
園芸学(ホーティカルチャー:horticulture)について執筆したパンフレットで得た資金を持ってスウェーデンから米国に移住したアウグスト・スワンソン氏が、現在はクラウン・ヒルと呼ばれるバラード北部の土地にオープンした園芸専門店スワンソンズ。最初の移住先であるミネソタ州で1888年に園芸専門店をオープンし、花屋を営んでいたセルマさんと結婚、ある年に凍害で商品が全滅したのをきっかけにカリフォルニア州を経て、ようやくシアトルに落ち着いたというわけだ。50年以上にわたってスワンソン一家による経営が続いたが、現在はウォリー・カーウィン氏が経営している。
クラウン・ヒルの閑静な住宅地に続く 15th Avenue NWを南から北へ走ると、左手に小さな緑色の看板が現れる。ゆっくりと走らないと見過ごしてしまうほどだが、車を乗り入れると、視界が急に開け、色とりどりの草花や大小さまざまな植木鉢が並ぶガラス張りのグリーンハウスのような大きな建物が出迎えてくれた。敷地の総面積は5エーカーもあるそうで、あちこちに建つ建物の中には屋外用・室内用・日陰用などさまざまな植物がカテゴリ別に並べられている。人気のバラとモミジは100種類を超え、サラル(salal)やネイティブ・トリリウム(native
trillium)など、ここノースウェスト産の植物(ネイティブ・プラント)を揃えたセクションもあり、この地域の自然や住民の好みを知る上でも興味深い。
常に数十人の職員が勤務しているスワンソンズでは、1960年代から勤務しているベテランもいる。それぞれが園芸学の学位やワシントン州政府の園芸家の資格の保持者である上、経験も知識も豊富。また、無料クラスが常に開催されているほか、さまざまな方面の専門家が揃っているのもありがたい。「庭をどのようにデザインしていいかわからない」という人は、デザイン・サービスを利用してみよう。日照や排水の状況、規模などを考慮に入れ、いろいろな希望をあわせてコンサルティングをしてくれる。20分なら無料とのことなので、きっちりと準備をしていこう。庭の写真を持参するのを忘れずに。
ウェブ・マーケティング・コーディネーターのトリスタン・フィールドさんは、スワンソンで勤務を開始してからまだ2年目。環境科学の専攻で大学を卒業した後、ベルビュー・ボタニカル・ガーデンで1年、カリフォルニア州ウッドサイドにあるフィロリ・ヒストリカル・エステートで2年に及ぶ訓練を受け、スワンソンへやってきたという。「扱っている植物のセレクションが最高とされるスワンソンズは、園芸学の世界ではとても有名。この地域で働くならここしかないと思い、就職活動をしました。当初はセミナーとイベントのアシスタント兼販売員だったのですが、その後、現在のポジションをいただきました」。また、トリスタンさんは働く人にも来店する人にも平和と喜びをもたらすことができるかけがえのないサービスをしていると自負する。「そんな活動に自分も参加しているなんて、嬉しいですね」
ナーサリーというと「庭がないから興味なし」という人もいるかもしれないが、庭がなくても植物を育てることはできる。自分で何かを育てることは心にやすらぎをもたらす効果もあり、疲れ気味の人にはおすすめだ。手始めに、春と秋に開催される40%割引の大セールを利用してみるのもいいだろう。普段から足を運んで、お気に入りを見つけておくのも大切だ。また、忘れてはならないのは、温かいグリーンハウスの中にあるカフェ。サンドイッチやスープなど可もなく不可もなくといった軽食が楽しめるが、ここのポイントは池と熱帯植物が目にも優しく、ホッと一息つけるサンクチュアリのようなセッティングだろう。ランチタイムなどは満席のことも多いが、同店に訪れたらぜひ立ち寄っていただきたい。
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ウェブ・マーケティング・コーディネーターのトリスタン・フィールドさん |