ワシントン大学では私と同僚とその他の人々との共同研究で、網膜という神経細胞を体外に出しても長期的に維持できるという基本技術を幸運にも発見することができ、その技術をもとにこのベンチャーをスタートすることになりました。さまざまな専門家からなる学際的なチームを必要とする薬剤開発は、大学の研究者として遂行することは難しいと考えたからです。会社を設立するためには大学を辞めなければなりませんから、最初の社員は私だけで自宅の地下室で始めました。後に、ワシントン大学の MBA コースにいた人もビジネスを手伝うということで参加してくれました。いろいろな友人・知人と相談しながら、起業することを学びつつやってきたという感じですね。幸い、シアトル自体の環境にしても、弁護士の方にしても、新しい会社を設立していく、特に科学の分野でやっていくという人には協力的でした。シアトルの環境の良さのひとつかもしれません。会社を設立した頃から考えると、今のように約30人の社員と、既に臨床試験の現場で我々の開発した薬を飲んでいる方がおられるというところまで来られるとは思ってもいませんでした。いろいろな人の協力があって、予想以上のスピードで成果が出せていると思います。