|
第19回
: 防災の日
日本では、9月1日は「防災の日」。大正12年のこの日に起きた関東大震災の教訓を忘れないためにと、昭和35年に制定されたそうです。死者10万人とも14万人ともいわれるこの大規模な震災は、ちょうど正午頃に起こったため、多くの家庭で昼食準備に火を使っており、火災での被害もとても大きかったと言われています。
火災といえば、私はシアトル郊外の60軒からなる小さなコミュニティに住んでいるのですが、実は先日、このコミュニティ内で火事がありました。うちから7軒ほど先で、なんと3軒に延焼、その夜のテレビでもトップニュースとなっていました。
幸いなことにけが人等はなかったのですが、ちょうど家にいた私と子供たちは、その一部始終を目撃することに。外が騒がしいな、と思っていたら、近所の人が戸をパンパン叩き、「火事よ!」。玄関から一歩出ると黒煙と炎があがっており、家の前の消火栓に消防士さんがホースをつないでいる所でした。火元の家には英語の話せない祖父母と身体障害者の子供がいるので皆で心配しましたが、全員無事脱出。その祖父母は、火が上がっている家の中に物を取りに入ろうとして近所の人に止められていました。
結局その火事は、3アラーム・ファイアーといって、3つのステーションから消防車が出動するという大きな規模の火事になってしまいましたが、その大きな原因は雨が降らず乾燥していた天気と、たまたまその夕方に吹いていた風、隣の家と近いこと。でも、もっとも大きな原因は「シェイク・ルーフ」でした。
シェイクとよばれる屋根は杉の木で作られており、高級感があるのか、家の価値を上げるといわれています。ですが素材は「木」。消防士も、「両隣の家は、シェイク・ルーフじゃなければ燃え移ってなかった」と断言しました。近年はコンクリートなど他の素材の屋根でも見た目がとても良いものが出ているので(それに加え防災素材でもある)、近隣でも自治会でシェイクのみしか認められていなかったのを、他の素材でも認める動きが出ていました。うちの自治会でもそれにならうべく、昨年から決まりを変える動きを取っていたのですが、皮肉なことに半年前、一部の住民が「シェイク・ルーフの方が家と近所の価値を上げることができる!」と言ったため、住民の手で変更が却下されたのです。。火事から数週間ですが、臨時ミーティングが開かれ、当然のことながら他の素材の屋根が認められることになりました。
というわけで、2軒の家はほぼ全焼で総建て替え、3軒目の家は屋根と2階とサイディングの被害でしたが、火元以外は留守だったこともあり、けが人等はなかったのが不幸中の幸い。でも、これを機に防災について考えることができました。学校で防災訓練や避難訓練などをした記憶がありますが、それは子供には「うざったい」ものでしかなく、「めんどくさいな〜」という感じで校庭に集まっていましたよね。でも大人になった今、特に大きな火事を目の当たりにした今では、子供と一緒に避難訓練をする必要性を強く感じました。
ぜひ皆さんも、ご家庭でもう一度、あらゆる想定のもとで避難訓練をしてください。もちろん、子供と一緒に話をしながらです。火元が1階のときはどうするか。玄関から外に出れないときはどうするか。また、2階建ての家やアパートの上階に住んでいる場合は、子供部屋の窓から外への脱出方法も点検してください。子供でも使える、窓に取り付けるはしごも売っているので、我が家では購入の検討をしています。もちろん、火を使わないこと、ロウソクはさわらないこと、暖炉のそばに物を置かないことなど、子供たちときちんと話し合い、理解させることが必要です。
シアトル近辺では、ニューオリンズで大被害をもたらしたようなハリケーンや台風はありませんが、それ以外の自然災害(地震や火山の噴火?)は起こりうる可能性があるのです。ご家庭でも、すぐに持ち出せるように非常用袋を用意して、水、非常食などをまとめておくようにしましょう。こういったことは、先日まで実感としてなかなかわかなかったのですが、今は身近なこととして、とっても重要なことだと思っています。皆さんもぜひ一度、ご確認を。
(2005年9月)
|