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日本の就職システム
 
基本的な就職活動の流れ
日本経済団体連合会(日本経団連)の「大学・大学院新規学卒者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」では、卒業・修了学年に達しない学生に対する選考活動を厳に慎むようにと定められている。就職活動の早期化が学業の妨げ・成績降下につながることも指摘されているため、会社訪問や会社説明会の開始時期を大学4年生・大学院2年生になる4月1日以降とするとしているのだ。しかし、これをすべての企業が遵守しているわけではなく、就職難の時代を見てきた大学生の中には学業よりも就職を優先したいという傾向が見られる。

一般的な大学生の就職活動は、理系学生と文系学生で異なる。理系学生の場合、企業が技術総合職の推薦枠を大学の学科や研究室に提示し、学生がそれに応募する形式が基本だ。理系の需要は高まっているとされるが、以前にも増して即戦力が求められている。

一方、文系学生の場合、就職活動は3年生の秋ごろから本格化し、半年から1年にわたるため、学業と両立する必要がある。



代表的な就職・転職・派遣情報サイト
 リクナビ www.rikunabi.com
 マイナビ job.mynavi.jp/conts/2010/ppre/
 日経ナビ job.nikkei.co.jp
 エン・ジャパン gakusei.enjapan.com

人材紹介会社の比較サイト
 人材バンクネット www.jinzai-bank.net


量より質へ
2006年秋から2007年春にアメリカの教育機関に留学していた日本人学生の数は約3万5千人(IIE: Open Doors 2007)。この数字は日本で就職活動をする大学生の約11分の1弱に過ぎない。日本企業がこの小さな集団から質の高い学生を見つける可能性は当然小さくなるが、国内の採用市場の競争激化や人材の多様化、グローバル化による競争力の維持というチャレンジに直面している日本企業にとって、日本国内の大学生とは異なる学歴・経歴を持つ日本人留学生は魅力のある市場の1つになりつつある。特に新卒採用が圧倒的な売り手市場となったバブル期(1980年後半から1990年代初頭)の大量採用で量より質を優先しなければならないという教訓を学んだ多くの大企業にとって、前述の「量より質」への移行は必至だ。さらにバブル崩壊後に訪れた就職氷河期(1993年から2004年)と超就職氷河期(2000年前後)に採用された新卒者に優れた人材が多いと考える企業は「量より質」への移行を進めている。なお、日本企業は語学学校への留学を “留学経験” と考えておらず、4年制大学・大学院への留学生だけを対象としていることは知っておこう。


売り手市場
ここ数年にわたりメディアをにぎわせている「売り手市場」という言葉。これは1人の学生に2つ以上の求人があることを表現する言葉で、リクルートワークス研究所によると2008年3月卒業予定の大学・大学院生の全国民間求人倍率は2007年の1.89倍から16年ぶりに2倍を超える2.14倍になった。その内訳は、従業員1,000人未満の企業の求人倍率が4.22倍で、千人以上の大企業は0.77倍。つまり、全国民間求人倍率の上昇は中小企業の求人が増えていることによるもので、大企業は相変わらず狭き門というわけだ。

この「売り手市場」にともなって指摘されるのが「学生の二極化」だ。学力向上に取り組み、企業研究や自己分析をきっちり行い、早い時期から就職活動に臨む学生と、どこか適当な学生に分かれるということだが、後者は「売り手市場」という言葉に踊らされて、面接をすっぽかしたり、メールに返事をしないなどマナーのなさも指摘されるようになっている。売り手市場と言っても、誰もが売り手になれるわけではなく、質が悪くても企業に好まれるわけではないのだ。簡単に入社した社員が簡単に辞めることが大きな損失となる企業にとってみれば、「わざわざハードルを低くしてまでも、数を揃える必要はない」ということなのである。


インターンシップ
企業にとっては良い人材の発見、求職者にとっては経験となるインターンシップはアメリカでは一般的に行われているが、日本でもインターンシップと呼ばれるプログラムを実施する企業が増えてきた。メーカーのみならず、コンサルティングや金融業界で需要が急激に高まっている理系学生は取り合いの状態で、1ヶ月などの長期にわたり現場で実務経験を積むものが多い。一方、文系では現場を見ずに1日・2日にわたり企業説明会に近いプログラムを行うなどさまざまな形態がある。


日本では新卒の波に乗って就職する方が楽
アメリカでは新卒(newly graduate)という言葉はあっても、新卒の大学生がある時期に一斉に就職活動を始めて、一定の時期に一斉に入社するというシステムはない。「必要な時に必要な人材を」というシステムのアメリカでは、在学中にインターンシップを始めてパートタイムから正社員になる人や、在学中に就職活動をして卒業後に正社員として働き始める人もいれば、旅行を楽しんでから就職活動をする人などさまざまだ。一方、日本では中途採用が増えてきたとは言え、新卒の場合は4月入社が基本。新人研修を行うにも、一斉にやる方が企業にとっても楽なのだ。ある大手都市銀行の採用担当者は留学生について、「留学生でも3年生を面接したい。4年生になった時点で就職を決めてない人は優秀ではない。また、OPT をした学生よりも、他社に就職した経験のない、真っ白な学生がほしい」と言う。そういった状況を最も反映しているのが、1年だけの交換留学だろう。3年生の春に留学し、翌年の6月に日本に戻ってみると、同級生たちは就職活動も真っ只中。つまり、最初から出遅れていることになり、そこからあわてて就職活動をするよりも、1年留年して新卒として就職活動をする方が楽な状況となっている。


企業の留学生に対する懸念
外国生活を経験した留学生に対し、企業側は期待も大きい一方で、「外国にこだわりすぎるのではないか」「英語を使わない労働環境で大丈夫か」「すぐに辞めてしまうのではないか」「日本語は大丈夫か」「英語は学生レベルか」といった懸念を抱くという。中小企業とは異なり、大企業になれば外国への出張や駐在には5〜10年かかることもざらで、「外国経験者だからすぐに外国に出られる」ということはほとんどない。また、英語学校の授業料を出すなど社員の英語教育に取り組んでいるところもあり、英語と外国に慣れていても業績がまずまずの留学経験者と、英語と外国慣れはまずまずでも業績の良い日本の大学卒業生であれば、後者が選ばれる方が自然な場合がある。ある就職コンサルタントは、「今の駐在員は、英語ができるから、海外に慣れているから来るというのではなく、仕事において優秀だから来るのです。外国の語学力はあくまでもツール。まずは仕事の能力です」と言う。また、外国生活の間に日本語をおろそかにし、社内の日本人とのコミュニケーションの方が心配されることもある。日本語は留学する前のレベルよりも上達させ、英語も学生レベルにとどまらないよう努力しよう。


日本人留学生が日本で就職する場合の対策
日本国内の大学生は、在学中に多くて100社ぐらいに就職情報サイトを通じてエントリーし(企業に受験の意思を示すこと)、30社ぐらいの説明会に行き、入社試験を受けたりするとされている。後輩が先輩を訪ねる OB 訪問もあれば、若手社員が卒業大学の後輩に社外で非公式な面接を行うリクルーター制も復活しており、就職活動講座も開催され、就職活動中の学生が助け合う就職活動サークル(就活サークル)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)で情報交換もなされる。しかし、日本国内にいない日本人留学生には頻繁に説明会や就活サークルに出向くような就職活動は基本的に困難であり、日本の大学に行っていないので OB 訪問もリクルーターとの面会もできない。SNS でも日本の大学生とは状況が違う。こだわる留学生は春学期を休学してまでも就職活動を行うが、たいていの留学生は学校の休みごとに日本に帰国して就職活動を行う傾向がある。ある就職コンサルタントは、就職を結婚に例える。「100人とお見合いしても、結婚するのは1人。「数撃ちゃ当たる」というものではないですよ。自分がどういう人間で、自分がどういう相手を好み、一緒に何をしたいのか。そういうことがある程度わかっていてこそ、成功するのではないでしょうか。作業は留学していても自分で考え、インターネットの発達した今なら会社のことを調べることもできます」。現在は留学生が短期間で多くの企業に会えるよう、留学生の採用を年頭に置いた企業が参加するジョブフェアも各地で開催されている。日本の大学生と同じ土俵に上がろうとするのではなく、留学生の土俵に上がる機会を逃さないようにし、留学生なりにできることをしていこう。
 
 

日本の就職システム
一斉に就職活動を始め、一斉に入社する
独特のシステム

アメリカでの就職
「必要な時に必要な人材を」
あくまで個人ベースのシステム
日本人留学生の就職状況の変遷
DISCO International, Inc.
College Marketing 担当 横田梢氏

アメリカの移民法
アメリカで外国人として働くには
移民法の基礎知識が必要

日本人留学生の就職状況
Microsoft Corporation
日本戦略オフィス所長 藤原正敬氏
アメリカ国内のジョブ・フェア
シアトル・ボストン・ニューヨーク・
ロサンゼルスのジョブ・フェアをチェック
1年の留学後に日本で就職・1
飲料品メーカー 吉井晶子さん
米国中西部・南部の就職状況
Creo Consulting
就職コンサルタント 永岡卓氏
1年の留学後に日本で再就職・2
電機メーカー 松浦みかさん
米国北西部の就職状況
Nisso America, Inc.
副ディレクター 浜崎日菜子氏
1年の留学後に日本で再就職・3
ライセンス・エージェンシー 草野真樹さん
大学院卒業後にアメリカで就職
Calpis USA 中川勝城さん
日本人留学生へのアドバイス
ワシントン州認定ソーシャル・ワーカー 角谷紀誉子先生
 
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