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東日本大震災から1年 – 追悼・復興支援イベントに参加者多数

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東日本の広範囲に被害をもたらした東日本大震災から丸一年を迎えた11日、シアトルの日系団体や企業による共同プロジェクト 『Seattle Japan Relief』 と在シアトル日本国総領事館が、追悼・復興支援イベント 『 A Day of Remembrance, A Day of Preparedness, A Day of Rebuilding』 をシアトル・センターで開催した。

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オープニングを飾ったのは、シアトルの琴グループ 『Koto No Wa』 の演奏と、シアトル在住のソプラノ歌手・田形ふみさんによる独唱。田形さんは映画 『千と千尋の神隠し』 の主題歌 『いつも何度でも』 を日本語で、『千の風になって』 を英語と日本語で歌い、多数の出席者を魅了した。

続いて、震災直後から被災地で復興活動に取り組んでいる NGO 団体ピース・ウィンズ・アメリカと YMCA シアトル支部がプレゼンテーションを実施。ピース・ウィンズ・アメリカのチャック・アネンソン代表は、「震災が起こる前から姉妹団体であるピース・ウィンズ・ジャパンとはハイチ地震やスマトラ島沖地震などで共に活動してきたので、被災地ではその経験とパートナーシップを生かして迅速な対応ができた」と語り、被災地域の基幹産業である漁業や、政府の支援が行き届きにくい中小企業の再建に特に力を入れていると報告した。また YMCA シアトル支部からは、昨年10月に2週間にわたって東北で活動した3人のボランティアが体験談や活動内容を発表。継続的なボランティアの必要性を訴え、参加を呼びかけた。その後、2006年のヒット作 『フラガール』 のモデルにもなった、福島県の大型レジャー施設スパリゾートハワイアンに所属するフラダンス・チームの震災後の活動を追ったドキュメンタリー映画 『がんばっぺ フラガール』 が特別上映され、ほぼ満席の大盛況となった。

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災害対策について見直すことも今回のイベントの目的の一つ。家族や地域で災害に備えるためのさまざまなプログラムが組まれ、専門家らが市民の防災意識の向上に働きかけた。家庭での防災についてプレゼンテーションを行ったシアトル市防災対策室の災害対策訓練スペシャリスト、デビー・ゴーツさんは、”Beneath, Beside, Between(下、横、間)” の三原則を提唱。「地震の発生を防ぐことは難しくても、地震による被害を抑えることは可能です」と語り、さまざまな状況での避難対策や、非常時におけるリーダーシップの取り方などについて説明した。

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午後2時には 『Kobe Bell』 で追悼式が開催され、関係者や一般人が多数出席。挨拶に立った太田総領事は、『トモダチ作戦(Operation Tomodachi)』 を始めとする米国の迅速な災害援助活動に対して深い感謝の意を示し、日米関係の重要さを改めて強調した。マッギン市長も震災後のシアトルでの募金活動を振り返り、シアトル市民の関心の高さを称賛。東日本大震災が発生した午後2時46分に1分間の黙祷が捧げられた後、『Kobe Bell』 の前には鐘をつく人々で長蛇の列ができた。

追悼式後に開催されたレセプションでは、太田総領事が改めて参加者に感謝を述べ、ニューヨーク日本商工会議所が昨年制作した被災地復興に関する短編フィルムを上映。会場には旅行会社や日系企業のブースが並び、関係者に復興援助をアピールした。

1年という一つの区切りを迎えた今、引き続き犠牲者の冥福や被災地の復興を祈るとともに、今後はどういった支援が必要なのかを再確認し、それぞれができることに取り組んでいく必要があると言えるだろう。

>> Seattle Japan Relief 公式サイト

掲載: 2012年3月12日

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