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第18回:米国企業とのミーティングいろいろ
日本企業の米国販路開拓の仕事をする上で、当然ながら日本企業の社長や担当者と一緒に米国企業を訪問ミーティングすることがよくあります。そのエピソードをいくつか紹介しましょう。
まずは大阪の中堅センサー製造会社の担当 K 氏と米国南部の問屋を訪問した時のこと。自慢のセンサーを見せる K 氏に4人のアメリカ人からいろいろな技術的な質問が投げかけられます。しかし、この K 氏、答える前に独特の間があります。「こんなことは可能か?」といった質問を受けると、無表情でしばらく黙ったままです。「どうしたのかな?」と、まわりが不安になりはじめた頃に「ノー。インポッシブルやね。」と軽く大阪弁の混じったことが出ます。
初めは不気味(?)なものを感じていたアメリカ人も、最後はすっかり K 氏のファンになったよう。しばらく彼が黙っていると、全員が身を乗り出して彼の「ノー。インポッシブルやね。」という言葉を待ち、"Yes, we can." といった答えが出ると、皆破顔一笑です。彼らが、その製品を高く評価していることがベースなのですが、K 氏が技術的にできること、できないことを、その場でしっかりと答えたことが、このミーティングをとても良いものにしました。
名古屋の工作機械メーカー社長 H 氏とは中西部の工作機械ディストリビューターを回りました。この H 社長は元海上自衛隊の潜水艦艦長というつわものです。訪問した1社は工作機械の製造・ディストリビューターだったのですが、話をすればする程、彼らの製造している工作機械が H 氏の主力製品と類似していることがわかりました。一瞬不穏な空気が流れます。しかし H 氏が正直に「我々はどちらかというとコンペティター(競合相手)ですね」と言うと相手方の社長も「そのようですね」と笑い返しました。
それでかえって緊張が解けて和やかな雰囲気が流れました。で、互いに競合相手ということは理解しつつ、協力できることはないかと模索するよいミーティングになったのです。勝海舟の氷川清話に、「敵中に真の味方を得る」といった話がありました。肝胆相照らせば、敵の中にも味方を得られるという話です。それを思い出す良いミーティングでした。
最後はアラスカで、D 社の誇る超防寒手袋を売って歩いていた時のこと。フェアバンクスという町はお昼でも-30度以下です。経験したことのない寒さの中を担当 N 氏と何軒ものお店を訪問しました。で、気がつくと夜の空に緑の雲が、と思ったらそれはオーロラで、あっという間に空全体が緑に覆われました。N 氏と車を止めて外に出て、しばし見とれました。凍えそうな体感温度もあって、忘れられない思い出です。
(2008年6月)
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