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ユニークな活動をする非営利団体: Real Change
 

新聞の発行・販売を通じて低所得者の経済的自立を支える
路上で新聞を手売りしている人の姿を見かけたことがあるだろうか。彼らが販売しているのが、非営利団体 『リアル・チェンジ』 が発行している同名のストリート・ペーパーだ。1994年の設立以来、主にシアトル市内に住む低所得者の経済的自立を支え、彼らの声を伝達し、地域のホームレス問題や貧困問題の解決を目指して活動している。

シアトルを選んだ理由
団体を立ち上げたのは、もともとボストンでストリート新聞を発行していたティム・ハリスさん。設立当時から役員として運営に関わり、紙上でコラムの執筆も担当しているウェス・ブローニングさんは、「ティムがボストンの次にシアトルを選んだのは、ホームレス人口が多かったからというわけではない。"全米で最も教養のある都市" に選ばれているシアトルの環境がボストンと似ていたからだ」と語る。

新聞の役割
同紙が読者層に想定しているのは、社会問題に関心を持つ人々。問題意識を呼び起こすことを狙いに、ワシントン州内の労働問題や人権問題、ホームレス問題を独自の視点で取材するほか、社会問題の解決に取り組んでいる人びとの紹介などを行っている。また、地元出身作家の著書のレビューやイベント情報を掲載するなど、地域に密接した内容も充実させている。

そしてこの新聞を街角で販売するのが、元ホームレスや失業者、 障害があったり精神病を患っているために定職に就けない人々だ。彼らは毎週水曜に発行される新聞を1部35セントで購入し、1ドルで売って生計を立てている。現在の販売員の数は392人。近年の失業率増加にともなって販売員の数も年々増えており、昨年夏には過去最多となる420人を記録した。販売員を管理するベンダー・サービス・ディレクターのタラ・モスさんは、「数年前まで250人程度だったが、ここ数年は大幅に増えている」と語る。

販売員にまつわる問題
低収入の生活を余儀なくされる人々は、必ずしも怠けていたり、麻薬やアルコールに溺れていたりするわけではない。自然災害などで突然家や財産を失ってしまった人、DV で家を追い出された人、不慮の事故に巻き込まれて仕事ができなくなってしまった人など、販売員たちの背景にはそれぞれさまざまな事情がある。それにも関わらず、「汚い」「怖い」などの理由で差別を受けたり、意味もなく逮捕をされたりする人も多いという。これらの販売員たちの人権を守るために、同団体は 『R-COP(Real Change Organizing Project)』 を立ち上げて "No New Jail Campaign" を展開し、法改正を求める運動も実施。また、販売員に対する偏見をなくすため、紙面上でも “Vendor Of The Week" というコーナーを設けて販売員たちのストーリーを紹介している。

設立以来、『リアル・チェンジ』 の認知度は上がっているが、「それでもまだ理解し、協力してくれるコミュニティの数は十分とは言えない」とタラさんは語る。販売員が多い地区は、ダウンタウン、キャピトル・ヒル、ウォーリング・フォード、バラード、レイク・シティなど。インターナショナル・ディストリクトやコロンビア・シティ、ビーコン・ヒルなどはまだ販売員の数が少なく、販売員たちを受け入れる環境も完全には整っていないという。「今後もコミュニティの理解を求めることが課題。たとえば販売員がスーパーマーケットの前で新聞を売る場合、その店のマネジャーあるいはオーナーに納得してもらうことはもちろん、店の利用客にも理解してもらわなければならない」と、タラさんは語る。

『SKCCH(Seattle/King County Coalition on Homelessness)』 と 『Operation Nightwatch』 が主催してキング郡内のホームレスを数える年1度の調査 『One Night Count』 によると、キング郡内のホームレス人口は2009年に過去最高の2,827人を記録している。『リアル・チェンジ』 が必要とされなくなる日を迎えるために、私たち一人ひとりが意識を持って問題解決に取り組んで行くことが必要だろう。

※この記事は2010年2月時点の取材にもとづいています。

Real Change の新聞


タラさん(左)とウェスさん


ベンダー用のパソコンを
置いているスペース


【住所】
2129 2nd Avenue,
Seattle, WA 98121 >> 地図

【公式サイト】
www.realchangenews.org

【Phone】 (206) 441-3247

【営業時間】
月・火・木・金 9am-5pm; 水 9am-6pm; 土 10am-4pm; 日 12pm-2pm

 
 

Fare Start
調理訓練の機会を与え、
低所得者の経済的自立を支える

Fare Start Cafe @ 2000
バリスタ訓練の機会を与え、
青年ホームレスの自立を支援する

iLEAP
社会起業家を育成する

Real Change
新聞の発行・販売を通じて
低所得者の経済的自立を支える

Neighborhood Farmers Market Alliance
小規模農家の支援と
一般市民の食育がミッション

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