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■ ラ・レーチェ・リーグ - イーストサイド・ジャパニーズ
「母親から、母親へ」。そんな独特の支援方法で、母乳で子育てをしたいと願う母親たちをサポートしているボランティア団体、ラ・レーチェ・リーグ。1956年にアメリカで発足し、現在では世界65ヵ国に3,000以上のグループが存在しています。その1つであるワシントン州ベルビュー市にある
『ラ・レーチェ・リーグ - イーストサイド・ジャパニーズ』 は、全米初の日本語で活動するラ・レーチェ・リーグのグループ。同市在住の光岡いずみさんが1992年に発足させ、現在も母親たちのサポートを活発に展開しています。
光岡さんがご主人の仕事に同行して日本からロサンゼルスに移住したのは1981年のこと。長女を出産した病院で紹介されたのが、ラ・レーチェ・リーグと出会ったきっかけだそうです。最初は英語もよくわからず、ミーティングで話されている内容も少ししか理解できなかったそうですが、「英語の勉強に」と、ミーティングにもできるだけ参加。しかし、1987年は長男の出産、その前日の生母の他界、2歳になった長女の弟への嫉妬に振り回される毎日が続き、無力感、孤独感、そして2人の子供を同じようにかわいいと思えない自己嫌悪に苦しみ、新生児の世話で肉体的疲労もピークに達していたそうです。「そんな時、"母親が下の子供の方をかわいいと思うのは、弱いほうを守ろうとする生き物の本能なのよ"
と、ラ・レーチェ・リーグのリーダーが言ったことが、それまで感じていた重圧から私を解放してくれたような気がします」と、光岡さん。そうすると子育てを楽しいと思える余裕も出てきて、周りで自分と同じように悩んでいる母親たちの助けになれないかと思うようになり、日本人の友達と
『LA 母乳の会』 を結成し、毎月井戸端会議のようなことも始めました。
そんなある日、ラ・レーチェ・リーグのリーダーになってみないかと勧められ、光岡さんは新たな挑戦を試みます。ラ・レーチェ・リーグのリーダーとして活動する条件は、本部が定めるトレーニングを受けて認定され、本人も母乳育児を経験していること。さらに、リーダーになれば、母親たちからの相談に対する個人的な対応、ミーティングの開催に情報提供、ミーティングの報告書の作成・提出、非営利団体としての活動に必要な会計報告書の作成という仕事があり、そして時にはリーダーの養成に協力することも求められます。これらは全て無償のボランティア活動として行われ、ラ・レーチェ・リーグのベースとなる理念である「Families
First:家族を最優先すること」を実践するのは言うまでもありません。リーダーになることを決心した光岡さんは、まだ長女が5歳、長男が3歳だった1989年から、このトレーニングに参加し、2年がかりで終了。「トレーニングに2年もかかったのは、子育てと家庭生活を優先させた結果ですね」と、笑いながら当時を振り返ります。
リーダーとして認定を受けた直後、再びご主人の仕事の関係でベルビュー市に引っ越すことになり、ここでラ・リーチェ・リーグでは全米初の日本語グループをスタート。最初は光岡さんの自宅で行われていたミーティングも、レドモンド市のグループ・ヘルス病院の会議室などを使うようになり、先月からはベルビュー市のオーバーレイク病院にある教室を借りて行っています。「ミーティングは講義のようなものではありません。みんなで輪になって座って、赤ちゃんにおっぱいをあげたり、あやしながら、お母さん同士で体験談を語り合ったり、知恵を出し合ったりしています。私は、ミーティングをスムーズに進め、お母さん達が安心して語り合えるようにするための司会進行役ですね」と光岡さん。「夕食を作っているときに赤ちゃんをどうしていますか」「レストランで赤ちゃんに授乳しても大丈夫でしょうか」といった質問に、他の母親たちが経験談を語り、それぞれを比べてみたりします。回答の出にくい医学的な疑問や悩みが出てきた場合は、リーダーを介して専門家に問い合わせることもできる組織的なバックアップもあるそうです。「ミーティングに来れば、みんな同じように悩んでいるんだ、それぞれ違いはあるけどそれでいいんだ、ということを発見して安心するようです」。
リーダーになってからこれまで16年間、毎月必ずミーティングを開催し、延べ1,200人も母親たちをサポートしてきた光岡さん。2005年には高校の最終学年を迎えた長男の学校行事などのサポートで忙しくなり、リーダーを引退しようかと考えたそうですが、翌年、日本で行われたラ・レーチェ・リーグのエリア・カンファレンスにゲスト・スピーカーとして招かれたりして、活動を続けることを決意。その努力のかいあって、昨年は15年勤続リーダーとして表彰されたそうです。大学生の子供持つ母親となった今でも、「母乳育児で培われた子育てに対する姿勢」は光岡さんの中でしっかり脈打っているとのこと。「母乳育児ってすばらしい」。その思いはこれからもたくさんのお母さんに受け継がれていくでしょう。
ミーティングへの参加は無料。母乳育児や子育てに関する日本語の図書の貸し出しもあり。詳細はこちら。
光岡いずみさん略歴:
東京大学理学部卒。ベルビュー学区で日本語クラスの非常勤教員、シアトル日本語補習校中高部理科教諭。1年間かけて押尾祥子先生と一緒に日本語に翻訳してきたジャック・ニューマン著
『The Ultimate Breastfeeding Book of Answers』(邦題未定)も完成間近。
(掲載: 2008年4月11日)
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