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第17回
: パワーレンジャーを肯定する
昔、先輩ママが「男の子はね、乗り物系とヒーロー系に分かれるのよ」と教えてくれたことがありました。就学前の男の子が夢中になるものはたくさんありますが、トミカの車が大好きだったり、電車が大好きで難しい漢字の駅名が読めるようになったり、飛行機を見ただけでどの機種かわかったりと乗り物系が大好きになる・・・か、もしくは1日中
"戦いごっこ" ばかりしていたり、ウルトラマンの怪獣の名前をたくさん知っていたり、写真を撮ったら全部「シュワッチ!」のポーズだったり、なんせ戦隊系に夢中になっている。そんな風に、だいたい大まかに2グループに分かれる、とその先輩ママは言うのです。
それなら、ウルトラマンの怪獣の名前を覚えるよりも飛行機の機種を当てるほうが親としては誇らしいし、"戦いごっこ"
ばかりやってるよりは電車名鑑を静かに読んでいるほうがなんだか理想的ですよね?私も息子が赤ちゃんの時、「よし、うちの子は絶対乗り物系!」と勝手に決めつけていたのです。
私の周りでは、アメリカ人に多いような気がするのですが、『パワーレンジャー』 を「悪」だと決めつけている親がたくさんいます。「戦隊系のテレビは絶対に見せない」「不要なバイオレンスだ」「銃をバンバン撃つし、人が傷つけられるし、教育によくない」と。私もそう信じていました。男の子ができても、家では絶対にそれ系のテレビは見せないし、鉄砲のおもちゃなんて絶対に与えない!と。
2歳の頃は、順調でした。トミカにハマり、外を走る車の名前をどんどん言えるようになって、これはすごい!うちの子はインテリ乗り物系!と思っていました。が・・・転機は3歳で訪れてしまいました。いったいどこで覚えてきたのか、ウルトラマンにはまってしまったのです。
それを聞きつけたおばあちゃんは、もういてもたってもいられない。ことあるごとに怪獣の人形や変身グッズやビデオを送ってきます。やっぱり、当時の写真は全て「シュワッチ」。それでも、大人には覚えきれないようなカタカナのなが〜い怪獣の名前を覚えては、親を驚かせてくれていました。
しかし、ウルトラマンはあっさりと1年で終わり、そのあとついに 『レンジャーシリーズ』 にハマりました。私が幼かったころは
『ゴレンジャー』 でしたが、去年のテレビ放映は 『デカレンジャー』 今は 『マジレンジャー』。日本に帰省中、おばあちゃんに変身スーツまで買ってもらい(もう私は声も出なかった・・・)、すっかりなりきり状態。下の娘まで、「デカピンク!」とはまってしまい、ついに昨夏は念願のデカレンジャー・ショーまで行き、一緒に写真まで撮ってもらいました。
当初の私の理想とは大きくかけ離れた息子(と娘)のハマりぶり。何が、そんなにまで日本中の(そしてアメリカでも)子供たちを魅了してしまうのでしょうか?考えてみたのですが、実は私も幼い頃、ゴレンジャーが好きで、スーパーにきたモモレンジャーを見に行った記憶があります。アオレンジャーのお兄さんがかっこいい!と雑誌を切り抜いていたのも覚えています(ちなみに、アオレンジャーのお兄さんは、仮面ライダーV3と同じ、宮内洋という俳優さんなんですよ〜!)。
アメリカのパワーレンジャーのテレビは観たことがないのですが、日本でみた 『デカレンジャー』
は、特にバイオレンス!などとは感じませんでした。悪者がいて、それをデカレンジャーがやっつける。本当にそれが基本なのです。それを明確に伝えてくれる、悪者は征伐される、というメッセージがちゃんとあります。キャラクターにそれぞれ個性があって、幼い子が親しみを持てるというのもあるかもしれません。それと特に男の子は、強いものに憧れる傾向があって、「強く、かっこよくなりたい!」と思っています。デカレンジャーになりきることによって、それを疑似体験しているんでしょうか。
私の心配もよそに、6歳半になる息子は、2年ほどに及ぶレンジャー狂いを卒業しつつあります。自然と、他のことに興味が行くようになってきたのです。だから、これも子供の成長の過程、そう思えるようになりました。無理に取り上げなくてよかったな、と。「あんなテレビを見せたら子供が暴力的になる」といったアメリカ人の友達にも、自信を持って言えます。「親がきちんと見守っていれば、ちゃんと自分で卒業していってくれるから、何も心配は要らないよ」と。このレンジャーシリーズも、日本の文化の立派な一部ですからね!(笑)
(2005年6月)
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