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The Elliott Bay Book Company
パイオニアスクエアのThe Elliott Bay Book Companyは、30年近くの伝統を持つ、シアトルの名物書店。訪れる人は、本の購入はもちろん、書棚から書棚へと歩きながら、ゆっくり時間を過ごしたり、地階のカフェで読書をしたりと目的はさまざま。まさにシアトル市民の「心のオアシス」と言えます。
在庫数は、新書が15万、古本が25万冊と、地方書店としては大規模。創業当初は、現在古本セクションとして使われている部分のみという小さい店構えでしたが、今日では2万5000平方フィートに拡張、蔵書のジャンルも多岐にわたります。また、12年前に地下スペースにコーヒーショップをオープンするなど構えるなど、当時としては非常に斬新な空間を作り上げました。
同店の特長の1つは、連日行われる作家の朗読会。既に20年以上の歴史を誇るこの会は、毎年600回も実施され、作家と読者の架け橋としての役割を果たしています。オーナーの
Peter Aaronさんによると、「地元出身の作家から、ノーベル賞受賞者まで、幅広く招待している」とのこと。人気のある作家の朗読会は、外部の施設を借り切って1000人の観衆を集めることもあるそうです。
地域に根差したこのようなイベントは、市民を引き付ける大きな魅力です。朗読会以外にも、子供を対象にしたブックディスカッションや、若者層のためのライター育成プログラムなども開催し、教育面で貢献しています。
規模的には大手書店に引けを取らないElliott Bayですが、Aaronさんは「店員と客のふれあいがモットー。気軽に話し掛けたり、コーヒーを飲みながら談笑したり、訪れる人が楽しめる雰囲気を提供したい」と、チェーン店では味わえない「温かみ」を強調します。また、客の要請に素早く対応できるよう、店員1人1人の教育を徹底しているとのこと。その一方で、オーナー自らが本のラベル貼りを手伝うなど、リーダーシップを発揮して従業員を引っ張る姿勢が見られます。
定期的に発行されるニューズレターでも、店員自身が推薦書の紹介文や記事を執筆。中には、作家志望の人も多いとか。「よい書店はよい店員が作る」というのがAaronさんの持論。常に優秀な人材を採用し、顧客サービスの向上に努めています。
ウェブサイトによるサービスでは、書籍紹介や在庫検索、朗読会スケジュールなど情報提供が中心。オンラインによる書籍販売も行っていますが、収入の上で大きな比重を占めるほどではないそうです。現在Aaronさん自身、今後のネット事業の方向性を探っている段階とのことですが、現時点では店頭による「対個人」の販売やサービス提供に力を入れているようです。つまり、同店が単なる書店を超えて、人との触れ合いやリラックスできる空間などの「温かみ」を提供する場を作ることを最優先しているのです。シアトル郊外から訪れる人も多いそうですが、ショッピングモールに建設されたチェーン書店でなくElliott
Bayに足を運ぶ理由は、ここにあるのかもしれません。
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