|
こんな洒落た映画を待っていました!ストーリー・主演俳優・衣装・小物・セリフ、そしてダイアモンド。一つ一つが全て洒落ています。1960年代のロンドンが舞台なだけに、英国の伝統的な衣装や文化様式を楽しめることもこの映画の醍醐味の1つでしょう。ウィットに富んだセリフには思わずニヤリとさせられることもしばしば。
ロンドン・ダイアモンド・コーポレーションの美人エグゼクティブで切れ者のローラ・クィン(デミ・ムーア)は、長年にわたる勤務とその実績にもかかわらず、自分よりも未熟な男性社員が自分を差し置いて昇進していくことに不満を隠しきれずにいます。一方、夜間に掃除夫として働くホブス(マイケル・ケイン)は、長年にわたる勤務を通して同社の経営に関する驚くほど豊富な知識を身につけ、ローラにダイアモンドを盗み出す計画を持ちかけますが・・・。
ホブスを演じるマイケル・ケインは 『サイダーハウス・ルール』(1999)でアカデミー賞の最優秀助演男優賞を獲得した名優。ひょうひょうとした演技が観客の笑いを誘います。そして、気品溢れる貫禄の演技を見せるデミ・ムーア。男性優位の社内において、毅然とした態度で仕事に臨むローラの凛とした姿はまさに ”完璧な” キャリア・ウーマン。そんなローラと掃除夫のホブスがタッグを組み、ルパンも驚く計画を実行するところはまさに痛快。『オーシャンズ11』(2001)のような派手さや最新テクノロジーはありませんが、それに負けないほどの渋い面白さがあります。決して若くはない主役2人だからこそ成せる巧みな会話のリズムが映画を一段と魅力的なものにしています。ダイアモンド・ビジネスをめぐる政治的背景もストーリーに盛り込まれ、二重に面白くさせているところもポイント。犯罪モノがお好きな方にはお勧めです。そして、最後にもうひとつ。デミ・ムーアの”見返り美人”ならぬ、”後姿美人”をお見逃しなく。公開は3月28日から。(か)
写真©Magnolia Pictures
|