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旅行日誌
 

午前7時:
明日ナナイモに到着するまで1日中海の上にいる日。朝起きた時は「よく寝た」という感じがあったが、しばらくすると船がものすごく揺れているのに気づいた。まるで乱気流に入った飛行機か、水の入ったボールの中で揺らされているように、一定方向に揺れるのではなく、あっちこっちへめちゃくちゃに揺れる。どうもだめだ。食欲もない。ドアの下から、キャプテンとのフォーマルな夕食会の招待状が差し込まれた。「招待を受ける場合は連絡するように」とあるが、これはどうあっても行かなくてはならないので電話をし、招待を受けることを伝える。午前8時30分ごろ、ワイヤレスでインターネットにアクセスできるホットスポットのあるところへ行こうとキャビンの外に出るが、やはりどうも気分が悪い。救急室が午前9時に開くまで待ち、酔い止めの薬ドラマミンをもらう。部屋に戻り、友人 K とそれを飲んで寝る。午前9時30分ごろ、少し気分がマシになったように思えたので、ホットスポットがあるという、2階下のマイケルズ・カフェへ。ここは夜はシガー・ルーム、昼間はブリッジなどのカードゲームを楽しむ人たちの場所となっているが、シガーの臭いが強烈に染みついている。ホットスポットがあるのはここともう1つのラウンジだけだと言われるが、ラウンジへ行くためにさらに2階降りるのは、この体調ではかなり辛い。午前10時半ごろまでメールをダウンロードして返信するが、やはり船酔いとシガーの臭いで気分が余計に悪くなり、キャビンへ退散。友人 K もまだ唸っていたが、昨晩のうちに予約しておいたという針の治療を受けるため、ヨロヨロと前のめりになりながら出て行った。私は午前11時にフット・マッサージを受けにスパへ。スパの職員も船酔いで調子が良くないそうで、辛そうだ。部屋に戻ると、針から戻っていた友人 K が、「午後になったら内海に入るので静かになるらしい」と、針の先生がキャプテンから聞いたと言っていた。また、留守中に電話があり、キャプテンとの夕食会はキャンセルになったという。船酔いで参加希望者が少なかったのだろうか。

午後2時:
起きてみるともう午後2時だったが、気分は爽快!船もとても静かに航行しており、午前中とはまったく違う。おなかが鳴って、かなり空腹なことに気づいた。友人 K はまだまったく食欲がないというので、私だけでさっそくサンドイッチ・カフェへ行き、卵サンドイッチ、サラダ、スープを食べる。昨晩の食事以降は何も食べていなかったので、とてもおいしく感じられた(実際においしかったのだが)。普段は食べないフレンチ・フライも、揚げたてでおいしい。

船の進行方向に向かって右手には陸が見える。陸が見えるということでこれほど安心感があるとは・・・。それも緑が茂る島なので、なんとなく「帰ってきた」という安心感もある。食後にアイスクリームを食べながら部屋に戻り、再びインターネットにアクセスするため、マイケルズ・カフェへ行く。

午後3時30分:
さらに食欲が戻ってきたので、カフェへ行ってヨーロッパ風といううたい文句のケーキをチェックしてみた。約10種類が無料で食べられるが、そのうち2種類を取ってキャビンへ戻る。友人 K はまだ寝ているので、1人で食べてしまった。そこへ、キャプテンとの夕食会がキャンセルになった代わりに、スタッフ・キャプテン(副船長)との夕食会が設定されたという連絡が入った。友人 K に出席できるかどうか聞いてみたが、気分は良くなったものの、「とてもじゃないが社交する気力はない」と言うので、私が1人で出席することを伝える。どんな夕食会なのだろうか!?

しばらくして、気分も良くなり、おなかがすいてきたという友人 K と、最上階のカフェへ行く。彼女はアイスクリーム、ピザ、サラダ、コーヒーを一気に食べ、満足したようだ。ちょうどカフェでは寿司を作る実演イベントが開催されていた。乗客も参加して、巻き寿司などを作っている。

屋外デッキで毛布に包まって寝てみた。眼前には海が広がり、最高に気持ちがいい。ゆったりと航行する船は、動いてさえいないように感じられる。しばらくしてから、壁面がガラス張りのナビゲーター・クラブへ移動するが、窓際はすばらしい眺めを楽しむ人たちが鈴なりになっていた。窓の外には緑の木々が生い茂る島が点々と広がり、友人 K も「こういうところがあるんだ」と感動している。うつらうつらしながら外を見ていると、鯨が見えたので、大騒ぎになった。

午後5時30分:
友人 K は再び針の治療へ出かけ(かなり良かったらしく、3回券を購入したらしい)、私はスタッフ・キャプテンとの夕食会へ向かう。今日は唯一のフォーマル・ナイトなので、男性はタキシード、女性はイブニング・ガウンである。私はカクテルドレスしか持ってこなかったことを後悔しながら、集合場所のランデブー・スクエアというラウンジへ。

ちょうどジャズの生演奏が始まったところで混みあっており、とてもにぎやか。この広いラウンジのどこが待ち合わせ場所なのだろうと考えていると、スーツを着た係員が近づいてきて(この混雑したところで、なぜ私がわかったのかは不明)、夕食会に同席する人たちがすわっているところへ案内してくれた。同席するのは、中年カップル4組。男性がタキシード、女性が金と黒のイブニング・ガウンという1組を除いて、残る3組はカクテル・ドレス程度だったので安心する。私の両親と同じく50代の彼らは、3組がシアトルから、1組がバンクーバー BC からだそうで、20代後半から30代前半の子供がいるという。

給仕長に案内され、マンハッタン・レストランへ。このレストランは初日にフランス料理のコース・ディナーを食べたところで、2階建てになっており、一度に約1,000人が食事ができる。私たちは2階から入り、1階まで続く階段をぞろぞろと下りて、10人用の特別テーブルに着席した。それぞれの席には名前が書かれたカードが用意されており、私は副船長の正面にあたる真ん中の席だ。右隣はボーイング社の男性、左隣は銀行の男性。どちらも話し上手な人たちで安心する。全員が着席したところで、副船長の背後に天井から下がっていた絵がスルスルと上がり、床から天井までの窓に早変わりした。窓の外には彼方まで続く海が広がる。私を含め、海に面している人たちは「おぉー!」と声を上げた。その時、2階からカメラマンが合図し、全員での記念写真を撮影。こんな光景は客船での旅だからこそ楽しめるものだと実感する。

副船長は、「私の母国のワインです」と、ギリシャ産のワインをいろいろとサーブしてくれた。料理は5コース。アペタイザー、スープ、サラダ、メインディッシュは数種類のチョイスがあり、デザートは最後に全員に同じものがサーブされるという。私はマッシュルームのパテをアペタイザーに、そしてパンプキンのポタージュ、グリーンサラダ、白身魚のグリルにクリームソースをかけたものを選んだ。いつもにも増してとても丁寧なサービスで、食事もおいしい。

このテーブルにいる人たちは全員がキャプテンズ・クラブの人たちなのか聞いてみたが、全員がそうではなく、なぜ自分たちが副船長とのディナーに招待されたのか知らないと言う。しかし、4組全員がクルーズ経験は豊富で、中には地中海に面した国々を訪れるクルーズを夫婦で楽しんだという人もいた。彼らもクルーズは「陸では体験できない世界」と言う。ある男性は、「僕はクルーズを未知の土地の "下見" に使っているんだ。クルーズなら出入国が楽だから、未知の国をいくつか見てまわりたい場合、電車やバスや車で移動するよりも頭痛の種が少ないだろう。クルーズで訪れて1日過ごした国が気に入ったら、今度は飛行機でそこに飛んで、じっくり滞在してみればいい」と教えてくれた。時間とお金に余裕があれば、それはまた1つのクルーズの使い方だろう。

デザートはアイスクリームとフレッシュ・ベリーの盛り合わせ。この夕食会のために特別に作られたというチョコレートを、サーバーがまずは女性から選ばせてくれた。指先サイズのチョコレートから、イチゴにチョコレートのタキシードを着せたものなど、よりどりみどり。男性も甘党のようで、2〜3個は食べていたようだ。夕食会の最後に、女性には一輪のバラの花がプレゼントされた。なんてロマンチック〜。

午後9時:
夕食会が終わり、キャビンに戻って友人 K の様子を見に行ったが、すっかり元気になったようで、午後9時のショーを観にいく。これは 『Cirque du Soleil』 のようなパフォーマンスで、男性と女性が布2本を使い、空中を自由自在に動き回る。こういったショーを気軽に観ることができるなんて!最終日のショーはいったいどういうものになるのか、今から楽しみだ。


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Victoria Clipper Terminal
船酔いで朝からダウンしている友人 K。


船酔いなんて物ともせず、エクササイズのクラスを受講中の人たち。


卵サンドとフレンチフライのランチ。


インサイド・パッセージ。穏やかな海と常緑樹が茂る島々。


寿司
の実演で、乗客も一緒に巻き寿司を作成。


デッキチェアでのんびり。


副船長とのゴージャスなディナー。窓の外には大海原が広がる。


マッシュルームのパテなどのアペタイザー。


チョコレート職人が手がけたチョコレートをサーブされる。
 
 
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取材協力・写真(一部)提供:セレブリティ・クルーズ

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