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第2回
: Little Mexico
シアトルから車でI-90を走り、"Blewett Pass" を越えるあたりから、たくさんの美しい果樹園が目に飛び込んでくる。ウェナチー・バレーは、りんごや洋なし、そしてチェりーの産地でとても有名だが、その果樹園で重要な役割を果たしている労働者の多くはヒスパニック系の人たちである。
彼らなしでは、広大な果樹園の果実たちを収穫することは不可能だ。 私が想像するに、長い年月を経て、彼らは家族を増やし、コミュニティを広げていったのだろう。そのため、ここウェナチー・バレーにはおいしいメキシコ料理レストランが多く、食料品店では、メキシコ料理の食材が豊富だ。そしてまた、スペイン語を話すことができると、何かといいことが多い。職を探すにしても、求人欄にはたいてい
"Spanish required" という言葉が目に付く。
2年前にこのウェナチーに引っ越して来て以来、英語を磨き直そうとウェナチー・バレー・カレッジのESL(English as Second
Language)を受講することを決め、手続きを済ませ、レベル分けの学力テストを受けることになった。テスト当日の受験生徒数は約 10名
。もちろん、私以外は すべてはヒスパニックの人たちだ。 しばらくして試験監督官が来てテストに関する説明を始めたが、言っていることがサッパリわからない。どうやらスペイン語のようだ。
「Excuse me. Well...I'm Japanese...」と私が言うと、 彼女はハッとして、 「あらま、ごめんなさい、気づかなかったわ」と言い、英語での説明を加えてくれた(笑)。毎回このESLのテストを受けているのはヒスパニック系の人たちがほとんどで、監督官もまさかこの日に限って日本人がいるとは思いもしなかったのだろう。
ある日、ESLのクラスメートでコスタリカ出身の女性たちが、私を夕食に招待してくれた。とてもおいしい家庭料理をいただいた後、みんなでマリアチ・コンサートへ行くことになった。ウェナチーでは年に何度か大規模なマリアチ・コンサートがあるらしい。会場のウェナチー高校へ到着し、講堂の扉を押し開けると、そこには活気と熱気にあふれた人、人、人!約600席が満員状態だ。日本人はおそらく、いや私1人だけだったと確信しているが、彼らに混ざって、踊ったり、手拍子をしたり、とても陽気ですばらしいし生演奏のマリアチ音楽を堪能することができた。
あれから2年後の今、私は JC Penney で働いている。大きなセールが毎週末のようにあるので、とても忙しい。主な仕事はカスタマー・サービスのレジ係りだが、ここでもやはりスペイン語を少しでも話せた方がいいようだ。ヒスパニック系のお客様のほとんどは英語も話せるが、年齢が上の人にはその子どもや孫たちが通訳をしていることが多い。私も少しでも話せることができたらと、よく使う単語を同僚から少しづつ
教えてもらっている。例えば、「オラ」「コモエスタス 」「ビエン」「グラシィアス」「アディオス」「レシィ−ボ」「タへタ(クレジットカード)」「シィー(Yes)」
「Would you like ガンチョス(ハンガー)?」 まだちゃんとした文章は言えず、発音もまだまだだが、英語とミックスして使っている。基本的な挨拶だけだが、それでも効果はあり、私がスペイン語で挨拶をすると、彼らはほっとしたような笑顔を見せ、"What
is your name? Are you ハポネーズ? What is your name? Can you speak Spanish
?" とスペイン語でどんどん話してくれる。私は いつも「ポキート(少し)」と言って苦笑いをするのだが・・・。
最後に、私のお気に入りのトルティアを売っているところ、Food Pavilion(Old Station, Wenatchee)をご紹介しよう。ここには大きなトルティア・マシンがあり、毎日約10,000枚ものトルティアを作っている。できたてほやほやのトルティアは最高においしい。週末は特に忙しく、すぐに完売してしまうほどの人気だ。その外にも4種類のトルティア
・チップス、手作りサルサ、ブネロス(揚げたトルティア+砂糖+シナモン)などがある。ウェナチーを訪れたときにはぜひ寄ってみてほしい。トルティア・マシンを見ているだけでも結構楽しいと思うのは私だけかもしれないが・・・。
できたてのトルティア |
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トルティア・マシン |
(2005年3月)
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