16歳〜23歳のホームレスを対象に、バリスタ訓練の機会を与えて経済的自立を支援する 『フェアスタート・カフェ@2100』 。レストランで調理訓練の機会を与えて経済的自立を支える非営利団体 『フェアスタート』 と、青年ホームレスの生活をサポートするシアトルの非営利団体 『ユース・ケア』 が共同で運営している。

『ユース・ケア』 は、米国西海岸初の青年ホームレス支援団体。路上で青年ホームレスのケアを行ったり、生活に必要なものを供給したり、就労訓練や教育を受ける機会を提供したりするなどの活動をしている。その就労訓練の一環として、ユース向けのプログラム実施を 『フェアスタート』と相談し、レーニア・バレーの 『2100ビル』 1階にカフェをオープン。訓練とカフェの運営を 『フェアスタート』 が、訓練生の生活サポートやプログラム終了後のフォロー・アップなどを 『ユース・ケア』 が担当するシステムができあがった。ビルには非営利団体の事務所が多数入居しているため、コミュニティの理解と協力が得られやすく、来店する人も多いという。

プログラムは1グループ8人で行われ、2カ月間でバリスタとしての基本知識や技能のほか、就職や生活に必要な最低限の知識を身につけることを想定している。まずコーヒーについてひと通り学び、コーヒー・マシンを使う練習を行った後、訓練生が2人ずつカフェに入り、トレーナーと共に実際にコーヒーを作るところから接客までを担当。コーヒー豆は、プログラムの趣旨に賛同したスターバックス社から寄付されたものだ。また、サラダやサンドイッチなどの軽食もカフェで調理している。こういったカフェでの実習と平行して行われるワークショップでは、履歴書の書き方や面接の練習などを行い、希望者には訓練後 『ユース・ケア』 がインターンシップを紹介することもあるそうだ。

バリスタ・プログラムとカフェを監督する 『フェアスタート』 のリア・メルツァーさんによると、多くの訓練生はバリスタ経験はもちろん、これまで一度も仕事をした経験がないとのこと。「包丁を握ったことがない人や、人とまともに会話をするのが難しい人も多い。しかし、8週間集中した後は、笑顔も見せなかった子がフレンドリーになったりするなど、多くの訓練生はコンプレックスを乗り越え、見事な成長を見せてくれる。ユースはこれからの世代。ポジティブな方向に導けば、まだまだ新しい可能性は無限に広がっている。彼らが自信を持てるようにサポートしていくのが、地域社会の役目だと思う」。
ホームレスが支援に依存する仕組みを作るのではなく、支援に頼らず自立していくための本質的なサポートを徹底することこそ、社会で本当に求められていることと言えるだろう。これらの仕組みと、それに対する理解が広がっていけば、根本的な問題解決につながっていくかもしれない
※この記事は2010年2月時点の取材にもとづいています。 |

店内の様子

訓練生の作ったコーヒー

入口に FareStart Cafe @2100 の
趣旨を説明したボードが飾ってある
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