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第2回 : 妊娠はつらいけれど幸せ

妊娠中にはいろいろ大変なことがある。例えば…


夫が分かってくれない!

仕事上がりと風呂上りのビールにその日最高の幸せを感じる私。しかし、妊娠初期は、ビールが飲めないことを辛いとは思わなかった。それよりもつわりが辛く、飲みたいという気分にもならなかったからだ。ところが、つわりの時期が終わり、気分が良くなると、仕事上がりなどにスカッと飲みたくなってしまう。そんな私にとってビールを我慢することよりももっと辛かったのが、夫(アメリカ人)が私の目の前でビールを飲むこと。何度いやみを言っても "I'm sorry. I know you are making huge sacrifices to have a baby." (ごめん、君が赤ちゃんのために大きな犠牲を払ってくれているのはわかってるよ)と、すまなそうにしながらやっぱり飲むのだ。それでも最初のころは、「飲んでもいいかな?」なんて聞いてきていたので、「いいよ」と言ってあげていた。そうしたら図に乗って、今では聞きもしない。

ビール以外にもたくさん文句はある。私は子ども用品の情報収集と購入に多大な時間を割いた。カーシートはどういうものが良いのかなどから、紙おむつと布おむつのメリット・デメリットの分析など。また、中古品の売買情報には目を光らせ、安く譲ってくれるという人のところに伺っては1つ2つと購入し、アメリカのウェブサイトでのベビー・レジストリ作成や、日本の親に頼むアイテムを日本のウェブサイトから選ぶのにも時間をかけ、何を日本で買うか、何をこちらで買うかの検討にも余念がなかった。しかし、夫は無関心。べビざらすのベビー・レジストリに一緒に行ったにも関わらず、私がスキャンしている間、自分は大好きなホッケーの道具を見にスポーツ店に行きたいと言うのだ(赤ちゃん用品のベビザラスでは、スキャナを借りて、ベビー・レジストリに登録したいアイテムのバーコードをスキャンするシステムになっている)。しかし、もし無理やりやらせても、すぐに飽きて「帰ろう」と言い出すのがオチなので、スポーツ店に行かせることにした。ベビざらすでは、たいていカップルが「あーでもない、こーでもない」と言いながら仲良さそうにやっているわけで、1人でスキャンをしていたのは私ぐらいだろう。そのかわり、何を登録しようが、文句は言うなと念を押しておいた。。

赤ちゃんは夫婦の間に生まれるわけだが、実際に赤ちゃんをお腹の中で運んでいる母親は、本能的な面も含めて、父親よりも「自分のこと」として捉える度合いが大きいというのは、ある程度避けられないことなのか。文句を挙げればきりはないが、赤ちゃんの誕生を心待ちにして、その健康を心から祈っているのもまたこの夫なので、基本的には良しとしようと自分に言い聞かせている。しかし、時々妊娠ホルモンによる情緒不安定が起こって大爆発もする。


情緒不安定

ホルモンの関係で妊娠中は情緒不安になる人が多い。私はよく涙を流している。ビールが飲めないというだけで泣いたりする。ビールが飲めない、ということだけで、「私ってなんてかわいそうなの?」と半ば悲劇のヒロイン状態になってしまうのだ。夫とのちょっとした口論では、必ずキレて大声で叫ぶ。腰痛のひどいある日、「ああ、こんな痛みが予定日まで続くなんて、もういや。私ってかわいそうすぎる」と思うと涙が出てきて、夫に「私の苦しみなんて分かってくれない!」と突然文句を言い出したこともあった。こういった事はたいていの妊婦なら経験があるのでは?と思うが、これは”What to Expect When You Are Expecting.”というアメリカのいわば妊娠本のスタンダード本パロディ版”What to Expect When Your Wife is Expanding”の中に詳しく載っている。この本はあくまでも冗談だけれど。暇つぶしには面白い本だ。


ここまで書くと、なんだか大変そうと思われるかもしれないが、実は私は妊婦として極上の幸せを感じている。赤ちゃんの事を考えると顔が緩んでにやにやし、ぽかぽかした気分になるのだ。さんざん文句を言った後で何だが、愛する夫と私のCo-Creation(共同創造物)が私の中に息づいているという感覚は、なんとも言えない。私と夫は、赤ちゃんがこの世に出てくるまで赤ちゃんのことを考えない日はなく、毎日幸せを感じている。こういった気分になるのも妊娠ホルモンのなせる技であるとどこかで読んだ。

あと数週間で予定日を迎える。早く会いたくて仕方がない(もちろん未熟児は困るけれど)。安産に向け、少々オタク気味に妊娠本に書いてあることを実行して準備して来たが、果たしてどこまで効き目があるのだろうか。最近では、お産は長い人生の中ではたった一瞬のことだから、少々難産でもその後の子どもの長い人生に良い影響を与える準備をしていくことの方が大切だと思い直し、赤ちゃんが出てくるまでの間に私ができることは何か考えている。

執筆者プロフィール: 日本での長い独身貴族生活の後、軽い息抜きのつもりでやってきたシアトルで思いもよらず今の夫と出会い結婚。2002年初夏に初めての妊娠が判明し、人生が180度転換してしまった。2003年に長女を出産し、2005年には次女を出産。子育ての毎日は初めてのことばかりで、心配したり悩んだり喜んだりと実に賑やかな(?)生活を送っている。

Back Number
2008年
第61回 言語のはなし 続き
第60回 子供とアクティビティ
第59回 アメリカ人が甘いもの好きな訳?
第58回 逆カルチャーショック
第57回 学校選び
第56回 バケーション

2007年
第55回 言語のはなし 第49回 夏休み
第54回 風邪に悩まされた10月 第48回 おもちゃと遊び
第53回 ほめられるのが嫌いな子 第47回 トイレ・トレーニング完了
第52回 日焼け対策 第46回 姉妹の関係
第51回 ファミリー・キャンプ 第45回 子供の味覚
第50回 プリンセスとウルトラマン 第44回 2006年を振り返って

2006年
第43回 お誕生日パーティ 第38回 子供の感受性(2)
第42回 プリスクール 第37回 子供の感受性(1)
第41回 砂場デビュー 第36回 自分でさせる教育
第40回 殻を破り始めた娘 第35回 ベビーシッター
第39回 スクラップブッキング

2005年
第34回 日本のお風呂に開眼 第28回 しつけ
第33回 子供2人連れ、飛行機の旅 第27回 卒乳(Weaning)
第32回 歌を歌おう 第26回 2度目の出産
第31回 トイレ・トレーニング(Toilet training) 第25回 2人目対策
第30回 引越し 第24回 おもちゃ
第29回 ルーティーン(Routine)

2004年以前
第23回 母親のストレス解消法 第11回 手ごたえあり?の娘との2人旅
第22回 ハロウィーン 第10回 初めての病気
第21回 妊娠中の授乳 第9回 離乳食を始めた
第20回 グランパとグランマ 第8回 初めての飛行機の旅
第19回 ベビー・サインと言葉の発達 第7回 快適育児生活
第18回 日本 vs アメリカ お風呂の入れ方 第6回 「ベビー・・・」
第17回 絵本を読もう 第5回 次の試練 「睡眠不足」
第16回 ベビーとの外食 第4回 最初の試練 「授乳」
第15回 トドラー食 第3回 ついにその日が来た
第14回 あっという間の1年 第2回 妊娠はつらいけれど幸せ
第13回 帰省 第1回 妊娠の日米比較
第12回 動き出した!


注)当ページに記載されている内容は個人の一意見です。この情報に基づいて行動した結果なんらかの損害が発生した場合においても、執筆者およびジャングルシティは一切責任を負いません。記載された情報を活用される場合は、あらかじめ専門家に照会するなど必要な確認を行った上、ご自分の責任で判断していただきますようお願い申し上げます。
   
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