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2002年12月、アフガニスタンのタクシー運転手、デウォラーがテロリストと疑われて米軍に拘留され、5日後にバグラハム米軍基地内で繰り返し拷問を受けたと見られる遺体で発見されます。後日、彼は無実の罪で拘束され拷問されたうえ殺害されたことが判明。今作品は米軍がデウォラーを拘束していたアフガニスタンの米軍基地からイラクのアル・グレイブ刑務所へカメラを移動させながら拷問の事実を立証していくドキュメンタリー映画。すでに国際映画祭などで賞を獲得しており、2008年度のアカデミー賞では最優秀ドキュメンタリー部門にノミネートされ話題を呼んでいます。
数年前に裸の受刑者が折り重なるような姿勢をとらされたり、首輪を巻かれた受刑者の前で V サインをして記念撮影をする女性米軍兵士の写真が流出し、米軍の上層部は「モラルにかけた一部の兵士が行った行為」と述べていたニュースを思い出しました。今作品ではこういった拷問が兵士個人の問題ではなく、組織的に行われていることを、拷問に関わった元米軍兵士や国務省の元職員からの証言、そして CIA が作成した秘密文書を元に明らかにしていきます。
拷問の現場が撮影された写真やビデオも作品中に含まれ、目を覆いたくなる場面も多々ありましたが、これらは全て事実であり、現在も無実の罪で拘束されている人がいることを市民レベルで認識し、またジュネーブ条約で禁止されているはずの拷問行為が「テロとの戦い」を名目に無視され、その事実が国際社会にさらされた時に責任を負うのが組織の末端にいる兵士だということにも私達は目を向けなければならないと感じました。次期米大統領選が過熱する中で見た今作品は、日本人の私にとっても意義深いものとなりました。(と)
写真©ThinkFilm
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