
パイク・プレイス・マーケットの東側の建物の中にあるパイク・プレイス・マーケット・クリーマリーは、オーガニックの乳製品やスナック、飲料水、大豆製品などを売る小さな店。1974年にカリフォルニア州からシアトルにやってきたというオーナーのナンシー・二プルズさんは、「パイク・プレース・マーケット内の八百屋で働いた後、1978年に夫(当時)と同店を購入したの。でも、私がカリフォルニア州の家族に会いに行ってる間に彼がお店のすべてのお金を持ち逃げしてしまって。だから、また借金をして1人で経営するしかなかったわ」と、笑顔で語る。その後、ナンシーさんはもともとのラストネーム
"ダウティ"(Douty)を、「乳製品を扱う店でミルクを搾る」という意味合いで覚え易い "ニプルズ"(Nipples)に変えた。「ダウティって、否定的な印象であまりにも面白くないでしょう」フレンドリーで笑顔を絶やさない様子からも、根っから明るい性格なのがよくわかる。
開店当時から常に仕入元の農場の状況をチェックし、できるだけ化学薬品を使わず自然飼育された家畜から作られた乳製品を店に置くようにこだわりをもち続けるナンシーさん。”オーガニック”
という言葉は以前から存在していたものの、より多くの人達がオーガニックにこだわるようになった最近では農務省(Department of Agriculture:
USDA)がオーガニック製品を認可するようになり、同店で扱うオーガニック製品はすべてその認可を受けたものだ。約15種類のバターは、オーガニックはもちろん、ハーブ入りバターやゴート・バターなども揃う。また、最近では見かけないガラス瓶入りの牛乳も扱っている。ガラス瓶はリサイクルできるので環境に優しいばかりではなく、プラスチック特有の臭いもつかず、冷たい温度を長く保ってくれるからだ。大豆製品だけでもチーズ・マーガリン・ソーセージ・ヨーグルト・ミルクなどバラエティがあり、「肉を食べてはいけない」と医者から言われたというシニアも大豆ソーセージを買いにわざわざ買いに来るという。また、店のショー・ケースには、鶏・鶉(うずら)・アヒルの卵がずらりと並ぶ。もちろんオーガニックなので、黄身が大きくて味が濃く、オムレツに最適だそうだ。ちなみに、春には鶏の卵の2倍位の大きさがあるガチョウの卵も店頭に並ぶ。こちらは軽くてさっぱりとした味。どの卵もばら売りなので、好きな数だけ購入できるのは便利だ。
夏は摂氏40度の日が続くカリフォルニア州の砂漠地帯で生まれ育ったナンシーさんは、涼しくて雨の降るシアトルが大好きだそう。最後に、「店のロケーションも、店を訪れる人達との出会いも、大好き。こじんまりとしてアットホームな雰囲気の店であり続けて、これからも常にお客さんの意見を聞き、ニーズにあったものを扱っていきたいわ」と、語ってくれた。
※この記事は2006年9月時点の取材にもとづいています。
|
Pike Place Market Creamery
1514 Pike Place, Stall #3 Seattle, WA 98101 Phone: (206)
622-5029 【営業時間】 月〜土 9am-6pm; 日 10am-5pm |

 |