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どんなに感動的な物語が綴られていても、苦難から這い上がった話に胸うたれても、"スクリーンに映し出される役者たちは「カット」の声の後は映画からは考えられないほど贅沢な暮しをしているのだろう"
と、映画を見ている最中に現実的になってしまうことはないでしょうか。ドキュメンタリー作品である 『War Dance』
には、そんな冷静さを寄せ付けないリアリティがあります。
2月24日発表の第80回アカデミー賞で、ドキュメンタリー部門のノミネート候補15作品のひとつにも選ばれているこの映画は、内戦が続くウガンダで反政府勢力
『Lord's Resistance Army』(神の抵抗軍)に誘拐されて兵士となり、その後パトンゴ避難民キャンプの学校に通うようになった子供たちが、ウガンダの首都カンパラ(Kampala)で開かれる国立音楽大会出場に向けて奮闘した実話を描いています。戦火の中で親を亡くした子供、親をも含む大勢の人を殺さなくてはいけなかった子供。そんな子供たちが、家や親や子供としての純粋さなど多くのものを奪われてしまった状況でも、音楽とダンス、そして民族の誇りだけは奪うことができないのだと訴えかけます。全国から多くの学校が出場するこの大会で、南部の豊かな地域からきれいな衣装を着てやって来た他の学校の生徒を前に、殺人者である自分たちに引け目を感じ、集中できなくなることも。それでも、子供ながらに民族のことを思い、「失敗したら民族の誇りを傷つけてしまう。失敗するわけにはいかない」と緊迫する様子が伝わってきました。
3人の子供たちが物語を語りますが、その淡々とした話し方に、10代前半という年齢を感じさせない、戦争で年をとってしまった子供たちの悲しさが見えます。そんな彼らが、大会本番でアフリカの民族芸能が持つ力強さを感じた時は、感動で胸が痛くなりました。大会後に変わろうとする彼らの人生にも後味の良さを感じます。公開は11月30日から。(さ)
写真©ThinkFilm
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