのは、娘の人見知り。家族以外の人が近づくとずーっと抱っこしていなければならない。もちろん私は抱っこできないし、夫も私の世話で忙しいかもしれない。しかも、私が普段のチェックアップで診察台に横になるだけで大泣きするので、ベッドの上に横たわり苦しんでいる私を見てどんな反応をするか。そう考えると、かなりのチャレンジになることは目に見えていた。しかし、意外なことに、助産婦の先生やナースにずっと話をし、長時間ご機嫌に過ごしてくれた。最後の、「さあ、赤ちゃんが出てくるぞ」という時も(私は痛みの頂点)、赤ちゃんを受け取る体勢の先生に向かって「(動物ビスケットの)鳥の頭を食べちゃった」と言っていたそうで(もちろん私には聞こえていなかった)、先生も先生で、それに対して「そうなの〜」とずっと答えて下さっていたらしい。結局、娘の頭が動物ビスケットでいっぱいという時、彼女の妹はその頭をツルっと出し、そのままスルスルっとこの世に生まれてきた。
生まれた直後の次女に授乳し、体重や身長の測定も後回しで、次女は45分ほどずっと私の胸の上に乗っていた。生後すぐの授乳はその後の母乳育治の確立にとても役立つそうだ。最初の出産では病室に母乳コンサルタントが来て指導してくれたり、病院内でやっている授乳や沐浴についてのクラスにも参加するよう言われたが、2人目だったからなのか、今回はそのどちらもなし。私もその日の朝まで長女に授乳していたので、そのままスムーズに次女の授乳を始めることができた。
退院は、次の日の夕方だった。前回と同じく、今回も出産後に家族や親戚のヘルプがなかったので、夫に3日間会社を休んでもらった。体調が良かったので、日本ではまだ入院中という時から、料理や掃除以外の家事もこなした(他の新米ママは真似しないで下さい。産後1ヶ月は無理しないで!)。ところで、私の住むイーストサイドには、某巨大ソフトウェア企業に職を得て他州、または外国から移り住んできた家族が大変多い。そのような人たちは家族や親戚が近くにいないので、私と同じような境遇だ。こういった人たちは、大抵サポート・グループやプレイ・グループの母親同士でベビーシッターの交換をしたり、互いに出産直後の家に手作りの夕食を届けたりして助け合う。今回、このような人たちにたくさん差し入れをしてもらい、とても助かった。食い意地の張っている私は出産直後から食欲があり、何と言っても「花より団子」。花も大好きでとっても嬉しいけれど、食べ物の差し入れはすごく助かった。その他、やはり母親同士で時間を決め、出産直後の母親に休んでもらっている間に家事などの手伝いをするということをしている人たちもいる。里帰り出産が多い日本よりも、こちらではこういった面での家族以外の協力体制が工夫されているようだ。また、どうしても手伝いが必要な時は、料金を払って産後ドゥーラ(Postpartum Doula)に来てもらうこともできる。ドゥーラは出産時に医者や看護婦が行う医療行為以外の部分で産婦を助け(マッサージや呼吸法の指導など)、産後は家事や上の子供の世話などのヘルプを行う職業。残念ながら保険は適用されないが、近くに家族や親戚がいない人は、産後困り果ててしまった場合のために、事前に何人かのドゥーラを推薦してもらっておくと安心だ。
これを書いている現在、既に生後1ヵ月半となった次女は、生まれたときの骨と皮だけのような脚にむくむくと肉がついて、顎がキュッと尖っていた顔も今ではほっぺが落ちそうになっている。時々「あー、うー」と言いながら、にやっと笑ってくれるようにもなった。これから、個人的に一番かわいいと思うハイハイからヨチヨチ歩きの時期をもう一度体験できると思うと、今から楽しみだ。
(2005年4月)
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