
シアトル市内や近郊のレストランには、マッシュルームはもちろん、ベリーやレタスなど食べられる食材を幅広く提供しています。最初は当時の勤務先だったハーブ・ファームでハイキングのついでに見つけたマッシュルームなどを使うようになったことがきっかけでした。そして、サイド・ビジネスとしてファーマーズ・マーケットに出店したところ大きな反響を得てレストランにも食材を卸すようになりました。この道1本で生活することになったのは、2001年です。
シアトルの自宅からだいたい3時間か5時間ぐらいかけて行く山で、早朝から日没まで歩き回ります。たいていは2日から3日にわたって泊りがけで出かけますが、それも天候に左右されますね。例えば気温が高い日は採集した食材が傷みやすいので早く帰宅する必要がありますが、涼しい日は朝から晩まで歩き回ることができます。私が山の中で食材を見つけるのに秘密の方法があるわけではないんですよ。マッシュルームなどの植物は特に周囲にある木と密接な関係がありますから、木のことを理解すればその周囲にある植物を知ることができるというだけです。
私がこういった食べられる植物の中で最も好きなものは、"wood violet"というレタスです。これはとても栄養価が高く、1枚の葉に1日に必要なビタミンCが入っています。また、既に季節は終わってしまいましたが、"stinging
nettles"(イラクサ)はビタミンKや鉄分が豊富なので、おすすめの食材です。
5月から6月はカスケード山脈の東側でたくさんのマッシュルームを見つけることができますが、特に6月に旬を迎えるのはモレル・マッシュルーム。モレルは5月頃から出てきますので、先日は1日で40ポンドから50ポンドも採集することができましたが、旬はこれからです。そして、6月後半に旬を迎えるのはポルチーニ・マッシュルーム。これもとても風味が豊かなマッシュルームで、食材としても幅が広いですね。
現在も、コロンビア・シティ、ユニバーシティ・ディストリクト、ウェスト・シアトル、キャピトル・ヒルのファーマーズ・マーケットに出店しています。新鮮なマッシュルームを購入されたい方は、ぜひ早めにお越しください。人気があるので早くになくなってしまうこともありますからね。
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【経歴】
大学で森林学を学ぶが、シェフとなってベルタウンのブラサ開店時にはペイストリー・シェフに就任。その後、全米に知られるウディンビルのハーブ・ファームでスー・シェフとして勤務していた際、自然の中で見つけることができる食材の栄養価の高さに開眼。今は山を歩いて食材を見つけ、シアトル市内・近郊のレストランやファーマーズ・マーケットで販売する毎日を送っている。 |
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当店では地元産の食材を使う理由は、季節にあわせて料理と食事を楽しみたいので、地元産の食材をできるだけ使うようにしています。
また、当店に近いウッディンビルに農耕地を所有していますので、そこでハーブやラディッシュ、その他の緑黄色野菜を栽培している他、旬のモレル・ポルチーニ・シャンテレルなどのワイルド・マッシュルームは地元のエキスパート、ジェレミー・フェイバー氏から購入しています。
春にはワシントン州東部の町ヤキマで生産されたアスパラガスが有名ですね。旬を考えてメニューに登場したのは数日間だけとなりましたが、その中の1品は、おとし卵にパルミジャーノ・レッジャーノ、白トリュフ・オイルかウニを使った自家製タリアテッレ、フォアグラ、白トリュフと一緒にアスパラガスをいただくものでした。
| Cafe
Juanita で使われている近郊産の食材 (一部) |
| 1) |
野菜と果物:ワシントン州カーネーションのフル・サークル・ファーム |
| 2) |
アスパラガス・トマト・メロン・ペッパー: ワシントン州グランビューの農家 |
| 3) |
牛肉: ワシントン州のカスケード・レンジ・ビーフ |
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当店では、新鮮な旬の食材が揃うファーマーズ・マーケットをよく利用しています。生産者と顔をあわせられるので品質に対する信用が高まりますし、長距離を運搬されてきたものではないことから、自然に新鮮でしゃきっとしていて、味が良いというのも大事です。環境問題を考えると、運搬に使われる燃料が少なければ少ないほどいいわけですから、近郊・州内の農家のものは他州・外国の農家から運ばれてくるものよりも環境により良いということになります。また、温室で育てられた季節外れのものではなく、その季節にあった旬のものですから、「ファーマーズ・マーケットに出回っている時はおいしい時」でもあります。大量生産されたものと比べて値段は少し高めになるかもしれませんが、その食材を作った人たちが汗水たらして一生懸命に働いている姿を見ると納得しますし、スーパーマーケットで陳列されたものやパック詰めのものを買うよりも、食べ物に対するありがたみも増します。そして、生産者と知り合いになったら農場を見せてもらうのもいいですね。誇りを持ってやっている彼らの仕事ぶりを目の当たりにするのは、とても勉強になります。
他におすすめしたいローカルの食材は、やはり海産物。春ならスポット・プラウン(ボタン海老)、ワシントン州とカナダの国境でとれるソッカイ・サーモン、そしてコロンビア・リバーのキング・サーモンがおいしいです。冬にはダンジネス・クラブとオイスター、アサリがおいしいですね。当店で仕入れているオイスターは、ファーマーズ・マーケットで見つけて契約した業者のものです。ワシントン州の冬は、野菜が非常に少ない代わりに、おいしい海産物が楽しめるのが嬉しいですね。
| chiso
で使われている近郊産の食材 (一部) |
| 1) |
春:アスパラガス、竹の子 |
| 2) |
夏:トマト、水菜、グリーン・ビーンズ、かぼちゃ、にんじん、なす、きゅうり、ズッキーニ、レタス類 |
| 3) |
秋: マツタケなどのキノコ類 |
| 4) |
冬: ウィンター・スクウォッシュや芋類 |
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Chiso Restaurant 馳走
3520 Fremont Avenue North
Seattle, WA 98121
Phone: (206) 632-3430
詳細はこちら |
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地元産の食材を可能な限り使用しています。ノースウェストでは1年のうち6ヶ月間にわたり、森の中に生えている野生のマッシュルームを見つけることができます。春にはモレル、夏にはシャンテレル、秋にはマツタケと、当店のメニューには欠かせない食材ですね。当店では春には栄養万点のネトル(イラクサ)を使ったスープをサーブしています。ネトルはノースウェスト各地で見つけられるもの。また、カスケード山脈の森林ではカタバミ(Wood
Sorrel)、スベリヒユ(Spring Beauty)、スミレ(Wood Violet)、マイナーズ・レタス(Minor's Lettuce)といった野生植物を見つけることもできます。
また、アメリカ産神戸牛をアイダホ州のスネーク・リバー・ファームから購入しています。このファームはホルモンや抗生物質を一切投与せず、草を食べさせて、牛を育てているのが、この農場を選んだ理由です。
遠隔地から輸送されてくる食品と比較すると、地元産の食品は鮮度と風味において優れています。国中に食材を輸送するような大手の会社は、風味よりも食材の耐性を考えて食材を生産しています。従って、大手の場合は、長距離を輸送する間に腐ってしまわないよう、野菜はまだ熟していない時期に収穫され、輸送されている間に熟すようなシステムを採用しています。地元産の小規模農家をサポートすることで、入荷できる地元産の食材のバラエティが豊かになることを願っています。
春におすすめできるのは前述のネトル・スープです。ネトルは公園から野原までさまざまな場所に生えている野草なので、マーケットで購入できるかどうかは定かではありません。ギ酸(formic
acid)を含むので触るとヒリヒリしますから、刈り取る時は手袋をはめるようにしてください。このネトルを数分にわたって湯で茹でるとこの酸はなくなり、触ってもヒリヒリしなくなります。そして湯を切って冷水につけた後、水気をしぼりとってからスープにします。
| Nell's
で使われている近郊産の食材 (一部) |
| 1) |
アスパラガス、ビング・チェリー、レーニエ・チェリー、スプリング・オニオン、ピーチ、アプリコット、つるつきトマト:
ワシントン州ヤキマ |
| 2) |
サラダ・グリーン、ハーブ、カブ、ベビー・キャロット、ビーツ:
ワシントン州カーネーション |
| 3) |
マッシュルーム: ワシントン州(地元のエキスパート、ジェレミー・ファイバー氏から購入) |
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Nell's
6804 East Green Lake Way North
Seattle, WA 98115
Phone: (206) 524-4044
詳細はこちら |

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地元産の食材は鮮度が高く、品質も良いのでよく使います。何もしなくても長持ちし、とにかく風味が豊かです。また、地元産の食材を使用することは、地域の活性化にも役立ちます。生産業者の顔が見えるのは地元産の食材ならではでしょう。
ワシントン州東部で生産された酸味果汁(Verjuice)はドレッシングなら酢のように使います。甘酸っぱい味にしたい時はこの酸味果汁にハチミツを混ぜ、半分の量になるまで煮詰めて子羊や鶏の肉にかけていただきます。私は、あひるでとったガラ・スープを煮詰めてこの酸味果汁に加え、フォアグラ用のソースを作ります。
| Rover's
で使われている近郊産の食材 (一部) |
| 1) |
オーガニック野菜: ベインブリッジ・アイランドとウッディンビル |
| 2) |
子羊: ベインブリッジ・アイランド |
| 3) |
果物: ワシントン州東部 |
| 4) |
酸味果汁: ワシントン州東部 |
| 5) |
ゴート・チーズとシープ・チーズ: ワシントン州東部 |
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Rover's
2808 East Madison Street
Seattle, WA 98112
Phone: (206) 325-7442
詳細はこちら |
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1974年の設立以来、厳格な認証基準で知られる有機農法民間基準
『オレゴン・ティルス』 が認証したオーガニック・レストラン 『ティルス』 では、食材の約85%にオーガニックのものを使用しています。そして、調理設備や食材の保管方法など細部にわたる審査に合格した米国で2軒目の店でもあります(※)。
月替わりで旬の食材を楽しむために契約している農家は、ファーマーズ・マーケットに通って開拓したもの。食の安全を考えなければならないのが現代ですから、私の店に来てくれる人たちは、安心しておいしいものを食べたい人たちでしょう。シアトルはそういった面で進んでいる人たちが多い場所。これからもっとその層が広がっていくはずです。
※1つ目のレストランは、ワシントン DC にある Nora's。 |
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私は地元で生産された食材をたくさん使用していますが、その理由は価格が安いにも関わらず鮮度が高いからです。遠隔地で生産された食材も多用していますが、我々にとって近郊の生産者をサポートすることはとても重要。近郊の生産者と我々はお互いに助け合う関係にあると言えるからです。
春はモレル・マッシュルーム(アミガサタケ)が旬ですが、こういったワイルド・マッシュルームの入手には、当店では野生植物の採取を専門にしている業者を利用しています。この業者はマッシュルームはもちろん、シダ類・緑黄色野菜・木の実などありとあらゆるものを採集してきてくれるのでありがたいですね。特にモレル・マッシュルームは私自身が最も好きなマッシュルームなので、当店では10数種類の料理にこのモレル・マッシュルームを使いました。中でも、フライしたあひるの卵とグリルしたパンをソテーしたモレル・マッシュルームと一緒に食す "Fried
duck egg with sauteed morels and grilled bread" は、私自身が最も好きな一品です。
| Union
で使われている近郊産の食材 (一部) |
| 1) |
あひるの卵: ワシントン州イェルム |
| 2) |
ヘーゼルナッツ: ワシントン州全域 |
| 3) |
サラミ: パイオニア・スクエアのサルミ |
| 4) |
オイスター: ワシントン州ウィッドビー・アイランドのペン・コブ |
| 5) |
パン:フリーモントのエッセンシャル・ベーキング・カンパニー |
| 6) |
モレル(アミガサタケ)などのワイルド・マッシュルーム:
ワシントン州・オレゴン州全域(地元のエキスパート、ジェレミー・フェイバー氏から購入) |
| 7) |
ぜんまい:ワシントン州・オレゴン州全域 |
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