4人の振付家による4作品を上演する。
演目:
Sum Stravinsky
2008年に 『M-Pulse』 を発表した、同バレエ団のソリスト、キヨン・ゲインズの第2作。
Kammermusik No. 3
国際的な振付家マーク・モリスが同バレエ団のメインステージでの上演に向けて振付けた最初の作品。モリスは1978年に同バレエ団の 『Summer Inventions』 に向けて、ベートーヴェンの楽曲を使った 『Brummagem』 を発表している。
arms that work
同バレエ団のコールドバレエ、アンドリュー・バーテーによる作品。
Lost in Light
同バレエ団のコールドバレエ、マーガレット・マリンによる作品。
【公演日程】 2012年11月2日(金)〜2012年11月11日(日)
【鑑賞してきました!】
今シーズンで最も冒険的でチャレンジが多いのではと考えられるのが、この世界初演作品を4本も同日に上演するという 『All Premiere』。国際的に有名な振付家マーク・モリスの作品を除く3作品の振付は同バレエ団のダンサーが手がけたものだが、事前に知らされる情報も少なく、当日の舞台に期待が高まった。
結果から言うと、この公演は大成功を収めた。4作品はどれも個性的で、まったく異なる世界観が展開され、上演後に舞台に登場した振付家には大きな拍手が送られた。最初の上演作品は同バレエ団コールドバレエの一員でワシントン州出身のアンドリュー・バーティーによる 『Arms That Works』。ローラーコースターのレールを横から見るような舞台セットを中心に、日本人プリンシパルの中村かおりを含むダンサーが薄茶のアジア風にも見える衣装をまとい、研ぎ澄まされた両腕を強調した動きを力強くしなやかに展開する。金属でできているように見えるこのセットの柵のような部分は実は伸縮性のある太いゴムでできているが、それと同じような伸縮性を蓄えたダンサーたちが何重もの層のように静かに動いてく様は、不思議な世界を覗き見しているようだ。音楽は、この作品に出演したジェシカ・アンスパッチの兄バレット・アンスパッチによるもの。2番目の作品は、これまた同バレエ団コールドバレエの一員のマーガレット・マリンによる 『Lost in Light』。親しい人を亡くしながらも、新たな幸せを見つけだして生きていく様子を描く。スポットライトを部分的にあてただけの暗い舞台で、ダンサーたちが希望の光のように感じさせる。3番目の作品は、同バレエ団がコミッションして制作された、マーク・モリスによる 『Kammermusik No. 3』。ドイツ人作曲家パウル・ヒンデミットのチェロ協奏曲 『Kammermusik No. 3, Op. 36, No. 2』 の力強い調べとダンサーの動きがぴったりとあわさった作品で、色使いも美しい。最後は、同バレエ団のソリストでメリーランド州出身のキヨン・ゲインズによる 『Sum Stravinsky』。目が覚めるような美しいバランシンの青をあしらった衣装のダンサーたちが、すがすがしくダイナミックな踊りを見せる。ここまでの3作品ではチュチュは使われていなかったからか、余計に新鮮さが感じられ、ダンサーたちが幸せそうに笑顔いっぱいで踊る様子に、場内が温かい雰囲気で満たされたようだった。 |
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振付家マーク・モリス Photo © Angela Sterling

Pacific Northwest Ballet principal dancer Kaori Nakamura and soloist James Moore in Andrew Bartee's arms that work, presented as part of ALL PREMIERE, November 2 - 11, 2012.
Photo © Angela Sterling

Pacific Northwest Ballet principal dancers Lesley Rausch and Batkhurel Bold in Kiyon Gaines's Sum Stravinsky, presented as part of ALL PREMIERE, November 2 - 11, 2012.
Photo © Angela Sterling |