| 10月31日にハロウィーンの騒ぎが終わると、町は一斉にサンクスギビング(感謝祭:Thanksgiving)に向けて動き出す。11月の第4木曜日にあたるこのサンクスギビングの約1ヵ月後にはアメリカ最大のお祝いであるクリスマスが控えており、サンクスギビングからアメリカのホリデー・シーズンが盛り上がっていく。この日は政府機関・企業・学校などが休みとなり、故郷を離れて暮らす人々の帰省ラッシュで道路も空港も混雑する。 |

サンクスギビングは、イギリスから大西洋を渡ってマサチューセッツ州プリマス植民地(Plymouth Colony)に移住したピルグリム・ファーザーズ(清教徒)の最初の収穫を記念するものと一般的に考えられている。1620年にプリマスに到着した104人のピルグリムのうち、約半数が飢えと病気で死亡したが、近隣に居住していた北米先住民ワンパノアグ族(Wampanoag)から土地にあった農作物の栽培方法や狩猟方法などを伝授されたおかげで、翌1621年の秋は、とうもろこしや大麦、豆やカボチャなどを収穫することに成功。ピルグリム・ファーザーズたちはワンパノアグ族90人を招待し、3日間にわたり盛大な夕食会を楽しんだという。先住民たちは5頭のシカと七面鳥などを持参し、イギリス人女性たちは「病を防ぐ」というクランベリー・ソースの作り方をワンパノアグ族から教わったとされている。
こうした感謝祭が現在のような国民の祝日となったのはごく最近のこと。植民地時代は町の権力者が、独立後は各大統領が農作物の収穫状況を見て数週間前に日取りを予告していたため、9月や12月に行われることもあったそうで、女性たちは予告を受けてからあわててパイの仕込みを始めたと言われている。1863年にリンカーン大統領が「11月の最終木曜日を感謝祭の休日とする」と宣言したが、第5木曜日がある年は第4・第5木曜の両方を祝う人がいたため、1941年にルーズベルト大統領が改めて「感謝祭は11月の第4木曜」と明言し、立法化された。 |


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感謝祭の朝には、大統領に2羽の七面鳥が贈られる儀式 『National Thanksgiving Turkey Presentation』、その2羽の七面鳥を屠殺される運命から恩赦する
『Turkey Pardon』 という行事がホワイトハウスで行われる。2007年にこの儀式は60回目を迎えるが、その由来は定かではない。一説ではハリー・トルーマンが1947年に七面鳥に恩赦を与えたとされているが、トルーマン図書館ではこれを裏付ける証拠は見つかっていない。また、別の説ではアブラハム・リンカーンが息子テッドのペットだった七面鳥に恩赦を与えたことに由来しているとされる。
2006年にはブッシュ大統領が、ミズーリ州モネット市から贈られた "Flyer" と "Fryer"
という七面鳥に恩赦を与えている。ホワイトハウスでは2003年から公式サイトで恩赦を受ける七面鳥の名前を公募しており、2003年は "Stars"
と "Stripes"、2004年は "Biscuit" と "Gravy"、2005年は
"Marshmallow" と "Yam" が選ばれている。恩赦を受けた七面鳥はカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドに輸送され、恒例の感謝祭パレードで中心的な役割を果たした後、生涯をそこで過ごすことになる。
また、ニューヨーク市の百貨店メイシーズ(Macy's)が1924年から毎年(第2次世界大戦のために1942年から1944年まで中断)開催しているパレード
『Macy's Thanksgiving Day Parade』 も有名。また、通常は日曜と月曜の夜にしか行われない NFL
の試合が3試合が感謝祭の日に開催される。2005年まではダラス・カウボーイズとデトロイト・ライオンズのホームゲーム2試合が行われるのが通例だったが、2006年からはインディアナポリス・コルツ対アトランタ・ファルコンが加わって3試合が開催される。
グリーン・ベイ・パッカーズ対デトロイト・ライオンズ @ デトロイト 東部時間12:30pm
ダラス・カウボーイズ対ニューヨーク・ジェッツ @ ニューヨーク 東部時間4pm
インディアナポリス・コルツ対アトランタ・ファルコンズ @ アトランタ 東部時間8pm
企業によっては感謝祭の翌日も独自に休日を設定して連休にする場合がある。感謝祭の後は米国最大の祝日であるクリスマスまでわずか1ヶ月ほどとなり、クリスマスのプレゼントのためのホリデー商戦が過熱していく。感謝祭からクリスマスまでの約1ヶ月は、小売店の年間の総売上の約半分を占めると言われ、感謝祭翌日の金曜は、このホリデー商戦の初日として小売店が黒字になる傾向にあることから、"Black
Friday" と呼ばれる。
なお、お隣のカナダでも感謝祭を祝うが、祝日になるのは10月第2月曜(アメリカのコロンブス・デー)。カナダの感謝祭も、プリマス植民地での出来事を記念するものと考えられており、独立戦争後にアメリカ合衆国から英領カナダに移住した王党派(ロイヤリスト)が持ち込んだ習慣とされている。 |