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Seattle Mystery Bookshop
扉の向こうはミステリーの世界――。探偵小説、推理小説、ハードボイルドの新書・古本およそ3万冊の蔵書を誇るのが、パイオニアスクエアにあるSeattle
Mystery Bookshopです。シアトル唯一のミステリー専門書店として、1990年7月に開業しました。
一般のミステリーファンに混じって、同店を訪れる人の中に「初版本収集家」が多いのがこの店の特長。同店マネージャーのTammy
Domikeさんによると、「今では有名になった作家のサイン入り初版本を揃えており、多くのコレクターが探しにやってくる」とのこと。
店の奥からTammyさんが大切そうに取り出して来たのが、「ミステリー部門の“大御所”の1人」(Tammyさん)、Dashell
Hammettのサイン本。値段は何と2500ドル。「この店で最も高価な本」とTammyさんは笑います。他にもReymond
Chandlerら有名作家のサイン付初版本などが棚を飾り、収集家にとってはまさに垂涎の的。
もちろん一般客向けの在庫も充実。中でも店内の一角に設けられた、「Northwest」セクションには、地元ワシントン州を始め、米ノースウエスト各州出身の作家による出版物を多数揃えています。シアトルで活動するミステリー小説家J.
A. Jance の人気シリーズ「Detective Jonas Piedmont Beaumont」作品集や、Lowen
Clausenが描くフィクション犯罪小説で、シアトルに実在する場所が何カ所も登場する「First Avenue」など、種類も豊富です。「ノースウエストは全米でもミステリー人気が高く、数多くの優れたミステリー作家を生んでいる」とTammyさん。
これら地元出身の作家を招いて、同店ではサイン会を頻繁に開催し、読者と作家との交流の場を提供しています。「未来のベストセラー作家」が最新作を手に、読者と語り合うこの企画には、毎回コアなミステリーファンが集まるとのこと。そのサインには「将来値打ちが出るかも?」と期待してやってくるコレクターもいるとか。
また、優れた作家や作品を広く紹介するため、TammyさんやオーナーのJ.B. Dickeyさんは自ら選び出した「推薦図書」を、店内の目立つ場所にコーナーを設けて紹介しています。多くの書店でも見られるサービスですが、Tammyさんは、「一部の書店は、出版社から手数料を受け取った本を『薦めて』いる。このような宣伝費を支払わなければ、優良図書でも店内の隅に追いやってしまう」と眉をひそめます。
シアトルでも最近は大型書店の進出で、経営面で苦戦を強いられる小規模の「独立系」書店が増えているとか。これについてTammyさんは、「最近、営業を停止した書店がいくつかある」と厳しい表情を見せましたが、その一方で、特定のジャンルに焦点を当てた専門性が、大型店に対抗し得る武器になると考えていると話してくれました。「例えばあるミステリー作家の作品を探す場合、大型店では在庫切れでも、当店なら見つけられるというほど、品揃えが豊富。また、店員もミステリー分野の知識が深い。そこをアピールしていきたい」
既にウェブサイトを開設している同店は、オンラインでニューズレターを配信。作家のサイン会などのイベント情報を盛り込み、広くピーアールに努めます。将来的にはオンラインでの書籍販売も視野に入れているということです。
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